見出し画像

[へその緒]

浜の色は移ろう
さざなみが潮煙しおけむ

誰が何をとうと
晴ればかりの子供靴

この自由な時代
知らなくてもいいよと
君は飲み込んだ
少しこぼしていた

人は旅を求める
冷えた街を蔑む

時を追えど捉えず
僕の声は留まる

どうか触らずに
大丈夫でいたいだけ
ささくれみたいに
折れて痛いだけ

紡いでは紡がれる
信じれば救われる
音が鳴り元通り

風が指を宥める
褪せた日々を眺める

郷に還れと響く
的を射るよエピローグ

生まれは決して
自分で離れてゆかない
ほぞの形と
御国言葉

時を経て携える
君の声を食べ残している

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?