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つめたい反応に固まる私はサタンかよ?

ほんわかとした雰囲気の中で思いもしなかったナイフのような言葉が飛んでくる事がある。予想外で無防備だったから刺さったままヘラヘラ作り笑いするしかない。今でもふと夜空を見上げる時にボヤッと浮かんでくる記憶。別に大した事ではないのだろうが何で思い出すのかな。

子供が通っていた保育園で夏の夜に星空観察体験が催された事があった。
本格的に科学館の人が無償で携わってくれて、ナレーションの優しい言葉や物腰からも <子供達に見せてあげたい> という気持ちが伝わってきた。おかげで小さな子供から大人までとても楽しめる素敵な夜となった。

その土地に親しい知り合いもなく、外向的とは言えない私だったので
子供には自分の負の部分がうつらないように、当時は子供向けの劇や音楽など催し物には意識的に連れ出すようにしていた。苦手な人付き合いも少し努力して話の輪に加わるようにしていた。今もう一度やれるか?と問われたらご辞退したい感じです。

以前に子供クリスマス会に参加した教会から星空観察会のお誘いがあった。
夕食を共にするので一品持参と参加費は500円とのことだった。
子供も保育園での観察会で楽しそうだったので申し込む事にした。
夕食会は無理だけど気持ちの一品は持参して参加した。

教会では同じ年頃のお子さんのいるMさんと数人しか面識がない。
暗くなるまで中で待っている間、話す相手も無く手持無沙汰だった時に、
Mさんが隣に座わる御主人を私に紹介した。
「今夜行う観察会は主人が機材を準備しましたの。その方面の理系の出なので趣味でもあるんです。」
「はじめまして〇〇です。お世話になります。」と私は会釈した。
Mさんは電気や機械に詳しいご主人が教会の設備や音響を担っている事などを教えてくれた。

難しい知識のない私は何か会話を返さなければと
共通する子供の星空観察の事で自分が子供の頃の話をしてみた。
「小さい頃、夜明け前に家の近くの土手に上って、星が一直線状に並ぶ惑星直列とか言う珍しい空を見に行って感動したことがあります。」

写楽★観察2

私が見たものは厳密に言うと一直線に見えるだけで惑星直列ではなく惑星集合なのだろうが、それでも早起きして見上げた星は美しかったと今でも思う。
惑星直列とは、ほぼ同時に太陽系内の惑星
水星―金星―地球―火星―木星ー土星―冥王星
この7つが太陽に向かって90度以内に集まり一直線に並ぶ現象で
989年の観測以降は7回のみ、今後は2161年5月に見えるらしい。

するとMさんのご主人は斜めに視線を向けたまま
「そんなもの全く見る価値がない、意味がない無駄なこと」
と冷たく言い捨てた。
え?まさかの言葉に私は固まる。
Mさんは取り繕うこともなく眼鏡に手を当てながら
「まだ暗くならないわね」と窓の方へ目をそらした。
私はトイレに行って気を取り直しても脱力感で体が重たい。

「見えないね」子供が言った。
コンクリートの駐車場に設置された天体望遠鏡を各自ただ適当に覗くだけで、その穴からは薄ぼんやりしたものしか見えなかった観察会。
「おなかすいたね」子供が言った。
手土産の一品は食堂に渡して私は子供の手を引いて家に帰えることにした。
冷たい言葉で固まってしまった気分をあっためるように、
途中の御総菜屋さんで揚げたてのコロッケを買って。

全く価値がない
意味がない
無駄なこと

返されたその言葉のリフレインがいつまでも止まない

神の愛を語る場所であろう教会で、
その信者に初対面の私が聞かされる言葉?
子供の私が早起きして星を見に行ったことは
意味がなく無駄で価値がない事?
知識の乏しい者がなんとか交流しようとした話題が
博学な人にとっては例え低級な内容だったとしても、
もう少し手加減をした拒絶態度で対応できないのかな?
そこに神の愛はあるんか?
天地を造られた神が無駄なものまで造ったと?

その後はもう行かないだろうと思っていたのに、ママ友の付き合いで
コンサートを見に再び教会を訪れた。すると音響設備を調整し終えた例の 無駄と言った人が、私の前の席にいたMさんと並んで座り、
その会話が聞こえてくる。
「準備やっと終わった、褒めてよ」
「えらいえらい」
「それだけ?ママー帰りは片付けが終わるまで待ってて」
「〇子のピアノのレッスンがあるから先に帰りますよ」
「えーじゅるいじゅるいヤダー」
〇□△~〇□〇~×□~~~くねくねと

なんか私は正直 へ?キモイと思いました。
パーソナリティーが少し?

教会だからといって中にいる人間が全て優しいとか、親切とか、
ほのかな期待をしては駄目ですね。何か問題があがっても
「罪人にすぎないですから」「祈ってください」で話は終了です。

トルストイnote

あの惑星直列の話は教会にとって悪(サタン)のささやきだと思われたらしいことが後々わかった。世界の滅亡とかノストラダムスの大予言だとかに関連付けて惑星直列を語る偽預言がいるらしく、サタンの働きだと考えているようだ。
だから冷たい対応だったのかな?でも私はそんな不穏な話はしていないし、
ただ単純に子供の頃に見た星の並びが綺麗だった話をしただけなのにね。

そういうご法度な話は他にもあった。教会には色々な系統があり、例えばハリーポッターなどの魔術や占いの話は駄目という所や、子供の行事でもクジ引きは駄目だと言われた所もあった。
ある特殊な聖書のみを信じて家々を訪問してくるグループは、
輸血は駄目という命に関わるタブーがあり、ある信者の夫が
もし事故で大量出血しても助けてもらえないと嘆いていた。

信仰は自由だし、それがないと生きていけない人もいるから
良し悪しを語るつもりはないけれど、
個人的には人々の生きる助けになる宗教や信仰であってほしいと思う。
〇〇しないと地獄に落ちるとか、裁きがくだるとか多額の献品や献金、
物品の購入やお布施が必要だと言う所は避けたい。

教会については別の機会にまた書こうと思います。ただ心配なのは、
最近は感染症蔓延の影響で人々が孤独な時間を過ごす虚しさを狙って
精神的に支配しようとする怖い人や団体もあることです。
優しく親切なふりをして獲物を狙っています。皆さん気をつけてください。
孤独な闇はもう少しで明けます。                    どうか負けないで悪の手を振り払って自由でいてください。

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