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阪神大賞典最終追い切り診断

3/22(日) 阪神大賞典(GII) 阪神 芝3000m

今は亡きシャケトラが昨年圧勝した阪神大賞典。

特別思い入れが強いわけではなかったものの、昨年の最終追い切りVTRを通じて、3頭併せの最内から手応え十分の走りでいかにも生真面目そうなタイプに映るシャケトラの姿をみて切ない気持ちになった。

前走でフィエールマンを下し、阪神大賞典は後続に0.8秒差の完封劇。

順調なら、天皇賞春でも十二分に勝ち負けの競馬ができたと思うが、まさかこの阪神大賞典が彼にとって最後のレースになろうとは予想だにしていなかった。

記憶が正しければ、天皇賞春に向けた追い切り中に負傷し、そのまま安楽死の措置がとられたと聞いた。

当時シャケトラを手掛けていた角居厩舎の担当者の言葉を、何かしらのWEB媒体を通じて目にしたが、本当に愛に溢れる文章で、シャケトラは幸せ者だったんだなという気持ちで胸がいっぱいになった。

シャケトラが残してくれたもの、それはきっと彼らが受け継いでいってくれるはずだし、一競馬ファンに過ぎない私とて、彼がひたむきに走るその姿を自身の目に焼き付け、今年の阪神大賞典で彼の姿を重ねつつ観戦したいと思う。

その角居厩舎が今年の阪神大賞典に送り込むのはキセキ。

当然、シャケトラのことは頭にあるだろうし、目標は天皇賞春とはいえここで恥ずかしい競馬はできない。

が、しかし、舞台は阪神芝3000mの長距離戦。

コンディションの良さは当然のことだから、距離適正が問われる舞台であることはお忘れなく。

どんな馬にも少なからず弱点はある。

キセキに関していえば、折り合い面。

そういった些細な情報も含めて、今回の追い切り診断はボリューム感のある内容でお届けでいると思う。

阪神大賞典を迎える上で、微力ながら参考にしてもらいたい。

キセキ(牡6)
3/18(水) 栗東 CW 良
67.5→52.0→38.4→11.8
・キセキの定番メニュー、馬場の外ラチいっぱい単走での追い切り。
・コーナーワークでは騎乗者がやや手綱を持っていかれそうになるほど前進気勢に富んだパワフルな走り。
・手前替えはまったく問題なし。
・直線に向いてからはハミが抜けたためか、長手綱でむしろ騎乗者がやや促すような素振りを見せていた。
・思うに、キセキ自身4角地点で自発的にエンジンを吹かすタイプで最初のコーナーできっちり折り合いに専念することが肝要と思われる。
・目標はあくまで天皇賞春といった仕上げで、当たり前だがメイチには仕上げていない分、コンディション的に隙がないわけではない。
・馬体からは決して太目残りの印象は受けず、もちろん善戦可能なデキにはあると思う。

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