心理学の知見:ロボットがもたらす職場の不安と対処法
最近話題の生成AIやロボットが働く人々のウェルビーイングにどう影響するか?
大事な質問ですよね。
たとえば、ロボットの台頭を目の当たりにすると、ほとんどの人は自分の仕事は大丈夫なのかと不安になります。
その結果、燃え尽きやすくなったり、同僚に冷たくあしらったりと、悪い影響が出ることが分かってきました。
どうしたらよいか。この不安は、過剰に反応している場合が多いようです。
自分が大事にしている価値観を思い出し、自分を取り戻すことで、適切な対応がとれるようになってきます。
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国立シンガポール大学のヤムらの研究グループは、ロボットの台頭が働く人々へどのような影響があるかを調べた。
調査1
アメリカの185都市を調べてみると、1,000人あたりのロボット稼働数が多い都市ほど、人びとはグーグルで転職サイトをより検索をしていた。
また、1,000人あたりのロボット稼働数の伸びが高い都市ほど、転職サイトの検索も伸びていた。#ロボットが身近にあると職への不安が刺激されるようです
調査2
シンガポールの社会人380人を調べた。
ビジネスにおけるロボットの役割について書かれた記事を読むと、自分の職は大丈夫かと不安になり、オンラインのキャリア相談に申し込む人が多かった。#情報にふれるだけでも不安が芽生えるわけですね
調査3
インドの自動車メーカー大手のエンジニア118人を10日間にわたって毎日3回アンケートに答えてもらった。彼らは日ごろからロボットを目の当たりにしている。
多くの意思決定がロボットで自動化されたり支援されたりすると感じる日は、より燃え尽きるように感じていた。さらにそのような日は、同僚に冷たく当たっていた。#自分も疲弊し周りにもあたってしまうとは
調査4
社会人400人を調べた。
ビジネスにおけるロボットの役割について書かれた記事を読んでもらったのち、あるグループは自分の大切な価値観について振り返ってもらい、あるグループは何もしなかった。
価値観を振返らなかったグループの不安は増していたが、価値観を振返ったグループの不安は変化しなかった。
自分の価値観を振り返ることで、ロボットの台頭が作り出す不安を和らげることができた。
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この研究グループは、ロボットなどのテクノロジーは生産性をあげるために導入するものの、ウェルビーイングが下がることで生産性が落ちることを指摘しています。
このことを踏まえると、テクノロジーが働く人のウェルビーイングにどう影響するかを考えることも大切です。
そもそも、世の中をよくするはずのテクノロジーが、人びとを不幸にしているとしたら本末転倒ですね。
Yam, K. C., Tang, P. M., Jackson, J. C., Su, R., & Gray, K. (2022). The rise of robots increases job insecurity and maladaptive workplace behaviors: Multimethod evidence. Journal of Applied Psychology.
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