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【農家の3Kイメージを覆す生産者たち】生産者が語る「第一次産業を『仕事』にするとは?」

農家の3Kイメージ「きつい・汚い・給料低い」を覆す生産者たちを大特集!農業をビジネスとして成立させるための「クリエイティブな」視点に迫りました。彼らのマインドは、一次産業界だけでなく、幅広いビジネスシーンで通じるはずです。

そんな特集の今回は、生産者が抱く「仕事観」についてです。


あなたは、どのような「仕事」をしていますか?
もしくは、どのような「仕事」がしたいですか?

私たちが紹介する農家、漁師など生産者の方々は「食べものをつくること」を仕事にしています。
第一次産業を仕事にする方々の中には、最初から農業漁業を営むと決めていた人だけではなく、他の職をしていた方もいらっしゃいます。

その「食べものをつくること」を仕事にすると決断した人は、どのような想いで日々その仕事と向かい合っているのでしょうか?
今回のまとめ記事では、農家さん、漁師さん、そのご家族の記事を通して、そのやりがいや、苦労から仕事の大切さに迫っていきます。

第一次産業に関わる人の想いを知ることによって、
読者の皆さんの「仕事」に対する考えに、新たな視点が生まれるかもしれません。
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農業は「究極のギャンブル」

-桒野由美さん (福岡県福津市)

農家でよかったこと、それは美味しくて新鮮なものを食べること。
そして自分が食べたいものを作ることができることかな(^O^)
でもね、農業って「究極のギャンブル」だと思うんですよね。
天気や天候に大きく左右されますから。
なので豊作の年もあれば凶作の年もある。
同じ作物を作っても高く売れればいいけど、安ければ……。
出荷すればするほど赤字というへんなサイクルにはまりこむんですよね~(T_T)
おまけに農作業は体力的に結構(かなり)きつかったりする。
腰は痛くなるし、肩もバリバリにこわる日も^^;
ハウスがあれば雨の日も仕事がある。
労働基準法、何それの世界です(笑)
朝早くから暗くなるまで仕事する日もあります。
じゃあ、辞めればいい?
辞めたら誰が田畑の管理をする?
辞める辞めない……そんな問題じゃないよね~。
やるしかないでしょうp(*^-^*)q
まぁ、一言でいえばこれが私の『仕事』なんだもん。
つらいこと、きついことがある農業だけど…
みんなから「美味しい♪」って言われたり「ありがとう(^^)」って言われるのがとっても嬉しい☆彡

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自然につきまとうギャンブル性。その先にある「美味しかった」のひと声は、第一次産業の醍醐味なのかもしれません。
佐賀県の漁師である藤川さんも、自然と向き合う第一次産業特有の苦悩、楽しさなど、醍醐味を語ってくれました。

自然と向き合い、自然にまかせ、自然と共に生きていく

-藤川 直樹さん( 佐賀県佐賀市)

第一次産業を生業にするということは、自然に向き合い、自然にまかせ、自然と共に生きていかんばでけんとよね。だから毎年味も違うし収穫量も違う。豊作もあれば不作もある。いくら手塩にかけて一生懸命に育ててはいてもやっぱり天気には勝てんし、自然の流れに逆らってはいかんよ。自然にはむかっても人間はぜったいに勝つことはなかとよ。

本当はその年の気候・海況・環境に人間があわせていかんばしね。有明海の海苔は不作でも全国の農・漁業の何処かで大豊作の所があるかもしれん。

今まで豊作が続いたけんあんまり調子に乗るなよと神様に試練ば与えられたかもしれん。良かったり悪かったり泣いたり笑ったり、こういう事全部含めて第一次産業ていうとかもしれんな、といまさらながら思いしらさればい!

ばってんね、そいけんこの仕事は面白かとばい!

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次の記事は、いきものを扱う生産者だからこそ感じる「いのち」についてのお話です。

死を肌で感じること

-山本太志さん・山本瞳さん (秋田県八峰町)

漁業をやっていて一番おもしろい!と感じる瞬間は、荷揚げのときに、タラもノドクロもイカもカニもカナガシラも一緒くたになってカゴに入っているのを見たとき。
そのカゴは、「不落(ふらく)もの」「ハンパもの」を入れるものです。漁では、足が欠損してセリに出しても値段がつかないカニ、量がハンパになってひとつの箱を作れない魚が出るんです。
それらは自家消費に回るのですが、家ではカニもカナガシラも同一にありがたく食べるんですよね。

で、気づいたんですけど、
私は嫁ぐまで、「品物」としての魚しか見たことがなかったんですよね。
ボタンエビは「居酒屋いったら超高嶺の花!」だし、「アジやサバにはスーパーや回転寿司でこんくらいの値段?」と思ってたし……。

でもでも、荷揚げをやってこのカゴの中身みたらわかったんです。
海のさかなのいのちにはもともと値段なんかないって。
あとから値段をつけるのは人間で、海のなかで生きる彼ら自身には関係のない価値観なんですよね。

(中略)

「市場」に並ぶ前とは別の価値観があること、
「商品」になる前の「いきもののいのち」それらが内包する「死」をこの肌で感じること、だから自分がいま生きてることを考えさせられること、自分の価値観をグラグラ変えてもらえること。それが目下一番おもしろいところ、ですかねえ。

(元記事:2015年7月18日)

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他の仕事と比較して、第一次産業に関わるとはどういうことなのか?
トライアスロン、宅配運送業、クワガタ屋など、様々な職業を経験された、
たけのこ農家の風岡さんも、農家の「醍醐味」について語ってくれました。

農家は、“生きること”のアーティスト

-風岡直宏さん(静岡県富士宮市)

お金を稼ぐ手段には世の中にいろいろあるよね。僕はトライアスロン、宅配運送業、クワガタ屋、たくさん経験してきたさ。そのなかで、今の「農家」という仕事を考えてみたい。

農家になると、天気予報なんか見なくても、明日の天気がわかるようになるんだ。「富士山の頭が、雲の帽子をかぶっているから雨になるな」とか、山で星空を見上げて「星がすごく綺麗だから、明け方は冷え込むぞ」って。空気の湿り具合にも敏感さ。エアコンがきいている室内から出てきつい思いをするぶん、自然のなかで生き抜く力が磨かれるよね。農家は、“生きること”のプロフェッショナルさ。

社長が自分だから、思ったことは即実行できる。上司の顔色を伺う必要もない。失敗したら自己責任だけど、自分の思うがままを表現できる。生きたいように生きられる。農家は、“生きること”のアーティストさ。

人から必要とされるのも嬉しい。僕が死んだら困るっていうお客さんがいるさ。自分にしか作れない「風岡直宏のたけのこ」を売ってるんだから当然だよね。一方、会社ってのは、予備の人を作らなきゃいけないもんだよね。「お前の代わりはいくらでもいるんだからな」なんて台詞、よく聞くでしょ。人から必要とされること、「お前じゃなきゃダメなんだ」って言ってもらえることが、生きている実感を生むんだと思う。

断言できる。

これほど、「生きてる」って強く感じられる仕事は、農家以外にはなかったよ。

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ここまで、農家漁師の方の仕事の「醍醐味」と「向きあう姿勢」を見てきました。

今仕事を探している大学生、これから仕事を始める人、現在仕事をしている人、

就活生、就活が終わり来年度から社会人になる大学4年生、そして現在、仕事をしている社会人。

その中には、もしかしたら、これからしたい仕事、これからする仕事、今している仕事について、悩み考えている人もいるかもしれません。

私たちが「仕事」と向き合う上で、今後の人生を考える上で、「大切なこと」とは?

抵抗感を持ちながらも、農家を継ぎ、今では講師業もしている廻角さんが語ってくれました。

今、その瞬間を一生懸命に生きよ。

-廻角 素輝さん(兵庫県南あわじ市)

スティーブジョブズさんの
点と点が線になるって言葉が好きで
その時点その時点で
なぜ自分がその選択・行動をしているのかわからなく
悩む時期があるかもしれないが
その時の選択・行動が 未来で線になって繋がる。
選択・行動の意味は後になってわかる。
全ては意味のある選択・行動である。
今、その瞬間を一生懸命に生きよ。
ってお話。
正直以前は
家業の農業を継ぐことに対しての抵抗感みたいなモノがあったけど
実際に始めて続けていると農業に対する考えも変わり
大変さだけでなく
やりがいや楽しみもあるシゴトだと実感できるようになってきた。
講師業の面でも農業の面でも
自分の将来に対しての目標・想い・考えはいろいろあるけど
結局は、思い描いた以上の自分にはなれないのが現実で
強く願い行動すれば道が開けるのも現実なのかもしれない。
講師業を始めた時からの想いは今も変わっていないし、
農業の将来に対する想いもある。
点と点が線になることを信じて もう少し
師 農 両 道 を続けていきます。


農家の3Kイメージを覆す生産者たちシリーズ



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