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コペンハーゲンの無印良品で見つけたミネラルウォーターブランドのビジュアルアイデンティティ

こんにちは、デザイナーの堀野美雪です。

現在はデンマークを旅しながら、その国のデザインを調査しております。

デンマークのコペンハーゲンには、みなさんお馴染みの無印良品があります。

暮らしに関しては世界トップレベルのこだわりを持つデンマークで、日本生まれのブランドが認められるなんて嬉しいですね。

この店舗では、PB商品以外にも、デンマークでセレクトされた他ブランド商品を扱っていおり、その中で私好みのデザインを発見しました。

これは「bornholms kildevand(ボーンホルムス キルデバンド)」というデンマーク生まれのミネラルウォーターです。

現在の主なプロダクトは、「ソーダ割り天然ミネラルウォーター」「ドリンクやカクテルに最適なソーダ割り天然ミネラルウォーター」「炭酸のないナチュラルミネラルウォーター」の3種類。

引用:https://www.bornholmskildevand.dk/


デザインの解剖

「bornholmskildevand (ボーンホルムスキルデバンド)」のラベルは、ブルーの水玉や縦ストライプのグラフィックが印象的。

びっしりと描かれたテキストの上に、透過させて配置された鮮やかなブルー、ぱっと見では気づきませんが、よ〜く見ると一つだけ歪なかたちをしていますね。

デザインについての情報がなかなか見つからなかったので、これはあくまで私の推測ですが、モチーフになっているのは「水」。
これは水滴をぽたりと垂らした跡に見えます。この歪さが天然水の純粋さを表現しているのではないでしょうか。

「高貴」「誠実」「神秘」などの印象を与える濃く鮮やかなブルーを採用し、純度の高い高品質で特別な水というポジショニングのようです。

メインフォントに使われているのはAdobe Caslon(アドビ カスロン)。

1734年にイギリスのウイリアム・カスロンがリリースした金属活字をオリジナルとするCaslon(カスロン)を、アドビ社が再びデザインに起こしたフォントです。
使い勝手が良く、古典的ながら優雅で上品な印象がある書体と言えます。

さて、この歪な丸やストライプのグラフィックは、ラベルの他にも展開されているので見ていきましょう。

気づきましたか?歪な丸だけが透過されているのが。

こちらも。
この透過効果は水の透明性を表現しているように思います。

トートバックに展開しても素敵。
持つ人のことを考えて、持ち歩きたいと思えるデザイン。これなら私も欲しいです。

「これはちょっと外で使えないな…」というようなノベルティグッズを配っている企業は多くあります。
企業のアピールだけを考えた一方通行なデザインはやっぱりイマイチですね。

VIの重要性

これらのデザイン展開例を見ていると、VI(ビジュアルアイデンティティ)が起点になっていることが分かります。

VIとは、企業のブランドの価値やコンセプトを可視化したシンボルやロゴ、ブランドカラー、デザインシステム、グラフイック、書体など、その企業らしさ象徴するデザイン要素一式の総称です。


今回はVI(ビジュアルアイデンティティ)がいかに大切かを、bornholmskildevand(ボーンホルムスキルデバンド)のデザインから教わりました。


デンマークデザイン調査、まだまだ続きます。


bornholmskildevand (ボーンホルムスキルデバンド)の公式Webサイトはこちらをどうぞ↓


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