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講演会②工藤勇一先生「かわりゆく じだいと ともに あるまなび」その2


2 手段の目的化

目的 基礎学力を身につけさせる
最も大切な自立を失うことになる
1番上位目標は自分の力で歩いていくことができる。

そういった自立した人間を育てるために必要なのが学力であり、人間性であり健康だと。
でも、いつの間にか我々は上の目標を忘れてまでも学力を身につけなきゃいけない。特に、全国一斉学力調査なんかがあると、町議会で問われますよね。町議会で、多賀町の成績はどうなんだって言われます。学校はちゃんと勉強させているのかって。
なんとなくそういった批判を受けていると思います。

学校は、そういった声もあって、とにかくサービスをしなきゃいけない、補習をやろう、 とにかくテストをやろうとかですね。学力テストがあったら、その前に練習しようとか。

スポーツテストがあれば、また同じように、多賀町の体力はどうなっているんだと言われるわけですね。で、そうすると学校はスポーツテストの前にひたすら練習したりすると、もっと部活の時間を長くしようとか、または、もっと学力、勉強する時間を長くしよう。夏休みは短くしようとか、いろんなことやります。
体験活動はどうなんだって。とにかく体験を一杯させなさいってことです。農業体験、奉仕体験。なんとか体験。
まあ、とにかく、欧米とはだいぶ教育が違っています。とにかく、サービス過剰ですね。手をかければかけるほど子供は自立できなくなるって話をしたと思うんですけど、 主体性と置き換えた方がいいかもしれないです。主体性って日本では、後で育てるものって、最近は勘違いしているお母さん、お父さんがいます。お母さんの質問に、先生、うちの子ね全然質問できないんですよ。声出せないから、面倒見てやってくださいとか、宿題出さないと、うちの子、全く勉強しないんですとか、勉強の仕方が分からないんです。だから、勉強の仕方教えてもらってもらえませんか。っていうような声はよく聞きます。
これは日本独特の言葉だと思いますね。 なぜかと言うと、人間って主体性を持ってない子供は実はこの世に生まれた時に1人もいないんですね。赤ちゃんで生まれた時には、全員が主体的な生き物です。ほっといても障害があってもその子なりの主体性を発揮します。
五体満足な、丈夫な子供だったら、そのうち寝返りをし、そのうちハイハイをし、つかまり立ちをして歩き始める、 ほっといても言葉を覚えて、対話をし始める。出っ張っているものがあったら押してみたり、引っ張ってみたり、ぶら下がっているものがあったら、こう、つつこう、なんかボンボンボンとやってみたりですね。いろんなことをするわけですよ。
でも、なんで主体性を失うのかっていうと、実は後天的なもんなんです。特にヨーロッパは、 子供が生まれて持った主体性を失わせない教育をすることが幼児教育だと言われています。
初等教育、中等教育っていう風に、可能な限り主体性を失わせない教育をしようと、 さらにそれを伸ばしていくってことが大事だよねっていうのが教育なんですけど、日本は主体性を失ってでも 学力をつけさせようとかですね、こういったことをやっているってことです。

宿題は自立を失わせる象徴的なもの

麹町中が、宿題をなくしたと。この時に心配をしたのは、中学校1年生の保護者でした。
でも、同じ保護者でも大喜びした保護者がいます。中3の保護者の方々でした。なんか不思議ですよね。

「×」→「〇」の努力をしなければたくさんの時間だけが奪われ学力は何も変わっていない

なぜ、中三の保護者の方々が大喜びしたかのその理屈をお話ししたいと思うんですけど、宿題っていうのは、例えば、数学の宿題20問出しました。
勉強ができる子、とても数学が得意な子だったら、こんな宿題。あっという間ですね。処理スピードも早くて、あっという間にできて、 あ、なんかわかんないなと思ってもよく調べて、調べてもわかんなかったら人に聞いて、なるほど、そういうことかって言って提出をすると、なんか一見完璧な子に見えます。
でも、この子も完璧な子じゃないんですね。もう日本の教育に染まった子供たちです。

ヨーロッパでは、宿題を出しちゃいけないってことが国で規定されている国もあれば、そもそも塾がありません。
ヨーロッパの子供たちとかって。アメリカもそうですけど、塾がないので、子供たちはとても自由時間が多いんですね。日本は とにかく忙しい。忙しいところに宿題が出ます。じゃあ、普通の子供たちどんな姿になるかってことです。

宿題を提出しなきゃいけないことが目的になりますね。
宿題を早く提出するために、ある行動パターンを取ります。どういう行動パターンかって言うと、わかんないとこ飛ばしますね。わからないとこを飛ばして、わかるとこだけやります。
今日は反復して定着することを除いて考えましょう。とにかく分かるところしか手をつけないで提出する。これ、中3になるとますますそうなりますね。宿題っていうものが、内申書、調査書ですね、受験のための調査書に に大きく影響するので、宿題を出さないと、とにかく自分の勉強ができないんです。
わかるとこだけやった子供たちの姿はどうなるか、時間だけ奪われて学力が上がらないってことです。スポーツも何でもそうです。

人に、命令されたものが、自分にとって必要じゃないものなのに、それをやらなきゃいけないってことです。
それが終わらないと、受験勉強できないで、成績も落ちる、変なジレンマに陥るわけです。
ですから、中3の保護者の方々は、宿題がなくなってやっと受験勉強ができるって喜びました。子供たちも大喜びですね。

明治維新から150年間も教師側の立場から教育を考えて来た

1、何を教えて(カリキュラム)
2、どう教えるか(教え方)

これ、明治維新からずっと、日本はこれやってんですね。一斉授業でいつも一斉にみんなに同じものをやっています。
大事にされる言葉が、多分多賀町でも同じだと思うんですけど、日本中の学校が、未だに大事にしているのが学習規律って言葉ですね、 規律です。
これが20年ぐらい前、何年ぐらい前でしょうか。盛んに言われて、小1プロブレムって名前があるんですけど、聞いたことありますか。皆さんは、教育の専門家じゃないとなかなか分かんないかもしれないんですけど、 小1プロブレムっていうのは、小学校1年生の段階で、なかなか、椅子に座っていられない子供がいて、立ち歩いて落ち着かなくて、邪魔をする。このことが問題になって、小学校1年生の担任の先生がとても苦労しいている。
やっぱ国の施策としてもなんとかしなきゃいけないって、文部科学省は小1プロブレムって名前を付けて、手厚くしようっていう動きがありました。でも、これによって、 実は小学校1年生の先生方はもっと苦しむことになりましたし、幼稚園、保育園の先生方ももっと苦しむことになりました。
実は、小1プロブレムって言葉は、欧米はありません。極端に言うと、小学校1年生の子供が椅子に座っていられないのは当たり前だからです。だから、小1プロブレムなんて名前がないんですよ。
どういうことかっていうと、例えば、小学校1年生だったら、欧米だったらですね、いろんな椅子があって、おっきい椅子、ちっちゃい椅子、座り心地のなんか悪い椅子とか、ぐらぐら動く椅子とかバランスボールがあったり、または座ってしまうと落ち着かない子がいるんですね。これ、発達特性の子供の中にいるんですけど、体を動かした方が落ち着く子がいるんですよ。

一斉指導・規律・集団行動を重視

でも、日本では、体を止めなさい、姿勢を正しなさい、まっすぐ向きなさいって規律が優先されるために、 実はそういった発達に特性ある子供たち20パーセントぐらいいますかね、そういった子供たちにとってはとても過ごしづらい場所になるんですね。

教育立国って言われているデンマークなどでは、小学校の子供たちは、床に転がって、授業している子がいます。
後ろの方にはマットがあって、その上で寝っ転がって授業受けている子なんかもいますね。全く違う教育文化ですね。ヨーロッパなんかと。
なぜかというと、上位にあるのは、主体的であることがとても大事なので、

寝っ転がろうがどうしようが、子供が授業を真っすぐ主体的に学んでいるかの方が重視されていて、 学んでなくても、分かんなくても、真っ直ぐ姿勢を正している子が重要だとは思われないですね。
この辺、この文化を変えるのは大変ですよね、

日本。我々は特に戦争中からこれがきつくなったと言われています。 正しく座っているって日本の躾けみたいな文化がとても良しとされてきたので、教育にとっては大きなハードルですね。
今、小学校の授業が写真で出ていますけど、僕、小学校の授業はアメリカとイギリスぐらいしか見に行ったことがありません。

でも、イギリスの授業見て驚きました。まず、黒板がなかったんですね。
日本は黒板を見て先生が教えて、一斉授業でみんなが手挙げたりして授業風景がありますけど、イギリスではそういう授業風景を見ませんでした。板書もしませんでしたね。ちっちゃいホワイトボードが1個あるんですけど、そこにほとんど書かなくて、プロジェクターでいろんな映像を映しながら授業をしていましたよ。

組体操・マスゲーム

これもとても日本的ですね。重視するものがよくわかりますよね え。組体操、マスゲームなんかも日本中でまだ行われていますけど、これなんかも特に、いろんな弱い子を考えると、強制して一斉でやるものじゃないっていう文化はまだまだ日本には育っていないですね。
話を少し戻したいと思うんですけど、さっきお話した通り、日本はあれをしなさい、これをしなさいっていうものがとても多いです。
で、それがもし必要じゃないと思ってもやらざるを得ないってものが小学校時代からずっと染みついています。例えば中学生ですね。

低い生産性 OECS加盟38か国中28位(1970年以降最低)

数学がとんでもなく得意な子が授業聞いていて、もう塾にも通っていて、もう全部わかる。と言ったことが。英語の勉強をしたいと思って内職をしていたとしましょうか。当然叱られますよね。
でも本当はこの時間無駄だから自分の必要なものを勉強するって子の方が大人になるってこと考えれば正解ですよね 。つまり、日本の教育システムっていうのは、一斉にやらせるためにとても非効率なんですよ。これ、大人の労働生産性の低さを示しています。今、先進国で最低で世界の中でもどんどんいまだに下がっています、労働性が低いって言われてんのに、人口が減っていく中で日本経済が復活するためには、 同じ時間働いて稼ぐお金を、例えば、1か月あたりで20万稼ぐのも40万稼げるみたいに、そうなっていくことが大事なのに、 日本は、もう学校の段階で終わっているってことですね。学校の先生たち、親たちは子供に、こういうわけですよ、

勉強時間を増やすことが大事だと刷り込まれ続けた者に、働き方改革など出来るわけがない。

勉強時間が足りないよって、もっと増やせって言うんですね。そうじゃないんですよね。自分も必要な勉強、つまりさっきの宿題で言ったらバツの部分、 自分のわかんないところを自分で探せて、それを解決するためには、調べたり、または人に聞いたり、 そういうアクションが大事だってことを体験的に知って、効率よく勉強する方法を覚えた子供が必要なのに、

勉強時間に目が行ってしまい、学校の先生は勉強時間調査したりすると、 もっと子供は机に向かっている時間が長くなければいけないって変な気を起こしますね。教育が全く根本から違うっていうことです。

労働生産性が上がらない原因は学校教育の時点で出来上がっている。

労働生産性が低いのは、もう学校教育の時点で出来上がっているってことですね。

我慢してやる習慣がついている子供たちが大人になっていくんですから、 自分の会社に。いや、なんでこんなこと毎年やっているんだろう、これ改善すればいいのになって愚痴はこぼす、文句も言うんですけど、それが一向に改善されない国。それが日本かもしれないってことですね。

例えばフィンランドって教育で有名です。フィンランドの40年前、50年前はで、 実は日本と同じように詰め込み教育をしていました。大反省をしたんですね。なぜ大反省をしたかって言うと、日本よりも切羽詰まっている国なんですよ。人口がいないんですね。
それも気候も悪くて、1年間の半分が夜みたいな国です。資源もない

ですから、あの国にとって教育は最重要ポイントだったんですね。日本の人口がどんどん、どんどん増加して、経済発展している間にフィンランドは自分の国をなんとかするために教育に力を入れて、 自立型の教育をしようって決めたわけですね。教育から大転換したのがもう40年、50年前です。

これからの時代は学ぶ側の立場から教育を考えていく

1,何を学んで(カリキュラム)
2、どう学ぶか(学び方)

何を学んでどう学ぶかを子供が決めることができる、そういうシステムに変えてきました。
何を学んで、どう学ぶか、 これを子供が選んでくってことになると、極端に言えば、飛び級ができたり、留年ができたり、子供がどんな方法で学ぼうか決めることなんですけど、 この学び方は人それぞれなんですね。ちょっと皆さんに、調査って言いますか、一緒に、検査してみましょうか。
皆さんは本を読むときに、頭の中で音声化しますか。しませんか。
ちょっと皆さんの姿を見て。会場の皆さんは僕から見えているので、ちょっと手を挙げてほしいんですけど、 本を読むときに頭の中で声をイメージしていますか。音声化していますか。

ちなみに音声化すると本を読むスピードは遅いですよね。いちいち中で読んでいるわけですから。
僕は小学校時代から本を読むのがとても大嫌いで、理科系の人間だったので小説なんか読むのはもうほとんどしたことがありません。
読書感想文書けなんて言われると本当地獄のようでした。読み書きがとても苦手だったんですね。
本を読むのがすごく早い人いますよね。これ音声化してないですよね。字のまとまりでボンと頭入れます。さて、皆さんは どちらのタイプですか。手を挙げてほしいんですけど。まずは僕と同じように音声化しながら本を読む方、手挙げてもらっていいですか。どうでしょう。
手挙げたら、周りの人たちもちょっと見てください。どのぐらい手上がっているか見てもらっていいですか。はい、こんな感じです。はい、ありがとうございます。
では逆に、字のままとまりで本を読む方、手挙げてもらっていいですか。また手の上げ具合、ちょっと見てもらっていいでしょうか。はい、ありがとうございます。
これ、集団によってだいぶ違います。今日は音声化する人の方が多かったように思うんですけど。
これはどういう特徴なのかっていうと、音声化する人は、聴覚に強い人、聴覚優位です。ですから、実は物を覚えるのは、文字を読むよりも、 音声にして聞いた方が頭に入っていくタイプの人です。後者の人は視覚優位で。だから、本を読むのもすごいスピードで読めたりするのは、文字をまともにポンと頭の中に入れることができるタイプです。

いろんな子供たちがいるんですね。後天的に訓練をすればそれぞれ能力は上がるんですけど、訓練してもどうしようもない子がるんです。例えばこういう子です。
この子は小学校5年生の時のノート借りたんですけど、今中2ですかね、夏と冬で降水量逆なのはなぜか考えようっていう授業で、 先生はいっぱい黒板に字書いたんですけど、たった2行しか書けませんでした。
漢字も覚えらんないし、ちゃんと字書きなさいって、もっと丁寧に書きなさいとかって、親にも言われるし、先生にも言われるわけですよ。
5年生になって、あー、僕は勉強ができないんだって思っていたわけですね。このタイプの子は、先生の話を聞いて、字を書くことができません。
思考のスピードと、動作性のバランスがとても悪い子ですね。イライラ、イライラするんですよ。だから、授業中にノート取ろうと思うとイライラします。

必死になってノート取るので、もう先生の声が耳に入りませんっていうタイプの子です。
この特徴があるような子供たちが、ヨーロッパの調査では20パーセント。5人に1人です。
20パーセントいるって言われています。5人に1人です。多分日本も、発達障害で名前がつかなくても、読み書きがとても苦手な子はそのぐらいいるでしょう。

スティーブン・スピルバーグ、トムクルーズ ディスレクシア(読み書き障害)

極端な子供の例と、極端な人の特性がある人に、有名な人で、スピルバーグとかトムクルーズがいます。
トムクルーズは有名な俳優さんですけど、台本が読めません。読み書きがとても苦手なんですね。字を書くのも読むのもとても苦手です。
でも、台本が読めないんですけど、彼は困ったことがないんですね。必ず台本を録音してもらっていたからですね。それを耳で聞いて。
実は一発で覚えるそうです。たった1回で。それは訓練したからですね。だんだん、だんだん、読み書きは苦手だけど、話す、聞くが得意になったってことです。
多賀町では朝読書の時間なんてやっているでしょうか。朝読書はこの調査結果でいけば8割の子供にはオッケーですけど、 20パーセントの子供たちはイライラしているかもしれないですね。多賀町では、先生はノート提出をさせるでしょうか。

学級の子供たちの中に20パーセントぐらいの子供たちは苦痛かもしれません。今の時代、 スマホ1個あれば音声入力もできますし、読み上げソフトもあります。朝読書の時間にオーディオブックがあったら喜ぶ子供がいるかもしれません。
話戻して、この子も実は同じ障害があったんですね。検査をしたら校長先生に相談します。ノート取れない。どうしようかって。じゃあパソコン使ってみるか。鉛筆でノートを取るのはとても苦手なんだけど、パソコンを使ったりキーボード、それから、 スマホでフリック入力で字を打つなんていうとしかける子がいます。この子もキーボードとタブレット使ってみたら2行しか書けなかった授業のノートがどんどん書けるようになりました。漢字も覚えられないのに変換はできるんですね。
半年後のノートがこれです。これ、この子のノートです。他の子供たちは色鉛筆使いながら、定規使ってグラフ書いたりしている時に、 この子は全部キーボードで打って、グラフを貼り付けたり、写真を貼り付けたりして、ノートをとるようになりました。
これが不平等って言うんでしょうかって話ですね。不平等じゃないですよね。我々がこう、眼鏡をかけたり、補聴器を付けたりするのと何も変わらないってことですね。

「教える」から「学ぶ」へ

これを欧米では、40年ぐらい前からやっています。数学の授業を、教える授業をやめたと言いました。自由にタブレットを使っている子もいれば、問題集を使っている子もいます。
自由に自分の分からないとこから順番に進もう。だから、学ぶところが、小学校に戻る子もいるんですけど。みんなバラバラで学んでいくんですけど、最初のうちはこの学びになれません。 なかなか慣れなくて。長かったら半年から1年ぐらいこの学び方になれない子がいて。 その姿を見ると子供たち遊んでいるじゃないかってみたいなこと言う人がいます。

麴町中でもそうでした。始めた頃は、やれる子はいいんだけど、やれない子は全然これが先うまくいかないんですね。でも、 やっと学び方を覚えてく。つまり、わかんないことがあったら先生呼んだり、友達と相談したり。これ、その姿ですね。

主体的に問題解決(対話的な学び合い)

みんなバラバラのところを勉強してんのに、わかんないところがあると人に聞き始めるんです。勉強って実はこれなんですよね。わかんないことがあったら、調べたり、聞いたり、アクションを起こすと分かる。この学び方を覚えることが実は人生において一番重要なものなのに、 日本はこれを奪っているってことですね。一斉授業の時には、できる子は、ずっとじっと姿勢正しくしているし、 苦手な子は、置いてかれる。それが日本の教育です。質問もできない。

でも、このスタイルに変えたら、子供たちは自由に相談するようになるわけです。教える授業をしている時には、先生の教え方が悪いって文句言っていた子供たちが、 教えない授業すると先生呼んでありがとうっていう。皮肉なもんですよ。
つまり、我々が子供たちに教えなきゃいけないのは、自立することなんですね。

個別最適化って言葉が最近よく言われます。それは大人側が決めることではなくて、子供が個別最適化を探していくってことなんですね。
だんだん、だんだん自分の学び方を身につけていく。そこが大事です。

子育てにおいて一番大切なもの

人の力を上手に借りながら 自分の力で歩んでいくことが出来るように支援すること

今日学校の関係者じゃない方が多いって聞いているので、 改めて子育てってなんですかと質問したいと思うんですね。横浜創英中学校は今大人気なので、小学校6年生の保護者を連れて学校説明会へ、今日もたくさんいらっしゃると思います。
その時に僕は必ず保護者会で、この学校説明会でこう話します。皆さんって今12歳ですよね。お子さんって、 どんな風に育てたいですかって聞きます。その答えはですね、人の力を上手に借りながら、自分の力で歩んでことができるようにすることですよね。

これね、子育ては終わってからわかるんですよ。って。僕も2人の息子の父親ですけど、 子育てが終わってからね、こういうことがわかるんですね。やっぱ手かけたいなって思っちゃうんですよ。
皆さんはあと何年ぐらい手かけますかって言うんですね。

高校3年生になった時に、自分の進路、専門学校行きたい、大学に行きたい、働きたいとかです。 それを親に相談しますかねって。自分で決められる子になってもらいたいと思いませんかって。とすれば、12歳で18歳。

あと何年でしょう。つまり、何年手をかけられるか。子育てっていうのは、手かけるかじゃなくて、手の離し方ですよね。
どうやって手離すかが子育てと僕は思いますよ。

10分休憩

前半部分、僕が待ったなしって言ったの、実は、 あの緑の時代の景気が良かった時代、人口が増えていた時代から、このピンクの時代に変わって、政治も何もかも転換をしなきゃいけない。 でも、転換するのにはとても痛みを生じるわけです。

今うまくいっている人たちも国を転換して、税収がだんだん減っていく中で、そのお金をどう使っていこうかとかです。
国全体の問題なんです。これには対話をしても、痛みも覚悟しながら転換をしていかないと、日本が将来に沈没するかもしれなみたいなことです。
(その3に続きます その4まであります)



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