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軍隊病院でのスムーズな接種

軍隊病院Ospedaliero Militare 初訪問

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 前の号で述べたように、ここイタリアはノロノロしてる日本と違い、思いの外、ワクチン接種予約が簡単で迅速だ。そのワクチン接種会場は自宅から一番近い場所を選んだら徒歩で10分もかからない、その名も「軍隊病院」だった。名前からしてイカツイ施設。時々、前を通過してたので存在は知っていたが、外部からは4m以上の高い塀で四方が囲まれその内部は全く見えなかった。通りに面して何百メートルも長く続く無機質で単調な塀には、時々大きな黄色の「ミリタリーゾーン」と書かれた看板のみが目立つ、未知の空間だった。

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 病院とはいえ軍事施設なので、興味とドキドキ感で出向いた。 長い塀沿いに「軍事施設」の外周を歩いていくと、その塀が途切れた唯一の空間が入り口の門だ。その周りには10名にも満たない人々がいた。もっと混んでいるかと思ったが意外と空いてた。接種に来た人と付き添いの人達だろう。その門の中央には仁王立ちで一人の軍隊の人が来場者全員をチェックしていた。

筆者は「予約してある接種に来た」と言ってORコードの入った用紙を見せると「ヴァ べーネVa bene(オッケー)とスムーズに第一関門通過。どこの建物の入り口にもいる門番だが、普通の建物の門番でも威張ってるこの国の、ましては軍の施設だ。余計にイカツク見える。

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  開かれた大きな鉄製の頑丈そうな門の内側には大きな表示看板が貼られてた。「接種センター」「ミリタリーホスピタル センターハブ」「対コロナ19キャンペーン」のコピーが続き、その下には主催者のロンバルディア州と「我々は常にあなた方といます」と伊軍隊のマークが並ぶ。まさにキャンペーンポスターだ。

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 その下には小さな張り紙で「アストラゼネカ 第一回目」「イタリアは花と共に生き返る」とワクチン接種キャンペーンの花のマークと共に表示してあった。

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 敷地内に入るとすぐ左側に、丸い円に囲まれた軍隊シールが張られたプレハブ簡易ボックスの受付がある。 中の受付の女性に出力した QRコードを見せるとパソコンに照らし合わせたながら、すぐにオッケー。表示に従って中庭を前に進んだ。

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 すると、手の消毒と同時に、問診票が渡された。聞き慣れない単語の続く文章を読んでマゴついているといると、これは「自分で書くのでなくて、接種する医者が質問して記入するからそのまま持って入って」と軍服の女性に説明された。ここでもちょっとドキドキ迷彩服の女性と話したことなど人生で一度もない。(笑)

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 撮影禁止(本当は、)で、映画やTVでしか見たことのない、一目で軍隊とわかる2つ続く迷彩色の野営テント。その真ん中のトンネルのような通路を通らなければならない! がらーんとした薄暗い結構広い中には誰もいない。混んでる時の人々の待機場所か? またもドキドキしながら通過していく。

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が、中庭の先の施設は全く普通のイタリアの病院だった。

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スーパーのガストロノミーや魚売り場と同じ順番待ちの整理券シールを取り、さっきの問診票と共に座って待つと、5分もしないうちに番号を呼ばれ中に通される。


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 左側が接種室。自分の番になると、先程の問診票を元に白衣を着た医師が質問してきて表を埋めていく。表に記入し終わると「おー、日本人か? 日本のどの町から来た?いつからいる? なにをしてる? 日本の方が進んでるだろう?、、、」と若い医師は、問診票とは関係の無い質問を次々としてくる。そんな世間話に答えてると、緊張感は無くなった。ワクチン接種会場なのに、何ともイタリア的にリラックスしてた。

多くの質問をされたので、こちらも質問を一つ。「お二人は常にここで働いてるのですか?」「いや~、私はここで働いてるが、彼は近くの病院からの手伝い派遣だよ」と教えてくれた。緊急時に多くの医師はどこから来てるのか知りたかった。

医師は二人一組。もう一人のブルーの服を着た医師が手慣れた手つきで、直ぐ、注射しようとしてきたので、「お願いがあるのですが、注射の様子を撮影してもらえますか?」と白衣の医師にきくと、「おっけ―、でも規則で医師の顔は写さないよ~」と快く引き受けてくれた


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こんな感じ。蚊に刺されるより、痛くなかった。白衣のカメラマンは「どう、上手撮れてるだろう!?」「上手いはずさ、僕は日本製のカメラを持ってるからな~」と自慢げにスマホを返してくれた。「ブラーボ! グラッエ ミッレBravo! Grazie Milleと言ってその部屋を去った。

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 接種後は隣の別室で20分自主待機して、先程入ってきた順路を逆戻りして、大きな入り口の門を出て、無事帰宅。

外部はどっしりとした軍隊施設だが、内部は普通の病院だった。当たり前のことだが、、、

帰る途中、これで世界中を震撼させた歴史に残る新型コロナ感染の恐怖から50%解放されたと思うと感激し、何人にもスマホ経由で伝えた。次の接種は二か月先。早く接種してグリーンパスが欲しい。


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