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本当に「自分の頭で考える」ために必要なこと

1.いつの間にか自分の中にできている価値観

日本人の中には「和を重んじる」価値観が深く根付いていると感じることがあります。

それはすごく良いイメージの言葉なのではないかと思いますが、

何事も良いと思える事柄の裏側には悪いと思えるようなことも潜んでいたり、その逆もまたしかりであったりと、

物事には表からだけ見ていると、見えない裏の部分が必ずあるものです。

「和を重んじる」という事柄の裏の部分は「あらゆることに妥協しやすい」ということです。

つまり本当は「自分はこうしたい!」という気持ちがあったとしても、その気持ちを我慢してしまうことが多いということです。

上記の記事でも書きましたように、自分の気持ちを抑え込み続けると不健康になっていきます。

それは自分で考えることを放棄してしまうが故の結末だと思います。

しかし一方で自分の気持ちを抑えることが常に悪い結果をもたらす、というわけでもありません。

状況によっては自分を抑えた方が万事うまく進むという場面もあると思うので、

やはり時と場合に応じて自分を抑えるべきか、出すべきかは使い分けなければならないと思うわけですが、

今回強調しておきたいのは、その判断に私達が生きてきた環境・風土というものが色濃く影響してくる構造がある、ということです。


2.自分の考えのようであって自分の考えではない

とある人が、ヨーロッパ人と接した際に「ずけずけと色々面倒なことを言ってくる性格だ」という風に感じることがあったそうです。

それは自分の譲れない部分に対して、自分を押さえるべき場面ではない自分の想いを主張しているが故にそういうことになっているのではないかと思われるわけですが、

そもそもそのヨーロッパの人はなぜそのように「ずけずけとものを言う」と、少なくとも日本人からそのように思われる行動をとっているのでしょうか。

想像するに、それはおそらく幼い頃からそのように自分を主張することが良しとされる文化の中で育ってきたからで、

あるいは自分もそんな風に自分の意志をきちんと出せるような人間になりたいと憧れたからではないかと私は思うのです。

自分の判断は、他の何者でもない自分だけによって下されていると考えがちですが、

そのような現象から考えると、少なからず周りの影響を受けている人がほとんどであろうと思うわけです。

だからある意味で私達は環境の影響から逃れることはできないであろうと思います。


3.本当の自分を知るためにすべきこと

「和を重んじる」という日本人らしさというものが、多くの日本人に確かに見受けられるという事実がある以上、

自分ではない周りの環境が自分そのものの形成に大きく関わっていることは間違いないだろうと思います。

でも一方で、自分をしっかりと出していたように見えるそのヨーロッパの人も、言ってみればその環境が生み出したアイデンティティではないかとも思うわけです。

だとすれば、本当の自分はどこにいるのでしょうか。

自分と思っているものがすべて環境によって作られたものであれば、自分とは一体何なのでしょうか。

おそらくそのために必要なことが「自分を内省する」という作業だと思います。

内省をすることができれば、私は本当の自分に出会うことができると考えています。

内省をするためにはまず、日本という文化の中で育ったら、このような価値観が植え付けられやすいという構造を知っておくことが前提として重要になってくると思います。

その上で私という人間が何をどのように感じ、どういうことに善を感じ、どのように生きて行くことを良しとするのか

そういったことを深く考えていく必要があると思います。

構造がわかっていれば、今自分が考えたことが自分が育った環境によって作られた常識なのか、それともその構造に対して自分が本当に思っていることなのかを区別することができると思います。

それが区別できれば、自分の頭で考えているようで実は全く考えていない思考停止状態に気づいて是正することができます。

例えば、マスクをつけるかどうかを判断する時に、

自分は「和を重んじる」日本の文化の中で育っているが故に、マスクを装着して皆に不快にさせないことを良しと思っていると考えます。

しかしそれは自分の本当の気持ちというよりは、構造を理解した上で環境によって構築された自分の価値観だということに気づきます。

その上で本当の自分はマスクを装着したくないという気持ちがあること、

自分がマスクをしないのは、その選択が物事をスムーズに進めるのに最も合理的なのだからであって、

決して自分が望んでマスクをしたくないと思っているわけではないのだと、

本当の自分が今どこにいるのかという感覚を見失わなくてすみます。

見失わなければどう変わってくるのかと言いますと、

マスクをしないで済むようにするためには、あるいはそのような場を作っていくためにどうすればよいかということを考えると思いますし、

あるいは個人的な空間や密にならない空間においてはマスクを外すという選択も普通に行えると思います。

それというのも「マスクをしたくないという本当の自分を見失っていないから」こそできることです。

これが「マスクをつけておいた方がいい」という常識を自分の考えだと誤認してしまっていると、

いつ何時もマスクをつけていたり、人の顔色を見ながらマスクをつけるかどうかを判断するという他人に支配された人生を生きることになります。

そうならないためにも、自分の中での常識を創り出している構造認識と、その上で自分自身が何をどう捉えているかを知るための自己内省

この二つは本当の自分を見失わないまま、本当の意味で自分の頭で考えながら生きて行くことを可能にしてくれると私は思います。


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