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『壬生義士伝』~旅する書籍/舞台~
皆様ごきげんよう。彩式部(いろどりしきぶ)です。
さて初めての記事は何にしようかな……と考えていましたが、やはりここは『壬生義士伝』でいこうと思います。
私はとにかく『壬生義士伝』が大好きなのです!!!
これに関しては「旅する書籍」「旅する舞台」どちらも兼ねていると言えるのですが、私がこの作品に出会ったのは実は舞台が最初。原作は浅田次郎氏の小説。ドラマ化、映画化もされているのですが2019年に宝塚歌劇で舞台化されていて、それを見たのがきっかけだったんですね。雪組さんで上演されており、まあ通い詰めました。それだけで収まらず原作小説を読み、さらに舞台である盛岡まで聖地巡礼の旅に出たのですから……
まさにこれが私の「旅する書籍」「旅する舞台」原点の作品なのです。
軽くこの作品を紹介しましょう。
時代は幕末、主人公は新撰組の吉村貫一郎。学問に勤しみ剣に秀で、まさに文武両道とは彼のこと。彼は新撰組隊士であり、南部藩の脱藩者である。そんな貫一郎が鳥羽伏見の戦いの最中、満身創痍で大阪の南部藩蔵屋敷にたどり着くところから小説は始まる。彼が当時大罪とされていた脱藩をしてまでも守りたかったもの、南部藩に残した家族への想い、新撰組の仲間との関係…吉村貫一郎を知る様々な人物と死に際した彼の言葉で紡がれる「義士」の一生。
まああらすじは色々なところで出ているのでそちらも見てもろて(他力本願)
とにかくもう涙涙でびっしょんこなる作品です。
この作品の地を巡るために盛岡へと飛んだ訳なのですが、まず今回ご紹介したいのはやはり象徴的な「石割桜」。
これは盛岡の桜開花指標にもなる有名な観光スポットでもありますが、作中にも度々登場します。
「南部の子だれば、石ば割って咲け」
引用:浅田次郎『壬生義士伝 下』文春文庫 2020 p134
これが藩校で教鞭をとっていた貫一郎の、南部の子どもたちへの教えだった訳ですね。
盛岡の厳しい冬を乗り越え、石を割って強く咲く桜のようになれと。
それは一体どんな桜なのでしょう……
この石割桜は盛岡駅から徒歩15~20分ほどの盛岡地方裁判所敷地内にあります。裁判所の門が開いていれば近くで見ることができます。開いていなくても歩道からも見えますよ。
なんと樹齢360年を超えるとも言われており、天然記念物にも登録されているのです。
とまあ色々言ってますがとりあえずこの桜の迫力は見てもらわなきゃ伝わらない。
では、どうぞ。
すごくないですか。実際見てもらうのが一番迫力があるんですがね。私これ初めて見たときどうなってるんだとまじまじと根元を見てしまいましたね。
そもそもこの場所は盛岡藩家老の北家屋敷跡であり、その庭石に飛んできた桜の種が発芽し、成長と共に岩を割り押し広げたというのです……
奇跡じゃん!?!?
しかもこの桜はエドヒガンザクラという長寿の桜としても知られています。
吉村貫一郎もこの桜を見たのか……!!
ちょうど行った時期が満開だったのでとても綺麗でした!
岩を割って根を張る……自然の力強さを目の当たりにしました。
「南部の武士ならば、みごと石ば割って咲げ。」
引用:浅田次郎『壬生義士伝 上』文春文庫 2019 p401
そんな吉村吉村貫一郎の教えを受けた子どもたちが、次の時代を作ったのですね。
この桜を見ていたら私もパワーをもらいました!!!!
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