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クラウドファンディングで300万円を調達。遊びから生まれたヒット商品の経緯がすごすぎる

こんにちは。今回は、オーストラリアのスタートアップAnnexというProductチームが展開する「Openaケース」の成功事例をご紹介します。Annexのその他のプロダクトとしては、スマートフォンを自転車に固定できるQuad Lock Caseや、カード、現金、鍵を保管できるHoldaCaseなどがあります。

Openaケースとは、ビールやドリンクを開けるためのオープナーで、スマートフォンケースと一体化したユニークな商品です。OpenaCaseは2011年6月にKickstarterでローンチし、当初の目標価格を上回る28,303ドル、日本円価格で300万円をクラウドファンディングで調達することに成功しました(当初の150万円の目標を上回りました)。

創業者のクリスピーターズは、起業家として成功するための条件がすでにいくつか整っていました。

Opena Case

創業者の経歴

・高校卒業後、工業デザインを学ぶ
・医療機器を専門とする大企業で4年間働く
(工業デザイン、プロトタイピング、グラフィックインターフェースに携わっていました)
・デザインコンサルタントに勤務
(中小企業を経営することがどのようなものかを理解するのに役立ちました)
・販売方法を学ぶためにソフトウェアを1年間販売
・デザインコンサルタントを3年間経営

OpenaCaseをスタートさせる前に10年以上の経歴がありました。そして、共同創設者であるRobWardは、レーザー切断機を販売する会社の販売とマーケティングを行い、技術的なバックグラウンドも持っていました。

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成功させるための5つのステップ

1 試作品を短時間で製造する(ラピッドプロトタイピング)
2 友人からの関心を集める
3 FBコミュニティの構築
4 クラウドファンディングの成功
5 メディアとPRの注目


これらをどのような流れで行ったのか、詳しく解説します。

1  プロダクトに注目させる

友人が開催するバーベキューやパーティーに出かけるたびに、Openaケースを一緒に持っていき、ビールを開けました。携帯電話でビールを開けるというパフォーマンス、友達からの反応は素晴らしいものでした。

Openaケースを片付けたり、ポケットに戻したりすると、「ちょっとまって、それを買いたい」と言われます。
そして、試作品だから、と説明すると、その試作品にはいくらかかるのか?といった流れになりました。

そうした経験は、プロダクトを市場に出す前の大きな自信となりました。Kickstarterに立ち上ゲル前から、ビジネスをスタートさせるまで、潜在顧客からこうしたフィードバックを得て、繰り返し商品の検証を行いました。


2  クラウドファンディングの前にコミュニティ構築

スタート当時、Kickstarterはかなり新しいクラウドファンディングだったので、Openaケースプロジェクトに多くのトラフィックを送り、プロジェクトを支持してもらう必要があることを理解していました。
そのため、実際にプロジェクトを開始する前に、コミュニティを構築することを考えました。

著者セスゴーディンの本も愛読し、コミュニティを構築すること、そしてそれに参加する人たちに製品について書いてもらうことの重要性が書かれていました。

そしてそうしたコミュニティに参加する人の中には、流行に敏感で、自ら情報収集を行い判断する層「アーリーアダプター」が存在し、新しい商品やサービスなどをすばやく受け入れ、消費者に大きな影響を与えます。トレンドを先取りするのが大好きな彼らを集めることは、とても早い段階で必要であり、そして社会的にプロダクトを成功させるための証明として、過半数を必要と言われます。プロダクトの成功は、イコール、コミュニティ構築の成功が鍵を握っていると言えます。

3  Facebookページを開設

コミュニティ構築は、とてもシンプルです。Facebookページを作成し、いくつかの写真やビデオを投稿し、試作品やアイデアを投稿しました。友達に気に入ってもらえた場合は共有してもらえます。Facebookの広告も設定しました。Facebookページには約1,000のいいねがあり、およそ100ドルまたは200ドル相当の広告が必要になりました。

4  試作品のフィードバックをもらう

Kickstarterをスタートする前から、制作されるのを待ち望む人たちがたくさんいました。そして、デザインはどれが好きか、どんな色に興味があるかなど調査を行い、これらはとても大事な意見となります。

5  大量のトラフィックを獲得し、口コミの売り上げを伸ばす

Kickstarterを立ち上げたとき、手伝ってくれた人へのお礼(リターン)をしました。Openaケースの購入に対する標準的なリターンは30ドルでした。私たちはそれを半額、ほぼ15ドルで早期の支援者に提供しました。それらのリターンの数は約150個と限定しました。

Kickstarterでリリースするとすぐに、Facebookページで共有しました。早期の支援者は30分以内で購入し、完売しました。そして支援者は割引で購入できるリターンのリンクを友達にメールで送信し、共有してくれました。

発売されてから最初の数時間で、大量のトラフィックが発生しました。これはキャンペーンを後押しするのにとても効果的でした。新しいブランドは目立たず、よく知られていないため、アーリーアダプターに報酬を与えることは重要であり、早期に支援してくれる熱狂的なファンを集められるかがとても大事になります。そして、結果的に、著名人のユーザーやメディアからの注目を集めました。

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創業者インタビューをまとめました

重要ポイントを伝えていますので、ご参考ください。

Q 顧客獲得のための、全体的なフレームワークはありますか?

顧客獲得は、私たちが常に取り組んでいることであり、次第に上手くなっていきます。私たちの顧客の大多数はオンラインで獲得されており、オンライン販売の最大の利点は、テストして、何が機能し、何が機能しないかについて即座にフィードバックを得ることができることです。

最近私たちはビデオコンテンツとFacebookマーケティングに力を注いでいます。Opena Caseのようなプロダクトは文章で伝えるのが難しいですが、ビデオで数秒で多くの情報を非常に簡単に伝えることができます。
Facebookマーケティングによって、特定の製品ページに顧客を集めます。訪れる方には割引クーポンと引き換えに、メルマガに登録してもらいます。メーリングリストの作成は、将来のリマーケティングにとって非常に重要です。

Q リピーターの割合が非常に高いのはなぜか。

私たちの製品はある種、ライフスタイルの構築であり、一度人がプロダクトを使い始めると、生活に取り入れ、その利点に注目して継続して投資するようになります。
そして、人は12〜24か月ごとにスマートフォンの携帯電話をアップグレードするため、新しいiPhoneモデルがリリースされるたびに、Openaケースもバージョンアップし、既存顧客にリマーケティングします。

紹介プログラムを考えたきっかけは何ですか?

初期の頃は、顧客が友人を紹介するために効果的な方法を考えていました。彼らがプロダクトを紹介した際にキックバックを得るなどです。私たちが使うショップ構築ツールShopifyのプラグインとして、ReferralCandyというものがあります。これは、別のオンラインストアで使用されているのを見て、レビューは好意的だったので、試してみました。プラグインをShopifyに追加し、メールテンプレートを設定して、スタートボタンを押して以来ずっと起動し続けています。
そのプラグインはまだ2、3回しか内容に触れていませんが、魔法のように機能していると思います。これは、私たちが最小限の労力で行うことができ、かつお客様に提供できるインセンティブのひとつです。

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今回のポイント

1 深い専門知識を構築すること。 
解決すべき問題に取り組む場合、たくさんの専門知識が必要になります。

クリスの経歴は、メロウの創設者であるゼピントフェレイラを思い出させます。▼Mellowのストーリーの詳細について

2 すばらしいフィードバックが得られるまで繰り返す。
クリスは試作品をどこにでも持っていきます。

3 アーリーアダプターのコミュニティを構築する。
あなたのブランドは様々な人と一緒に考えることがポイントです。

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以上、クラウドファンディングで300万円を調達。スマートフォンケース一体型オープナーというユニークな「Openaケース」の成功事例でした。

みなさんのビジネスのヒントになれば幸いです。

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ご購読いただきありがとうございました。
それではまたお会いしましょう。

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Taeko Mitamura

EC歴18年。アパレルメディア、ショッピングサイトを経営しECプランナーとして活動中。東京でホテル暮らし中。

▼ポートフォリオ
https://note.com/taekomitamura/n/n94c619ba4c85

▼EC歴18年社長が教えるネットショップアカデミー
https://note.com/taekomitamura/store
https://bit.ly/3fR7vpw (ストアカ)

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