見出し画像

シルクロード day5 アラルの海

タシケント空港に20時到着。
そのまま荷物受け取りレーン横にあったカウンターでウズベキスタン用のSIMカードを購入。20GBで17ドル、安いなぁ!

明日も朝一で空路なのでついでに空港から最寄りのホステルを教えてもらう。タクる?と聞かれたので肯定すると、カウンターの兄ちゃんが付いて来い、とそのまま空港の外へ。なんとタクシードライバーに変貌する。多彩な才能をお持ちなんやね。
肝心の宿はドミトリーで15ドルなの少し高めだが仕方ない。

晩飯は宿近くのレストランにて伝統料理を食べ…ようと思ったがまさかのジョージア料理店だった。ウズベキスタンで初めて食べた御飯がジョージア料理になるとは。

5時半に起床し、タクシーを駆って昨夜ぶりのタシケント空港へ。とはいえ向かうのは昨日使ったターミナルではなく、国内線専用のターミナル3。かなり小さめでビシュケクのマナス国際空港をバカにできない。

↑タシケント空港(国内線用ターミナル)

チェックイン手続きをしていると驚きのお知らせ。
**君、ビジネスクラスやで? **

マジで?

Business Class yeah!!!

まさかのブルジョワシート。追加請求もないし、どのタイミングで切り替わった?
ウッキウキのビジネスクラスだがそこはウズベキスタン航空、座席幅が広いのとパンくれる以外は何もない。俺の期待を返せ。

↑ビジネスクラスとは?

↑一面の砂漠が広がるウズベクの大地

眼下に砂漠を眺めつつ、9時にヌクスなる街に到着。
ここヌクスはウズベキスタン内の未承認国家、カラカルパクスタン共和国の首都でもある。
とはいえナゴルノ=カラバフやコソボみたいに実質的に独立してるわけでも、ボスニアのスプルスカ共和国のようにドンパチして認めさせたわけでもない。ロシア内の自治共和国が一番近いか。とはいえたぶんそれらの国の首都よりは発展してる気がする。

一応国際空港だが、荷物受け取りレーンは1つ、セキュリティガバガバのなんちゃってエアポートから出た瞬間に選択を迫られる。
この後なんとか200キロ北西の街モイナクまで行かなければならないが、交通手段として乗合バスかタクシーどちらを取るか。

調べると乗合は9時で出発、いくらターミナルまで近いとはいえ、ちと怖い。
なんなら混み混みで3時間炎天下立ちっぱなしもあるらしい。今日の終着点をどこにするのか未定な以上、荷物は全て持っていく必要があるのでそれは嫌。

つまり…課金です。

群がるドライバーと交渉(もっとも僕はひたすらダウンダウン言うだけ)してモイナク往復50ドルで手を打つ。

ふと湧いた鴨にやる気をだすタクシードライバー。テンション高いのは良いのだが、日本語がほんの少し話せるのに英語が全くダメ。

来年日本で働くとか言うからどこ?と聞くとぺぺらしい。ぺぺってなに?

ヌクス出発後すぐにアムダリヤ川を渡河。中央アジアの文明圏を2つに区切ったこの大河川は今ではかなり干上がりがちで、なんなら河口部ではほぼ消滅しかけているらしい。
その後1時間ほどしてドライバーがオススメのスポットあるぜ!とゴリ押ししてくるので、寄り道をして死者の都と呼ばれる墳墓群を見学。なんか大統領がどうの言うてた気がするが、ぶっちゃけ運ちゃんの説明はさっぱりだ。正式名称も秒で頭から抜け落ちる始末だが見応えは結構あった。

↑文明の境界線、アムダリヤ川を渡る

↑カラカルパクスタンの死者の都

13時にようやくモイナク到着。超寂れているかと思いきや若者が多い街で想像以上には賑わっている。もっとも住みたいかと言われたら…。これでもカラカルパクスタンでは主要都市の1つ…いや、だった?
街の食堂で「日本人」というメニューを食すがどうみてもパンだった。自分でトッピングする感じの。

昼食後は街を北側に抜けると三角錐のモニュメントが鎮座する高台に到着。眼前には巨大な砂漠が広がっている。
ここはかつて世界4位の広さを誇ったアラル海、その跡地だ。
今では見る影もなくただの砂漠と化しており、この高台はかつての漁港の跡。下を見ると海岸線の後退から逃げ切れなかった船の残骸が転がっている。
かつてここまで伸びていた海岸線は現在は80キロ彼方にあるとのこと。
一時期は1日に十数メートルとかいうとんでもないスピードで縮小した海岸線、今は収まった…かと思いきや、今でも1ヶ月で20メートルほど縮んでるらしい。やばい。

↑消滅モニュメントと砂漠と化したアラル海

高台から階段を伝って10隻ほどの船が転がっている通称「船の墓場」と呼ばれる場所に降りる。茶色く錆びついた船の残骸が砂漠の中に虚しく佇んでいる。
この一面の不毛な大地がかつて豊漁で名を馳せた湖だったことを思い起こさせるものはこのボロボロな鉄屑、そして未だに砂の中に散らばっている貝殻だけだ。

高台に戻り、アラル海消滅モニュメントを一周した後に併設されてある展示館に。ショボいし金めっちゃとるしなんなら撮影は別途課金式だが、館内で観れるアラル海のドキュメンタリーは必見。
この展示館とモイナクの博物館ではかつてのアラル海の隆盛と現状がよく分かり、なんだがとても悲しくなってくる。 この海が甦ることはもうないだろう。

↑船の墓場

↑船の墓場

↑かつての湖底に散らばる貝殻

ドライバーが他の場所だとオウムのようひたすらGOOD!と言うのにここだけNO GOOD!だったのは印象的だった。

15時半にモイナクを出て3時間かけてヌクスの街に到着。問題はこのままヌクスに泊まるか、なんとかウルゲンチ方面まで抜けるかである。
ドライバーに聞くとウルゲンチ方面行きのバスは終了、俺のタクシーだと30ドルらしい。んんんお断りだぁ。

↑意外と近代的なヌクスの街並み

#一人旅 #海外旅行 #バックパッカー #日記 #エッセイ #アラル海 #ウズベキスタン #カラカルパクスタン

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?