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映画『THE FIRST SLAM DUNK』の復活上映。視点が変われば物語も変わる。

映画『THE FIRST SLAM DUNK』公開した2022年の年末。行くか悩んだ末に年を跨ぎ、2023年にスラムダンクの映画を観に行った。その時の葛藤はこちら。

悩んだ末に観に行き、結果、「大」がいくつ付いても足りない程の満足を得たのだが、その後にまた葛藤が繰り返された。

それは「もう一度観に行くか」ということ。

あの感動をもう一度味わいたい。
でも別の映画も見たい。
あの感動を。
別の映画も。

と、禅問答を繰り返し、気が付けば上映が終わってしまっていた。

まさかの復活上映

それから何ヶ月かしてからだと思うが、嬉しいニュースが飛び込んできた。

なんと1日限定で「復活上映」があるというのだ。しかも全国で。

これは観に行かなきゃ!と予約しようとすると、福岡市の映画館は既に満席。

満席。

映画館って満席になることあるのか。。。

と、落ち込んでいたら閃いた「久留米まで行けばいいんじゃない?」と。

そこで急いで久留米の映画館の空席を確認すると「空きあり」!

やった。即予約。

当日、大寒波襲来で雪の舞う久留米の街を歩き映画館に向かった。


※ここからの内容はネタバレを含む箇所があるので、まだ観ていない方はご注意ください。


あのオープニングは伝説

映画が始まった。
オープニングからまた心を掴まれた。

前回観た時は、このオープニングの湘北メンバー5人が描かれながら歩いてくる様子が衝撃的で、なんだこの高揚感は!と感動した。時間も長く感じられたのだが、2回目は「あれ?こんなに短かったんだ」と驚いた。

高揚感は同じようにあるが、意外にも冷静に観ているのかも?と思いながらも笑みがこぼれる。笑っちゃうくらいに高揚している。

「視点」が変われば「物語」も変わる

まず「宮城リョータ」を主人公にしようと誰が思いつくのか。原作には無い過去のエピソードで人物を深堀している。家族の話、「三井寿」との出会い、山王に対する想い。

「宮城リョータ」を知っていたつもりで、全く知らなかったことに驚き、原作で知っている話のはずなのに別の物語に見えてくる。

試合と並行し過去のエピソードが語られる演出がさらに高揚感を高めてくる。原作ではほとんど描かれなかった「三井寿」とのエピソード。

過去の話から現在の試合へと切り替わり「三井寿」が画面に映った時は、もう声を出して笑いたいくらいだった。

どうしたらこんなにも魅力的なキャラクターを生み出すことができるのだろう。もう説明も何もいらない。ただ画面に映るだけ。だってもうあのシーンが頭に流れてくる。体育館で泣き崩れる姿が。

宮城リョータの視点で物語が進むと、それぞれのキャラクターに歴史があり、それぞれの思いがあるということを思い知らされた。よく考えたら「桜木花道」も「流川楓」もほぼ過去エピソードは無い。

この映画を観ると、その過去を想像せざるを得ない。物語が一気に広がった気分だ。どうしてこんな話が創れるのだろうか。恐ろしい。

観ている間、高揚感がずっと続いていた。こうも高揚感が続くのは音楽の影響も大きいのだと思う。

10-FEETの「第ゼロ感」

前回観た時にもエンディングで流れてはいたが、その時はまだちゃんと認識できていなかった。衝撃が大きすぎて音楽まで気にする余裕が無かったからだと思う。それから時折聞いていたりもしていたが、一気に体に入ってきたのはバスケの「ワールドカップ」で使われたからだと思う。

テレビに噛り付いてバスケの試合を観た高揚感。これが蘇ってくる。

劇中でもその曲が使われていて流れる度にどんどん気持ちが高ぶってくる。ただ使われているのは曲のみで歌は入っていない。

そして終盤。

宮城リョータが山王ディフェンスを突破する場面。ここで初めて歌入りの「第ゼロ感」が流れる。

もう心の中では「やめてくれ~」と叫んでいた。こんなの感動しないはずがない。卑怯だ。

迷っていた自分を殴りたい

オープニングから続く高揚感はエンディングまで収まることは無かった。映画を観終わった後の幸福感は前回の比ではない。

久留米まで観に行って本当に良かった。

電車で1時間かかったけど。
吹雪の中を歩いて行ったけど。
電車が止まらないか心配したけど。

観に行って本当に良かった。

前回も書いたが、散々観に行くかを迷っていた自分を殴ってやりたい。

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