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【カンボジアの学校へ行こう!30】 #読書で伸びる先生たち#中学校図書館研修#熱血先生応援プロジェクト(空回りしない)

◆ ぜ〜んぶの中学校に図書館を設置

カンボジア南西部に位置するコッコン州は、全国のなかで最もアクセスの悪い地域のひとつ。中学校は全部で31校しかありません。その全部の中学校に図書館を設置すべく、今回は13校の教師を対象に図書館研修を行いました。

図書館事業を始めた背景には、コロナ期の経験が大きく影響しています。国内でコロナについての様々なウソ情報が飛び交い、人々は不安の渦に巻き込まれました。

事業を始めた理由の一つ目:
カンボジアの国語教科については読み書きの学習が中心で、「読解力」習得の弱さが指摘されています。コロナの休校中に十分に授業が出来ない分、読書習慣を身に付けることで、生徒たちの読解力を高めようと考えました。しかし、殆どの学校には図書館の機能がありません。生徒たちに読書をすすめるために、先ずは教師自身が本を読み始めることから始めました。

◆  いままで学校に定着しなかった図書館運営が動き出し

事業を始めた理由のもうひとつ:
読書による能力開発の開始時期は、低学年であるほど好ましいと言われていますが、国語の内容に読解力向上や作文のない国においては、年齢のいった大人であっても十分に効用があることが、コロナ期間に若手の校長先生たちとすすめていた読書会や、教員養成大学の学生さんたちを対象とした読解リテラシー強化の取り組みで確認済みでした。

校長先生たちの能力強化に取り組む中で、校長先生たちが各学校でリーダーシップを発揮するためには「読む、書く、話す」といった基本的能力(リテラシー)強化が先ずは必須であり、その為の取り組みとして「読書習慣」の獲得を目指したのが、そもそも図書館設置事業へのきっかけでした。

◆  図書館設置プロジェクトに政府も期待!

内戦復興からの教育支援のなかで、多くの支援団体が小学校への本の譲渡や図書館設置に取り組んでいますが、なかなか機能していないという現状があります。

理由としては、国内に専門のカンボジア人の図書館司書が殆どいないこと。カンボジア語で書かれた書籍の不足。なによりも子供達に読書を奨める大人たち(教師)に読書習慣がなく、教師になる段階において読書環境すら無いという状況でした。読書に興味のない大人たちが、子供たちに、たとえ読書を強要できたとしても、持続するはずがありません。

今となっては結果論ですが、教育の質を高める、すなわち「良い学校にするため」に教師たちと取り組んだ能力向上のための試行錯誤が、楽しみながら行える「読書法」読解リテラシー教科を生み出し、そして、先生たちが十分に読書による効能を理解した上で図書館研修を行ったところ、図書館運営のノウハウが、乾いたスポンジに吸収されるかのように、各学校で定着を始めまています。

たいたいの教育支援は、どうしても低学年の子供をフォーカスしやすいのですが、「卵が先か鶏が先か」の問いに対し、私たちは「現役教員たちへの教育ファースト!」で活動しています。


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