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【カンボジアの学校へ行こう!7】     読書のススメ#熱血先生応援プロジェクト

■ 教育の質を向上させるためのニーズ

私の所属しているNGO団体は、カンボジアの「教育の質の向上」を羅針盤に有益な活動は何かを常に、模索していて、地方の教壇に立つ教員たちへの生の声は、一番の手掛かりになります。「モノ」の支給を除外するという条件のもと、教育現場の質の向上への問いに、彼らの口から最も多く聞かれるのは「教員研修」である。自分たち教員への研修であって「子供たちへの。。。」というフレーズが聞こえてこないのは、教員たちの生活に余裕のない現れなのかもしれません。。。

■ 読書を勧めるに至った背景

内戦終結から30年、ようやく高等教育までのシステムが確立しつつあるカンボジアですが、教員養成所を卒業して教員になってからのスキルアップのための研修機会は未だ、政府の手に追えず、一部の教員を対象に海外からの支援で行われるているのが現状です。

我々が関わる2500名もいるプノンペン教員養成校アルムナイ教員に対し、限られた予算の中から、何かしらの企画を計画しても1〜2日の日程を立てるのが精一杯。刺激的な機会になるのはマチガイありませんが、とても「教育の質の向上」には至りません。

感の良い方であれば、もうそろそろお気づきでしょう。。。

■ →「研修受ける前に自分で本読めよ」

確かにカンボジアの言葉、クメール語で書かれた出版物が、つい最近まで本当に僅かしかありませんでした。文化が徹底的に排除されたクメールルージュの時期に、国内の全ての本という本が破棄され、本が残っていなかった。身近に本が無かった事も事実です。しかし発展途上国から脱し、中途国となり、モノが豊になってきた今、クメール語訳された海外の翻訳本や、綺麗な絵柄で印刷された本が店頭に並び、読書をする若者を目にする機会も増えました。現在の若手の先生たちが、身の回りに本の無かった最後の世代なのかもしれません。

■ 読解リテラシー能力を高める

日本では「国語力」の一部なのかもしれませんが、読解リテラシーとは、「自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、社会に参加するために、書かれたテキストを理解し、利用し、熟考し、これに取り組むこと」です。この能力の高さは、読書の量と相関関係があると言われています。つまり読書をススメていくことが、すなわち学力の質向上の基礎となるものだということなのです。

■ 楽しくなければ読書じゃない

そんな中、カンボジアやタイを中心に活動しているラーニングファシリテーターという仕事をされている中村健司さんとの出会いがあり、彼が大人向けに開催されている「アクティブ読書ワークショップ」の存在を知りました。

「読書クラブ」など、1人の読書以外の読み方は知られていますが、読書を通じて、学ぶ力もついて行く読書法。

中村さん曰く「読書からは知識を得るだけでなく、想像力、集中力、考える力といった、教育現場で必要とされる様々な能力を鍛えることができる。さらに、効果的な読書法が実践できれば、読書ほど費用対効果の高い学習方法はない」と言います。

読書を習慣とした教師が増えていけば、その時、彼らがカンボジアの教育の質を変革して行く希望になっていくことでしょう。

■ 中村健司氏による日本人向けオンライン読書会

事前に読んでこなくてもいい読書会です。もっと本が読みたくなる、視野が広く視座が高くなる、海外からの参加多数、オンラインで知り合ったのに参加者同士が仲良くなる、という感想をよくいただく読書会です。準備出来次第、noteとtwitterでも案内あり。

■ Phnom掲載記事(2019年10月号) 

学校へ行こう07読書のススメ

リンク:プノンペンで唯一の月刊誌「プノン」web版

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