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インド料理の隠し味はヨーグルトだった

「ヨーグルトがなかったら困るわよ! わたしたちインド系は料理によく使うもの」
マレーシアで、インド料理店の店主にヨーグルトの使い方を尋ねたら、こんな答えが返ってきました。

そう、明治時代以降に牛乳や乳製品が定着した日本とは違い、牛や山羊の乳を使う食文化をもつ人びとにとって、ヨーグルトは料理の味を決める大切な食材のひとつなのです。

インド料理とヨーグルトの切っても切れない仲

マレーシアは、マレー系の国民が7割近くを占める多民族の国で、ほかに中国系23%、インド系とその他が7%います。そのうち、ヨーグルトを一番食べるのはインド系の人びとといわれています。デザートとしてヨーグルトを食べる以外に、料理にもよく使うからです。

そこで、地元の書店でインド料理のレシピブックを買ってみました。紹介されている39品のうち、実に15品にヨーグルトが使われています。

タンドリー・チキンは、スパイスを混ぜたヨーグルトに漬け込んだ鶏肉を窯焼きしたもの。ブリヤニやピラフに使う肉や魚も、スパイスと合わせたヨーグルトに漬け込んで下味をつけます。

ヨーグルトはとうがらしの辛さを和らげるためにカレーに用いるほか、ライタというヨーグルト・サラダや、ヨーグルト・ドリンクのラッシーなど幅広く使われていて、インド系の人びとの食卓には欠かせません。

マレーシアの食卓に登場した乳製品

熱帯のマレーシアは、暑すぎるために酪農はあまり盛んではありません。しかし19世紀のイギリス統治時代にパン食が広まり、その後21世紀に外国資本の大型スーパーマーケットが出店するようになってから、オーストラリアやニュージーランドから輸入される、チーズやヨーグルトなどの乳製品がすっかり定着しました。

ヨーグルトは、今では健康意識が高い人を中心に美容食としても人気があるようで、低脂肪や糖分少なめのヨーグルトも品揃えに加わっています。

旅先で、思いがけないかたちでヨーグルトに出会いました。


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