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「外国でのるバイクってなんでこんなに気持ちがいいんだろう?」

世界一周114日目(10/19)

昨日、Central Backpackersよりも安い宿を見つけたので移る事にした。

単に安いからというかここのドミトリーに泊まってる欧米人たちは夜遊び組なので24時前でもうるさいし、なかなか部屋の電気が消えない。宿のサウンドも重低音でドコスカしている。宿のスタッフにいたっては親しげな笑顔で「ハッパ?」って訊いてくる。そういうヒッピーテイストな宿なんですね。

えっ?僕がハッパ?そんなことやるわけないじゃないですか!自転車泥棒初犯でしょっぴかれるような男ですよぼかぁ!


電気の灯らない薄暗いドミトリーで荷物をパッキングし、次の宿に移る事にした。

ドミトリーの空きがあるとのことだったが、12時にならないとベッドが用意できないらしく、荷物だけ預かってもらう事にした。こういう時にパックセーフがあると便利だ。パックセーフにくるんだバックパックをレセプション前の重たい椅子にダイヤルロックで括り付ける。
ちなみに「パックセーフ」ってのはスリ防止とかのためのバックパックを包む金網のことだ。Amazonで8,000円くらいで買った。つけるのも手間だし、重いし、時間さえあれば荷物は盗めてしまうのだが、気持ち的に安心するのだ。まさか利用者の大半が日本人だということは正直、旅に出るまで気づかなかったな笑。乗り合いバスで一緒になったマレーシア人の女のコに「それしてるの大体日本人よね」「そうそう!」(あいの手を打つシンガポール人男子)って言われたよ。だってパックセーフしてる他の国の旅人みたことねーもん笑。


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荷物を預けて僕が向かったのは宿の目の前にあるレンタルバイク屋だ。一日からのレンタルでオートマ80,000KIP(993yen)マニュアル30,000KIP(372yen)。僕がマニュアルを借りたのは言うまでもない。

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バイクの運転なんていつぶりだろう?
僕の乗ったバイクはぎこちなく走り出した。

最初の目的地はガソリンスタンドだ。借りた時点では1リットルしか入っていないのでガソリンを補給しなきゃいけないのだ。

日本のマニュアルのバイクと違い、ここで借りるマニュアルのバイクはかなりシンプルな作りをしていた。日本のバイク講習で乗り越えねばならないクラッチはついていない。あるのは左足にあるフットギアだけ。ギア自体もファーストから「4」まで。それをエンジンの調子を見ながら徐々に上げていくのだ。

ガソリンスタンドで2リットル(20,000KIP/248yen)で補給してもらった後、僕はバイク屋のおっちゃんからもらった地図を再度確認し、バイクのアクセルを握った。

地図によると滝を見ることができるそうだ。それに狩猟民族にも会いに行こう。昨日お会いしたラオス在住の日本人の方に「ちょっと山奥まで行けば狩猟民族に会えるよ〜」と教えていただいたのだ。これは行くっきゃない!

『えっと...、このまままっすぐ行ってちょっといったら右に曲がればいいのね簡単♪簡単♪』
僕は地図を頭に入れてバンビエンの道を進んで行った。だが右に曲がる道はいつまでたっても見えてこなかった。『おっちゃん「7km」って言ってたと思ったんだけどなぁ...』


バンビエンの中心地から少し離れると、辺りの景色はぐっと田舎チックになった。

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放し飼いにされた牛たちが道路沿いをのんびり歩いていたり、おなじみの巻きスカートをはいた女性がトボトボ歩いているかと思ったら集落のようなところで子供たちがボールを蹴って遊んでいる。今日はラオスのお祭りなんだったけ。学校もお休みだね。後ろから僕のことを抜かすバイクもめっきり少なくなった。

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ラオスの道はどこまでも続く。

横手に見える岩肌をむき出した山がぐんぐん近づいてくる。時速40キロで走るバイク。風が気持ちいい。

「ちょっと中心地から離れるとさ、送電線は走っていても家まで電線が通ってないんだよ。電気を買えないからね。」昨日お会いした方はそう言っていた。やっぱり、観光地のにぎやかさはラオスを表しているわけじゃないんだな。ここに住む人たちはなんて質素に暮らしているんだろう。


ラオスの自然に囲まれながら周りにあるものだけでシンプルに行きていく。ここで人生を過ごすというのは一体どんなことなんだろう?彼らの暮らしぶりを横目に日本で生きるという事を改めて考えた。

ここで暮らす人たちと比べ日本の生活は物質的にかなり豊かだ。人生の選択肢も多くて。チャンスもある。そう。チャンスもー...

日本の束縛的な社会に疑問を持っていた。一度社会にコミットしたらそこから出られないんじゃないかとも思った。日本の社会に生きるということは居場所を定め、その一員として働くことなんだと。

もちろんそんなことはなくて自分のライフスタイルを自分で創って行く人はいる。でもそれは選ばれたほんの一握りの人で自分は彼らのようにはなれないんじゃないか?おれが追いかけているのは単なる夢でしかないのか...?

ラオスの人たちの質素な暮らしと自分の人生の複雑さ、(贅沢な悩みだなぁオイ...じゃあラオスに住むかい?いや、おれは旅がしたい!世界が見たい!)

バイクを走らせている間、僕はそんなことを考えていた。

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それでもバイク1時間も走らせると、そんな悩みも気づいたら何処かへ行ってしまっていた。

あれ?僕は何しにここへ来たんだっけ?
あっ!そうそう滝と狩猟民族。
でもー...いっか♪

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適当なところでUターンして、僕はバンビエンの中心地に戻った。

途中に寄ったレストランの麺がけっこう辛かった。

僕の今の旅なんてそんなもんさ。
考えてる事はめんどくさくても旅はシンプル♪

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現在、自作キャンピングカー「モバイルハウス」で日本を旅しながら漫画製作を続けております。 サポートしていただけると僕とマトリョーシカさん(彼女)の食事がちょっとだけ豊かになります。 Kindleでも漫画を販売しておりますのでどうぞそちらもよろしくお願いします。