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エッセイ

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人生の話、フリーランスの話、広告コピーの話まで。TAGOの日々のできごとや考えを綴った文章。
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#コピーライター

宣伝会議賞について語り始めたら、4,000字を超えていた。

「宣伝会議賞? 何やそれは?」 ですよね。知らない人の方が多いと思います。「宣伝会議賞」とは、キャッチコピーやCMの企画を競う日本最大級の公募賞です。宣伝会議という出版社が主催している年に一度のコンテストで、その歴史は古く今年で57回目を迎えるそうです。グランプリの賞金はなんと100万円。賞の詳細は省きますが、過去の受賞者には、糸井重里さんや林真理子さんなどの著名人もいます。(過去のグランプリ作品はこちら) 宣伝会議賞は、コピーライターになりたい人、現役若手コピーライター

いままでの自分より、ちょっとだけ自由になる方法。

先日、糸井重里さんと阿部広太郎さんのトークショーに行ってきた。これは、「企画でメシを食っていく」の特別編として横浜で開催されたイベントだ。会場に来ている人たちは、自分の仕事や人生の参考になる何かを得ようという顔つきで、PCやノートにメモをとりながら熱心に話を聞いていた。自分もその中の一人だった。間違いなく熱量にあふれた空間だった。面白い話をたくさん聞けた。 今回、そのトークショーの内容をごっそりまとめるといったことはしないが、その場にいた人みんなの印象に残ってるであろう話に

美術初心者のコピーライターが考えた、おそらく誰の役にも立たない、美術館の歩き方

タイトルの通り、ぼくはアートや美術に関して素人です。美大も芸大も出てませんし、思想や歴史や技法などの深い知識もありません。 でも、美術館に行くのが好きです。そして以前から、ぼくのような素人でも美術館が楽しくなる方法はないかなあ〜と、考えていました。 これからご紹介するのは、一個人の主観から生まれた、素人が美術鑑賞を楽しむための4つのポイントです。専門家の人が教える「アート鑑賞の作法」などと比較するとかなり稚拙な内容です。もしよろしければ、決して真剣に読まないでください。

コピーライティングは、インプットが先か、アウトプットが先か?

「いきなりコピーを書きはじめるな」 これ、新人コピーライターが先輩からよく言われるフレーズです。コピーライター入門本などでも、そのように語られていたりします。そこで今回、いきなりコピーを書き始めることの可能性、つまりアウトプット先行の可能性について、普段からばくぜんと思っていたことを自分なりにカタチにしてみます。 コピーライターは、インプット先行が主流(たぶん)。まず先に、一般的なコピーライティングの流れについて触れておきます。多くのコピーライターは、「①インプット」→「

一文も、一生も、やわらかく。

「やわらかい人」が好きだ。ここでいう「やわらかさ」とは、相手を受け止められる柔軟性(懐の深さ)のことだ。受け止めるというより受け入れるという方が正しいかもしれない。そういう人との時間は居心地が良い。それは「一緒にいるのが楽」だということだ。何かを押しつけないし、会話が途切れても怖くないし、素の自分のままでいられる人。極端に言えば、一緒にいる時にこちらがアクビをして眠そうな顔で鼻くそをほじっていても、笑って気にしない人だ。(いや、鼻くそは気にしろ) これは、文章にもあてはまる

27歳の地図。

27歳。 あの頃、 名刺に「コピーライター」と 入っていることだけが、 自分がコピーライターであることの 証明だった。 野暮ったくて、業界に疎くて 垢抜けなくて、傷つきやすくて。 でも、自分なりに 必死に生きていたと思う。 とにかく、あせっていた。 何にあせっているのか 自分でも整理できていなかった。 だから、そんな自分を打破する 努力の仕方もわからなかった。 ただはっきりしていたのは、 このままでは ダメだということだけだった。 小さな世界のひきこもり。 ブレー