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鉄道

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鯛鮨の思い出

鯛鮨の思い出

敦賀駅は関西人から見ると北陸への玄関口という印象だ。サンダーバードで北陸に向かう時、琵琶湖を超えて最初に停車するのも敦賀駅だし、最近は新快速の始発着駅にもなっていて、わりと関西でもその駅名を目にする機会が増えてきた。

しかしながら実際に降りたことはまだなくて、いつも通り過ぎるだけだった。今回は在来線を乗り継いできた旅だったので、一度降りてみようと思った。一番の目的は昔食べた懐かしい鯛鮨の味をもう

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山陰本線の思い出

山陰本線の思い出

生まれも育ちも都会だからか子供の頃からやたらと田舎への憧れが強い。
その気持ちを残したまま40代の今に至っているのは間違いない。

小学生の頃、父親の友人数家族と連れ立って海に行くのが恒例になっていた。
よく山陰の方に行っていたと記憶している。兵庫県の香住やその少し先に位置する鳥取の岩美などを訪れたはずだ。

当時住んでいた京阪神地区から日本海側までは同じ兵庫県内とはいえ特急を使わないととても移

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上野駅 令和三年

上野駅 令和三年

かつて東北、上越方面と東京を結ぶ列車は殆ど全てが上野駅を始発着としていた。

1982年の東北上越新幹線の開業以前は特に、ひっきりなしに特急や急行が、そして早朝と夜にはブルートレインが発着して賑わっていた。今も地上ホームには岩手県出身の石川啄木の詠んだ碑があり、当時の光景を今に伝えている。

関西在住だった僕が鉄道の写真を撮るようになったのは国鉄の最後の時期。小学校の高学年だった。そして初めて上野

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子供の時から鉄道好きで良かった3つのこと

子供の時から鉄道好きで良かった3つのこと

小さい頃に鉄道が好きになっても歳を重ねるにつれて大半の人は興味が薄れてくると思いますが、逆に興味を深めていく人もいます。

僕もその一人でした。小学校4年生くらいから急に鉄道に興味が湧いてきて写真撮影を始めました。

現在はそこまで熱心なファンではないですが、子供時代に鉄道が好きで良かった!と今でも思える事があるので、ご紹介したいと思います。

1. 地理に強くなる
鉄道写真の撮影を始めると、やは

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最後のブルートレイン

最後のブルートレイン

2013年11月16日の夜。僕は上野駅13番乗り場にいた。

行き止まり式のこのホームに青い車体が機関車に押されゆっくりと後ろ向きに入線してくる。上野名物の推進回送である。停車すると正面の扉が閉じられてヘッドマークが美しく暗闇に映える。

かつて都心から東北、上信越地方への玄関口としてひっきりなしに特急、急行が発着していた上野駅では四六時中このような光景を見ることができた。しかしながら1982年の

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185系の思い出

185系の思い出

2021年3月のダイヤ改正で東京と伊豆を結ぶ特急【踊り子】の運用から185系が退き大きな話題となった。

この車両は1981年に登場。以降、主に踊り子を中心に湘南ライナーなどでも運用されていた。信越本線の碓氷峠を超えれるように横軽対策をした200番台も上野発の列車を中心に活躍した。こちらは白の車体に緑の横帯が特徴的だった。

            185系200番台 新特急谷川

185系はクリ

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距離感覚を正す 在来線の旅

距離感覚を正す 在来線の旅

例えば大阪から東京に移動する場合、飛行機か新幹線のいずれかを選択することが圧倒的に多い。飛行機だと1時間ほど、新幹線だと「のぞみ」でおよそ2時間半、「こだま」でもおよそ4時間ほどの所要時間になるので、大阪東京間は日帰り可能な距離として認識されている。

しかしながら実際には東京から新大阪は新幹線の営業キロで552.6km。決して近いとは言えない。ところが高速に移動できる手段を使うことで、この距離は

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