「秋の戦場ヶ原」
「秋の戦場ヶ原」
白い花(シラヤマギク)がひっそりと咲き
ススキの穂がまだ若いころ
戦場ヶ原にひっそりと秋が来る
男体山の肩から陽が昇るころ
うっすらと湿る木道をあなたと歩いた
秋の風もさわやかに
ふたりの心はトンボのようにあちこち止まり
湯滝から流れる水にサラサラと
あなたと歩いてきた道に
運命というものはあるかも知れないと思い
散りばめられた花の優しさと野辺の草の覚悟を
思い起こさせられた
年月を重ねてきた湿原の
野花の生い立ちをあなたと歩み
途中の藪漕ぎも懐かしみ
今となっては、空は雲もなく澄み
男体山の稜線は潔い
山々に抱かれて
静かに歳を重ねる戦場ヶ原は
清々しく
生きてきたあなたを思わせる
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