⑥2001年ユーラシアの旅 (陸路一周): ヨーロッパ野宿編1 ロカ岬

フィンランド・ヘルシンキにあっさり着いてしまった。

チベットーアジアー中東を経て数か月かけて辿り着く予定が、まさかの番狂わせで出国後1か月も経たずに陸路で欧州を踏んでしまった

アナログ時代には欧州の陸路旅には、先年倒産したThomas Cook社が発行していた電車の時刻表をまとめた本が標準装備だったので、これを取り出す。

期間1か月ほどの電車乗り放題チケット「ユーレイルパス」は日本で用意してきていたので、早速駅で有効化して使い始めた。

ここから貧乏旅行者の野宿旅が始まる…とはいえ、本当に欧州の路上で野宿をしたのは後述する1回だけである。あとは、駅とか公園のベンチで寝ていた。私の主観では「野宿」をしているとは全く思っていなかったのだが、これがどうやら「野宿」にカウントされると知ったのは20年後である。屋根があるところはベンチでも床でも「野宿」に当たらないと長年信じていた
なお20年後もこの癖は抜けず、またベラルーシの駅と公園で寝てしまい、警官に取り囲まれて職質された。


さて、北欧4か国は以前来たことがあったので、物価が高いので飛ばして、本で読んで楽しみにしてきたユーラシア最西端とかいうポルトガルのロカ岬を目指す。ユーラシア大陸横断をする以上、ロカ岬は最終到着地点…であるはずだった

ポルトガルではうらぶれた…いや、情緒と雰囲気ある田舎町シントラなどを通って、バスでロカ岬に向かった。
碑の立っている岬の先端で大西洋が見えた時は、落ち着いた深い青色の海に感動した。ここが逆側の端っこかと。しかし思わずあっさり着いてしまったので、苦労して長い日数をかけてきたほどの強い情感ではなかっただろう。岬には思ったよりそこそこ人がいた。半日いてまた町へ引き返した。

後年ポルトガルには1か月ほど滞在する機会を得たが、いまだにポルトガルの情感の強い不思議な雰囲気は、どの国とも違って独特だなぁと思う。


この先、西欧の旅行記はありがちで面白くないので、部分だけ記す。
ベンチ以外には、基本的には乗り放題のユーレイルパスを使って、適当に時刻表をみて選んだ夜行列車内で寝ていたので、狭いヨーロッパだと国境を越えてしまい朝にはどこかよその国についていた。このため移動量が異常に多く、どう動いたかは私にも分からない。結果的には、西欧・中欧のほとんどを回ることになった。

そういえばイギリスだけはこの時行かなかった。帰りの航空券がないバックパッカーは国境で追い返されると聞いたからである。また当時はそれほどイギリスに興味がなかった。これが後年ただ「行ったことがない」という理由だけでイギリスに行き、住み始めるきっかけになったのは不思議に思う。


To be continued...



野宿出身、未だにおよそ野良ですが、まだサバイブしてます。