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27歳の地図。


27歳。

あの頃、
名刺に「コピーライター」と
入っていることだけが、
自分がコピーライターであることの
証明だった。

野暮ったくて、業界に疎くて
垢抜けなくて、傷つきやすくて。
でも、自分なりに
必死に生きていたと思う。

とにかく、あせっていた。

何にあせっているのか
自分でも整理できていなかった。
だから、そんな自分を打破する
努力の仕方もわからなかった。
ただはっきりしていたのは、
このままでは
ダメだということだけだった。

小さな世界のひきこもり。

ブレーンとか宣伝会議とか
雑誌で紹介される
同年代の若手クリエイターが
自分とかけ離れすぎていて
「うらやましい」とすら思わなかった。

圧倒的にいろいろな何かが
足りていないことは自覚していた。
だから、世の中ともっとつながって
自分に何が足りないのかを
知りたかった。
内から外に出たかった。

ある日、思い立って
「ブログ」を始めた。
発信する楽しさを知り、
ブログ仲間とつながる喜びを知った。
今思い出せば、当時の投稿は
全く恥ずかしい内容ばかりである。
例えば、「コピーライターの
文体あるある」
とか。
黒歴史のようなブログだったが、
その頃の自分は
小さな世界が少しだけ広がった
気がして、PCに向かって
得意げな顔をしていたと思う。

伝説のブログ「コピーライターが
思わず!となったコピー」の
有田さんとも交流があって、相互リンク
させていただいていたのを覚えている。
後に、『「売る」コピー39の型』という
名著を出版された。

しかしSNS(mixi)が
流行り始めたあたりで
ブログをやめてしまった。
なんで発信をやめてしまったのだろう。

あれからかなりの年月が流れた。
年月に流されすぎた。
あまり成長していないし、根本が
変わっていないことに愕然とする。

いま、あの頃みたいに
「発信体質」に戻りたいと思う。
そう。まだまだ自分は
小さな世界に生きている。

読んでもらえるだけで幸せ。スキしてくれたらもっと幸せ。