発刊順:98(2014年) ポアロとグリーンショアの阿房宮/羽田詩津子訳
本作は1954年に、クリスティーの地元の教会のチャリティーのために執筆されたが、未発表となっていた作品。
後に長編『死者のあやまち』へと書き変えられて、1956年に発刊されたものと内容はほぼ一緒で、何人か名前の変更や追加の登場人物などが見られる。
グリーンショアは、クリスティーが1938年に買ってから1976年に亡くなるまで、家族と一緒に夏の休暇を過ごした実在する場所「グリーンウェイ」のことを書いており、そのことは、クリスティーの孫のマシュー・プリチャードがまえがきに詳しく書いている。「阿房宮」は実際にはないそうです。
本書の内容については、『死者のあやまち』で書いているので、省略しますが、クリスティー自身の投影と言われている探偵作家のオリヴァ夫人のセリフをご紹介。
ポアロが、
「あなたの発明の才には感心しきりですよ。まったくすごいことを考えつくものです」と言うと、
これって、クリスティー自身の「心の声」ですよね~^^