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「要塞の上から青の街を見下ろすと」

世界一周214日目(1/28)

外に出てみると幻想的な光景ががそこにはあった。

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ここに来てから夕日も朝日も見ていなかった僕はその光景に驚いた。すぐにカメラを取って屋上へ行き美しい朝日を写真に収めた。隣りのレストランには僕と同じ様に朝日を眺めているツーリストの姿があった。みんなもここからの朝日に心を動かされているようだった。

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ジョードプル7日目。ここに滞在する最後の日。

『もう一度、青の街に行ってみよう』
ふとそう思った僕は洗濯を済ませると前回とは別の方向から青の街へと入っていった。

城壁に沿っていけばきっとブルー・シティーを見下ろせる場所があるはずだ。

やっぱり一番長めがいいフォートの入場料400ルピー(659yen)は、今の僕には払う気になれない。宿のママも言っていたし、きっと他にも良いポジションがあるはずなんだ。

城壁を横目に見ながらブルー・シティーへと入っていく。

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恥ずかしい話、ブルー・シティーは今まで僕がHill View guest houseのレストランから眺めていた街だと思っていた。昨日たまたま、宿のママがツーリストと話している場に居合わせて、「ブルーシティーはフォートの向こう側だよ」と言っていたのを耳にしたのだ。危なかった…。

「ブルー・シティーってそんな青くないんだぜ!」
とか知ったかぶりをするところだった。

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ブルー・シティーの中、狭い路地がずっと続いている。

僕は少しでも高い場所に登れそうな路地に入っていっては何度も行き止まりにぶちあたった。城壁へと続く道か!と思って入っていったら、ふつうに誰かが住んでいる家だったりなんてことはしばしば。

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そして、野良犬とバトる率がハンパない!!!
ちょっ、ブルー・シティーマジ危険!!!

犬と目が合う僕。

「と、通ってもいいっすかね…?」
「ウォン!ウォン!」
「だぁ~~~!!!
…やンのかァ!!コラァアアアアア!!!!!」

サブバッグのペットボトルホルダーに入れた護身用の石を振りかざす。投げるそぶりでひるむ犬もいれば、道を譲らない犬もいる。時には遠回りし、時には近隣のみなさんの助けを借りて進んで行った。

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辿り着いたのはフォートの別の入り口。

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これってお金払うのかなぁ?

後ろからやって来たおにいさんがスタスタと入っていくのを見て、僕もそれに習う。

門番のおっちゃんは「ちょっ!」と僕を止めに入ったが、時計を見るとなぜか通してくれた。

城壁に登ってみたが、まだここからじゃ青の街を見下ろせない。

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チケット提示を要求されるのかとビクビクしながらフォート内部を進んでいった。

それにしても、すごいところに要塞が建っているんだな。要塞は見応えのある岩肌と一体化するようにして建てられている。あそこへ行けばいい眺めかもしれない!

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落ちたら複雑骨折じゃ済まないような場所を歩き、一番いい眺めの見える場所へ。

近くにワイヤーアトラクションの台があった。ここは立ち入り禁止じゃないな。

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なんとか街を見下ろせる場所に辿り着くとその場に僕は腰を下ろした。そろそろと逃げ腰で下の街見下ろす。僕は息を呑んだ。


「これがー…
青の街かぁあああ!!!」

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僕のカメラの腕じゃ伝わらないし、それでいいと思う。

自分の目で見ないと分からないよ。とにかくすげえんだ。

太陽はフォートの影を街に投げかけている。それだけフォートは大きく、この街の一番高い所に建っている。

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でも、今の僕にはここから見える風景で十分だと思った。

いつかまた、この街に戻って来よう。フォートからこの街を臨むのはその時でいい。

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ワイヤーアトラクションのスタッフが僕に「Good View?」と言ってきた。

もちろん!

ジョードプル最後に日にこの景色を見れてよかった。

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昼寝した後、日記を書きネパール以降の航空券をチェックしたりした。

デリー発、ドバイ経由でイランかなぁ~?そのあとどうしよっか?陸路でアフリカまで行けないかなぁ?船でもいいけど。でも、安いほうがいいしなぁ?シェンゲン協定もやっかいだなぁ…。どうしてもスウェーデンに行きたし、チェコの雑貨も興味がある。てか3ヶ月じゃ足りなくないか?

でもお金が持つかどうか…。てか僕こんなにゆっくり旅してていいのかなぁ?


うん。そうだ。そろそろバスキングに出かけるとしよう。

ジョードプルでバスキング7日目。なんだかんだ一日1時間半~2時間くらいで、毎日やってたな。唄わせてくれる場所もできたし、何人かの顔見知りもできた。むちゃぶりから2曲くらい作った(笑)

7日間の中で一番声の調子がいい。筋トレと同じだ。いつも唄ってないと声にハリが出ない。時々チャイをごちそうしてくれるカフェはお客さんで混んでいたため、やらなかった。オーナーの姿は見えなかったし、スタッフはオーダーを取るので急がしそうだった。その代わり色んな場所で唄う。

いつものように集まってくる人たち。時にはここでやるなと怒られたりしながら。それでも楽しい夜だ。

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バスキングを終えた帰り道。

いつも遊びに来てくれるガキんちょ二人とハグして別れた。

「Good Luck!お前らも頑張れよ!」そう言ってバイバイした。

僕は旅を続けるけど、君たちはここでの生活を続けていくんだろう。11~12歳の君たちの未来には何が待っているんだろう?楽しいことばかりじゃないかもしれない。それでも毎日を楽しく生きて欲しい。頑張れよ。


宿に戻ると日本人の旅行者がいた。

ニシタニさんという長期の旅をされている方で、軽くお話させていただいた。

ニシタニさんの撮った写真を見せてもらったのだが、良いカメラ(つっても僕よりひとつ新しい型だった)で撮った写真はびっくりするくらい綺麗だった。

カメラの腕も僕とは比べ物にならないほど上手い。瞬間を切り抜くのが上手いのだ。

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僕もこんな写真が撮りたいと思ったのと人によってこんなにもインドの見方が違ってくるということが分かった。写真はその人の目線。目の前の風景をどう捉えるか。

ニシタニさんの写真を見ると、『インドってこんなに素敵な国だったんだ!』と思わずにはいられなかった。そんな写真の数々。

持っているカメラは入門機だけど、写真のスキルも上げていきたい。

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ニシタニさんは僕の描いた漫画に興味を持ってくれたのが嬉しかった。

「こんな感じで描いてるんですよ」と広げたパソコンに表示された僕の拙い漫画を長いこと読んでくれた。もちろん写真だけじゃない。漫画のスキルも上達させていかなきゃね!


僕は明日の朝の列車でLucknaw(ラクナウ)という街へ向かう。

ネパールへと続く国境の町はいくつかあるのだが、ジョードプルからだと国境から少し離れたラクナウ行きの列車があるし、ラクナウはそこそこ大きい都市だ。たぶんそこからバスで国境を越えられるはずだ。

情報は少ない。メジャーな国境はゴーラクプルからバスで行くスノウリとかかな。

まぁ、なんとかなるだろう。だって「LUCK NOW」なんて縁起がよさそうじゃないか♪

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現在、自作キャンピングカー「モバイルハウス」で日本を旅しながら漫画製作を続けております。 サポートしていただけると僕とマトリョーシカさん(彼女)の食事がちょっとだけ豊かになります。 Kindleでも漫画を販売しておりますのでどうぞそちらもよろしくお願いします。