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調教診断マガジン

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JRAレーシングビュアーの調教VTRを通じて得られた視覚的情報を言語化してお届け。時計はいいが動きは悪い→具体的にどういうアクションを指して悪いと判断したのかなど調教の見方や意図…
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2020年3月の記事一覧

高松宮記念最終追い切り診断

高松宮記念最終追い切り診断

3/29(日) 高松宮記念(GI) 中京 芝1200m

最終追い切り診断を終えて一言、やはりセイウンコウセイのデキの良さが際立つ。

良馬場での施行は厳しいと思える状況だけに、テンからポジションメイクできる脚質とコース適正、状態の良さを踏まえれば、同型のモズスーパーフレアを適当にあしらえさえすれば、馬券圏内は十二分にある。

人気の藤沢勢二頭も順調そのもので、特にグランアレグリアについては素晴ら

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日経賞最終追い切り診断

日経賞最終追い切り診断

3/28(土) 日経賞(GII) 中山 芝2500m

昨年の覇者メイショウテッコンはといえば、当週の最終追い切りを栗東坂路で行い51.2→37.2→24.1→11.8の猛時計を馬なりやや強めといった匙加減でマーク。

見るからに素軽い脚捌きで、それでいて一直線に登板してくるブレのないフォーム。

今年の出走メンバーでこれだけの動きを披露した馬はいなかったのだけれども、それはそれで混戦色が増して予

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毎日杯最終追い切り診断

毎日杯最終追い切り診断

新種牡馬キズナ産駒の勢いが止まらない。

チューリップ賞優勝馬マルタ―ズディオサを筆頭に、先週のフラワーCを制したアブレイズ、若葉S2着馬キメラヴェリエなど、牡馬・牝馬とそれぞれの路線で存在感を示していることが凄い。

エピファネイア産駒もそれなりに結果を残しているが、とはいえキズナ産駒のそれと比べたらお話にならないレベルで、父の産駒同様、温かくなってきたこの時期にグングン力をつけるのかもしれない

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マーチS最終追い切り診断

マーチS最終追い切り診断

3/29(日) マーチS(GIII) 中山 ダ1800m

皆さん、ごきげんよう。

今週は、いや今週も、朝から晩までコロナ報道一色。

高松宮記念の一週前追い切りに続き、つい先ほどマーチS(中山ダ1800m)の最終追い切り診断の原稿を書き終えてふと思う、馬を観ているだけで本当に気持ちが軽くなる。

この後、毎日杯、日経賞、そして高松宮記念の最終追い切り診断も随時更新していくのでお楽しみに。

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高松宮記念1週前追い切り診断

高松宮記念1週前追い切り診断

3/29(日) 高松宮記念(GI) 中京 芝1200m

皆さんもご存知の通り、今年のドバイ国際競走は主催者サイドの意向を受け開催中止。

非常に残念なことですが、コロナウイルスの影響が日増しに、それも広範囲に渡っていることを踏まえれば妥当な判断だったように思う。

一方、国内の状況はといえば、無観客競馬のまま春のGI戦線に突入することが濃厚。

中山コースの3角から4角付近に並ぶ桜並木なんかを、

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フラワーC最終追い切り診断

フラワーC最終追い切り診断

3/20(祝・金) フラワーC(GIII) 中山 芝1800m

先週の中山牝馬Sの予想記事で鬼女と表したコントラチェックが、やはり得意の中山コースで鬼女ぶりを発揮してみせた昨年のフラワーC。

管理する藤沢厩舎にとっては、過去10年のうち、14年のバウンスシャッセ、19年のコントラチェックで計2勝をあげているように、このフラワーCを勝つ為のノウハウを知り尽くしているように思う。

その藤沢厩舎の

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阪神大賞典最終追い切り診断

阪神大賞典最終追い切り診断

3/22(日) 阪神大賞典(GII) 阪神 芝3000m

今は亡きシャケトラが昨年圧勝した阪神大賞典。

特別思い入れが強いわけではなかったものの、昨年の最終追い切りVTRを通じて、3頭併せの最内から手応え十分の走りでいかにも生真面目そうなタイプに映るシャケトラの姿をみて切ない気持ちになった。

前走でフィエールマンを下し、阪神大賞典は後続に0.8秒差の完封劇。

順調なら、天皇賞春でも十二分に

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スプリングS最終追い切り診断

スプリングS最終追い切り診断

3/22(日) スプリングS(GII) 中山 芝1800m

昨年のエメラルファイトは美浦南W4F51.3を併せ馬でマーク。

クロフネ産駒らしい、胴長で伸びやかなフォームが印象に残るストライドで、馬なりというより、馬の気に任せたようなイケイケの最終追い切りを経て見事スプリングSの覇者に。

二着のファンタジストにしても栗東坂路50.1の時計が物語る通り、この先を本当に見据えているのかと疑いの目を

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フィリーズレビュー最終追い切り診断

フィリーズレビュー最終追い切り診断

3/15(日) フィリーズレビュー(GII) 阪神 芝1400m

ツイッターのアンケ―ケートで今週の4重賞のうち、最も単勝オッズが跳ねるのはどのレースといった質問を投げかけたところ、フィリーズレビューが最も多くの票を集めた。

金鯱賞はサートゥルナーリアがいる手前、気持ちは分からなくもないが、中山牝馬SにしてもファルコンSにしてもさして変わらない印象を持っていただけに、投票者の皆さんがどの馬を中

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中山牝馬S最終追い切り診断

中山牝馬S最終追い切り診断

3/14(土) 中山牝馬S(GIII) 中山 芝1800m

昨年は後にヴィクトリアマイルを制したノームコアが1人気で登場し結果7着。

逃げ・先行馬にとっては願ってもない1枠2番の枠順も、当時のノームコアのように脚を図る競馬に徹してしまうと、中山の場合は直線ドン詰まるというお決まりのオチと出くわす公算が高くなる。

そんな競馬するなら、馬券は買わないよ!

戦術が決まっていたのなら先に言えという

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ファルコンS最終追い切り診断

ファルコンS最終追い切り診断

3/14(土) ファルコンS(GIII) 中京 芝1400m

今週の栗東はCWにせよ、坂路にせよ重、不良といった文字が並んだように、馬場が重く、脚を取られている馬が多数散見された。

その分、普段以上に馬の動きそのものにフォーカスし、ややシビアにジャッジさせてもらいました。

楽しみ、デキ良し、厳しい、成長待ち、といった評価コメントをはじめ、是非、そのジャッジに至るまでの内容に目を向けていただき

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弥生賞最終追い切り診断

弥生賞最終追い切り診断

3/9(日) 弥生賞(GII) 中山 芝2000m

ここ数年は、日本ダービーの最有力馬が軒並み「皐月賞」→「日本ダービー」の直行ローテを選択するため、ディープインパクトやダノンプレミアムが勝った年などと比べると、メンバーレベルの低下傾向は否めない。

そんな中、今年はサトノフラッグ、ワーケアという、これはこれで日本ダービーでも楽しめる素質馬が駒を進めてくれたわけで、一競馬ファンとして両陣営の決断

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チューリップ賞最終追い切り診断

チューリップ賞最終追い切り診断

3/8(土) チューリップ賞(GIII) 阪神 芝1600m

1週前追い切りの動きをみて、ベタ褒めしていたマルターズディオサがやはりいい。

時計だけでいえば、栗東坂路を52.0でまとめ上げたレシステンシアに目がいくのは当然だが、この先に桜花賞を見据える中、陣営サイドはまたしても逃げの競馬をうってくるのだろうか。

阪神JFの勝ち方からしても、同じダイワメジャー産駒のメジャーエンブレムとキャラ

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チューリップ賞1週前追い切り診断

チューリップ賞1週前追い切り診断

3/8日(土) チューリップ賞(GIII) 阪神 芝1600m

本日公開した弥生賞1週前追い切り診断に続き、こちらは2歳女王レシステンシアが出走するチューリップ賞出走メンバーを題材に、気になる状態面についてジャッジしていきたい。

既に各馬の調教診断を終えた段階ではあるが、阪神JFでレシステンシアが後続につけた5馬身という着差は、今回相当詰まると見ている。

その根拠は、阪神JF2着馬マルター

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