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自分のアタマで考え,自分で答えを出す (伊教育システム)

また,当たり前のことを言ってる~? と思われるかもしれませせんが,イタリアの小学校での実体験です。

公立小学校3年生での理科の授業

ミラノに隣接してるアッサーゴ市の公立小中学校

「水はドコにあるかな?」
日本で言う授業参観に参加した時の話。教室の後方や両サイドには両親が並ぶ。(日本と違い、父親も多かった)そして、黒板の前に立ってる先生は20名ほどの児童達に「水はドコにあるかな?」問いかけ、授業はスタート。すると,積極的な児童達は一斉に人差し指を立てて手をあげ、"SI,SI,io ! " 「ハイハイ、私!」と。その一人一人を順番に先生が名前を呼んで発言させた。
「知ってます,海にも川にもあります」 と, 最初の発言者が自慢げに答えた。"Si, Bene Brava Annalisa ! prossima"  ( ハイ, 正しい。 ブラーヴァ、アンナリーザ!次…)と 先生は 褒めながら次の人を指名した。「雨の中」「水蒸気」のフツーの答から 「普通の空気中,今ココにも」とか,そして 「人間の体は6割から7割は水です」や 「野菜は種類によって違いますが,8割から9割は水です」と,科学的な解答も含め次から次へと、今まで習ってきた「水分のありか」を自慢げに発表していた。
そう, 答えは一つのみでなく、それぞれが正しい。が,その答えを選ぶのは個人。 「ジャガイモの水分は何パーセントですか?」と記憶だけに頼る質問では無く,その答えを選ばせるという教育システムが,もっと重要! 

左の大屋根は子供を迎えに来る両親などが待機出来るスペース。右は彫刻。
ミラノ近郊の裕福な市町村には、コダワル色々な公共建築が多い。
(子供だけの登下校はありえない、大人同伴が義務)

口頭質問

この国のテストには,小学校から各教科口頭質問があるのが多い。 日本の教育システムの中には,ほとんど無いが、、、。 これも重要だ。 筆記試験には予想&準備がしやすいが,口頭試験は,その場で何を問われるか予想しづらいので, 知識全体を問うのに非常に有効。 生徒のみでなく教師にも力量が問われる。 一律的な教育で平均的な答えを優先する,日本の教育システムが 一番苦手なところだと思う。

ここの幼稚園の建築は、筆者の元ボス、Aマンジャロッティ設計の
コンクリート・モデュールシステムを使用していた。

教科書は 先生が選べる

同じ学校に通った兄弟でも, 先生が違うと使用する教科書が違うことが多々ある。 ナゼなら先生の判断で教科書を選べるから。 全国一律の中央集権的管理では無い。 かといって歴史的事実を変えたり, マチガッタ事を教えることはあり得ない。 要は基本的なところは キープするが ,その他の事は各教師を信頼して任せてる。 教師の自主裁量権が広い。 と,地方自治権が強い。 ナント言っても,わずか160年ほど前は都市国家だった歴史から。(* 都市国家の項目は別に述べるが、ミラノ公国、ヴェネチア共和国等) 

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学校の業務範囲

日本は学校の「業務範囲」がはっきりしてない。勉学の他に、道徳スポーツクラブ活動など、範囲がとても広い。なので管理する側には,どうでもいいような様々な要求に応えなければならず (モンスター ペアレントなど) 混乱気味。
一方、この国では学校は勉学を学ぶのみの場所。 道徳的な事は教会が担当。クラブ活動教会や町のスポーツ施設。業務活動は分担され、実にシンプルで分かりやすい。 なので、学校の先生は教育のみに専念できる。


ミラノ市と違い、無料給水所もモザイクタイルで上手に設計されてた。

こうやって書いていくと,テーマは日本の教育システム全般の問題にあたる…
決められた事を覚え、単純に記憶だけを問うテストでは無く、生徒に知識全体を問う教育への変化を期待したい。


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