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人生初の入院生活をどうやって「日常」にしようか?

人生で手術どころか入院も初めて。とにかく「入院」と検索しまくってたのが、入院前のこと(笑)。無論、乳がんに限らず、あらゆるサバイバーの皆様の数えきれないほどの投稿が出てきます。必需品とか心構えとか、とにかくありとあらゆる処方箋がありました。私の検索は「なぜスリッパはカカトつき?」「乳がん、寝衣」とか。あとなに検索したっけなあ?笑 思いつくままに検索しました。

「入院、癌、筋トレ」もいろいろ探しました。どういうルートで検索しても、だいたい「とにかく足腰が弱る」という報告にたどり着きます。じゃあ「足腰を弱らせないためには?」というふうに数珠繋ぎに検索してまた検索して。。。結果入院の時には、足に巻くタイプの「オモリ」を持参しました。→note「リハビリは裏切らない参照

寝衣

寝衣に関しては、乳がんで入院した経験のある友人のアドバイスを取り入れて「入院中全日レンタル」を選びました。というのも「借りられるものはなんでも借りた方がいい。持って行かずに済むものは持って行かなくて良い」と、乳がん先輩の友人。事実、これには随分助けられました。

私は独身でひとりっこ、親戚は県外在住が多く、自営業なので両親に無駄な負担はかけたくない。。。それが入院期間中リアルに影響するのが「洗濯モノ」です。病院内の洗濯機は有料ですから ”入院患者さんたちのご家族が洗濯ものを引き取って、替わりに着替えを置いていく” という光景は、よく目にしました。けど時代はコロナです。ハッキリいってやりとりも大変。

あと、これは私の場合ですが、規則正しい生活のお陰か?えらく代謝が良くてよく汗をかきました。夜中にヒトガタにカタチがつくほどの全身汗も入院中何回かありまして。そんな時も夜勤看護師さんに言えばすぐ変えてくれるのはありがたく。最初のうちはそれを知らずに、夜中の3:00に汗に濡れた寝衣を干してたりして笑、早朝回ってきた看護師さんがその個室に干された寝衣を見て「え!言ってください!すぐ(寝衣)出しますから」って笑笑  そんなこんなでいつも清潔で快適。

でもシンプルにやはり、入院に適してるんですよね、病院で借りる寝衣。だって毎朝の回診、検査、廃液チェック、看護師さんもかわるがわるチェック、その都度脱いじゃあ見せなきゃならんわけで。面倒???いや、それを面倒くさがってる場合じゃありません、患者としては。もうそれが「仕事」くらいの気持ちで、常に寝衣をめくらにゃっ!笑 

身だしなみ

いまどきはファストファッションのブランドでも「前あきTシャツ」等等は売ってますからそれぞれのご都合で良いとは思います。入院中とはいえ、おしゃれも大事と思います。

例えば私は、毎日、髪型は整えるようにしました。起きっぱなしでいるとどんどんダラシなくなりそうで(笑)寝衣も日々工夫して、最終的にはロールアップしてスニーカー履いてました。廃液入れも、お出かけに行くような感覚で斜めがけポシェット風。お湯をもらいに食堂に行くときなんかまさに「お出かけ」感覚(笑)

ある日、すれ違った患者さんに「あなたいつも元気よね!お出かけポシェットのように廃液のソレも持ち歩いてるし。私なんかこうなのに」と、寝衣のズボンのお腹に突っ込んだ廃液入れをポンポンっと叩いて見せました。「すごい!私の思惑が伝わってる!」というのはなんだか嬉しかったし、あとやっぱり見られてないようで見られてるんだなあとも思いました。身ギレイにしておくってどんな時も大切!と実感した出来事でした。

与えられた時間

コロナ禍で患者は外出も出来ない。お見舞いの人も院内に入れない。入院中の「私の世界」はこの病院内だけなのです。ソレをつまらないと思うか、楽しもうとするか?は自分次第。というか自分が出来ることで平常心を保ちたいという気持ちが、私の場合は強かったんです。

朝昼晩の時間通りの食事を軸に、リハビリ、珈琲タイム、読書や映画、とルーティンを作っていきました。そしてふとポッカリとした時間に病室から眺める広い空と、穏やかに流れる時間。。。あれ?なんて贅沢なんだ。。!と感動さえしてしまってました。「これって私、浄化されてるんじゃない?」と。カロリー計算された食事と毎日の運動で身体もどんどんキレイになっていく感覚があったし、心の方も「仕事をする必要がないこと」に慣れてくると徐々に焦りも消えていきました。そして、

うん、神様に与えられた時間なんだな!今!

そこにたどり着いたら、もうなにもかもを「なにか」に委ねる感覚というか。そのなにか?は実はよくわかってないんだけど笑笑

今の自分に与えられた環境で出来ることを探して生きる。入院が人生の縮図に思えてきました。私の個室が自宅。個室を出たら町内。顔は知ってるけど名前は知らないご近所さん(他の患者さん)。すれ違えば挨拶。看護師さんは部屋に勝手に入ってきちゃう家族でもあり、話し相手でもある友達のような。病棟自体が鹿児島県内だとすると、診察や検査で別の階へ行くのはお出かけ。下着メーカーさんが病院までやってきての出張営業やなんかもあるから「越境」ショッピングも出来て。入院後半にはソレが完全に日常になってたので、むしろ退院することが不安になってました。ということは外の世界はもう国外!みたいな笑笑

ガン患者とはいえ、フツーの人間。こんな当たり前のことが、案外伝わらないものなんだ、というのは今回の病気のことを伝えた時の態度とかでいろいろ見えました。でも、やっぱりなんにも変わらない自分がそこには居る。まあ心境の変化は流石にあったとしてもね。楽しく過ごしたいし、フツーに接して欲しい。でもそうじゃない場合もコレからはあるんだということに、慣れていくためにも「平常心」「日常」「ルーティン」がいかに大切で、必要なことか?事実、就寝中の夜中にどこからともなく嗚咽が聴こえてくることもあります。そういう時も「平常心」を反芻します。

その大切さを実感出来ただけでも、私の人生儲けもんだなあ。。←今ここ笑

私の勝手な必需品とかそうでないものとか

というわけで、私が日常を作るために、わたくし自身が個人的に必需品&要らなかった&こっちが良かった、モノ(思い出したら付け足しておきます)

※かかと付きスリッパ→これは病院によるとは思いますが、いわゆるルームシューズ持っていったんですが、それより布製のデッキシューズみたいのにすべきだったと思いました。かかと踏んでいいタイプの。「入院のため」に買いたくなかったのもありますけどね。

※ステレンレスボトル(940ml)2本→これはもう本当に良かった。実際、退院後も買い足すほどで。 私がいた病院にはボタン式でお湯が出てくる機械があって。毎朝毎晩、お湯を注ぎに行きました。1本は珈琲用。1本はお湯だけ用。時間が経つといい感じの白湯になるので、薬飲む時にもばっちり。運動後もばっちり。夜のうちに入れておいたお湯は、朝コレまたいい感じに白湯になるので、起き抜けに必ずマグカップで2杯飲み干しました。

※足首に巻くオモリ1.8kg x2→ これも本当に良かった。クリニックはとてもアットホームで居心地は最高なんですが、決して広くなくて。ぐるぐるぐるぐる歩く気力が私にはなかった(今思えばやるべきだったけど)ので、オモリをつけて生活。あと、毎朝巻いて単純な運動するだけでトレーニングになるから便利で手軽でした。朝食前に行うことで、食事に含まれるプロテインの吸収を効率よくしてたつもりです。

※珈琲ドリッパー&お気に入りのコーヒー豆→ コレも本当にありがたい存在でした。東京にある「tokinicasa」という珈琲屋さんが「入院中のコーヒーってバロメーターになるんですよ」って教えてくれて。朝起きて珈琲飲みたいか?と思えるかどうかで体調がわかると。なるほど! 実際コーヒーをゆっくり淹れる時間が、私に私の日常を与えてくれてたと思います。珈琲豆が切れたときは、鹿児島の「& coffee」さんにお願いして持ってきていただきました。アロマ効果のある「エチオピア」に救われました(好みは個人差がありますから笑)

※ステンレスの洗濯物干し→ コレはね、引っ掛ける場所にもよるんですが私の場合は、キャンプ用のロープにして、ベッドに結んで物干し作れば良かったなあ、と。コレも環境が左右しますね笑

※陶器のマグカップ→ コレも本当、気分良く美味しく飲みたいと思って。母に「割れたら大変だよ」と言われながらもプラスチックな蓋付き容器なんて味気ないし!と、陶器にしました。正解だったと思います。蓋はティッシュでいいんですよ笑笑 

※電動のマッサージボール(筋膜剥がし系)→ 足腰用に持っていったけれど。コレは不要でした笑 振動が響くから絶対他の患者さんに迷惑になったと思う。やってれば。

※Bluetoothヘッドホン→ コレはもう必須。iPadで映画、iPhoneで音楽。珈琲淹れながらノリノリ。トレーニングしながらアゲアゲ。寝る前のNETFLIXやHuluやAmazonは至福。radikoで番組エアチェック。あとは延々と観るYouTubeのDIY動画(笑)。病院にWi-Fiさえ完備なら、テレビカード購入は不要です。

※本→ 積読本の消化もあったけど、こういう時こそ本好きの皆様にオススメを訊いて普段自分が選ばないものを読みました。今回は「清原和博への告白」(鈴木忠平・著)がもう素晴らしかったです。

※楽器→ コレは持っていけば良かったもの。まあ入院してみないとわからないことなんですが。場合によっては不要かもね。

要するに

もしかしたら参考にならないものばかりかもですが、要は「日常を続けろ!」ってことです。自分のペースで、ってのがいかに大切か?と。私たちはガン患者だけど、人であるのだ!と。(なんにでも応用できる決まり文句ですな笑)


そうだ女性の皆様へ追伸

月のもの。入院中のそれ。今は本当素晴らしいものがあります。「吸水ショーツ」こんな便利なものが小学生時代からあったらなあ。せめて中学時代からあったらなあ。いや、せめてせめて高校時代からあったらなあ、、、(スポーツブラもね)。慣れない方もいらっしゃるでしょうが、入院中のそういうときはもうコレですよ。ユニクロにリーズナブルなのありますよ。とても良いです。



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