『古事記初の夫婦の物語』神社巡りが100倍楽しくなる古事記の話②【歴史の扉#6】
歴史の扉へようこそ!こんにちは。旅人です。
前回は古事記の宇宙創生からイザナギ・イザナミ誕生までの天地開闢(かいびゃく)について自分なりにまとめてみました。未読の方はぜひご一読ください。
さて、今回は古事記最初の主人公夫婦であるイザナギ・イザナミのお話し。ここから一気にストーリー性が増して、物語としての古事記の魅力が味わえます。
日本初の夫婦の物語。ぜひ、最後までお読みください。
0.前回の登場人物
前回登場した神々の名前を整理するとこんな感じです。
1.国産み ~日本列島誕生神話~
天地が別れたばかりのころ、地上はまだ混沌として、国土がありませんでした。そこで、別天津神(ことあまつかみ)たちはイザナギ・イザナミに国土を完成すべく、天沼矛(あめのぬぼこ)を与えます。
2神は天浮橋(あめのうきはし)という場所に立ち、天沼矛でかき混ぜます。
そして、天沼矛から滴り落ちた塩が自然と凝り固まり、於能碁呂島(オノゴロ島)となりました。
オノゴロ島の候補地はいくつかありますが、ここでは自凝島神社(おのころしま神社)をご紹介。淡路島周辺は国生み神話の聖地が多数あります。
二神はオノゴロ島に降り立ち、天之御柱(あめのみはしら)という高い柱を立て、八尋殿(やひろどの)という屋敷に住み、子作りに励みます。
天之御柱(あめのみはしら)を中心に、イザナギが左回り、イザナミが右回りに回り、出会ったところで契ります。
ところが、ここで事件が。初めて産まれた子供は
蛭子(ヒルコ)
という未熟児だったのです。
2.残酷!初めて産んだ子を海に流してしまう
なんと、二神はこのヒルコを海に流してしまいます。
その漂着地が西宮であり、西宮神社が成立。商売繁盛の神「えべっさん」はこうして生まれました。
子作りが失敗した原因は、女性神であるイザナミから声をかけたためでした。愛の告白は男性からしなければいけないと別天津神たちは説くのです。
アドバイス通りやり直すとうまくいき、二神は国土を次々に作ります。
①淡路島②四国③隠岐島④九州⑤壱岐⑥対馬⑦佐渡島⑧本州
の順に国土を産み、これらを合わせて大八島国(おおやしまのくに)
と言います。
3.神産み 「多くの神を産んだ果てに...」
その後も次々に神を産む二神。しかし、最後に
火之迦具土神(ヒノカグツチノカミ)
という火の神を産んだ際、イザナミは火傷を負い、死亡します。
嘆き悲しんだイザナギは怒り狂い、十拳剣(とつかのつるぎ)[別名:天之尾羽張(あめのおはばり)]という剣でカグツチを殺してしまいます。
序盤から結構ショッキングな内容が続きますね(^^;)
なお、カグツチ自身は火の神として火の用心などを祈願する
愛宕神社や秋葉神社の御祭神となります。
ちなみに、「あたご」という言葉は「仇子(あだこ)」という言葉から転じたという説もあります。イザナギにとってはあだの子だったわけです。
4.カグツチ殺害の際に生まれた神々
イザナギがカグツチを殺した際にもいくつかの神が生まれます。
十拳剣の根元についた血からは、鹿島神宮や春日大社の御祭神で最強の武神
建御雷神(タケミカヅチノカミ)が。
後々、国譲り神話や神武東征にも登場する重要な神様です。
十拳剣の柄についた血からは、貴船神社の御祭神で水の神
高龗神(タカオカミノカミ)が。
かなりメジャーな神社の神もしれっと生まれていたんですね。
5.まとめ
まとめると、
①ヒルコを捨てる→国産み・神産み
②イザナミの死亡
③カグツチの殺害
④十拳剣についた血からの神の誕生
という感じですね。
いかがでしたか。神々の行動がダイナミックに描かれていたと思います。
最愛の妻を失ったイザナギ。彼が次にとった行動とは?
次回、乞うご期待!
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