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【米農家とファンづくりの話をしよう】僕が直売にこだわる理由 ~美味しさの決め手は“一人称”~ 後編
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当連載【米農家とファンづくりの話をしよう】では、「ハマダ食堂」を発信している、富山県黒部の専業米農家「濱田ファーム」に訪れて聞いてきた、ファンづくりの極意に迫っていきます。
濱田ファームは代表の濱田智和さん(47歳)と、奥様の濱田律子さん(46歳)が、米作りから直売までを自らの手で行っています。
「僕がつくったお米なんです」
これが、直売の際の決まり文句だと話す智和さん。
連載第1回目は、そんな彼らの直売へのこだわりを前編、後編にわたってお届けします!
vol.1 前編はこちら
聞き手:土谷奈々
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味だけじゃ人は買わない
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「味は、ある一定の基準に達すれば、あまり変わらないと思う」と話す智和さん。
では、その(一定基準)先に何があるのでしょうか?
土谷:一定基準の先にあるのって、もはや「味」だけではないですよね?
智和さん:「味」はそこまで追求しても意味がないと思っていて。いや、そりゃ、意味はあるよ。「日本で一番美味しいお米を作っています」って言えたらいいと思うよ。けど、それは自己満足だろうな、きっと。
もちろんそういうものを買いたい人はいっぱいいるだろうけど、そこだけを見てるわけじゃない。
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土谷:正直私は、味の違いってそんなに分からないんですよね。プロじゃないし。お米だったら何でも美味しいとか思っちゃうんです。「ここの農家さんから買いたい」と思うのって、味とかじゃないところまできますよね?
智和さん:そうだね。「味が美味しい」だけじゃ人は買わない。それはもう当たり前なんだと考えれば、それ以上の何かがないといけない。
値段が安ければ買うというのが一番大きいんだけど、でも値段は安くできないから。経営のことを考えると、できないというか限界がある。そうすると、その値段に見合った何かを考えていかなくちゃいけない。付加価値なのかもしれないし、何か違うものなのかもしれない。だから、「味」だけじゃないってことはこだわっているかな。
土谷:「味が美味しい」というのが当たり前になったとき、濱田さんはそれ以外に何を追求するんですか?
智和さん:売り方だね。だから、そこから先はお米作りとは関係ないと思うよ。
彼らは米作りを「味」だけでは終わらせません。
「味」の先にある、「売り方」をも追求します。
そのこだわりとは?
直売が生む説得力
土谷:ということは、売るときにアピールするのは「味」ではないのですか?
智和さん:うち、濱田ファームはね(笑)。
土谷:では、何をアピールしてますか?
智和さん:「僕がつくっていますよ」っていうこと。
土谷:それはつまり……?普通は、「うちのお米美味しいんですよ」って売りますよね?
智和さん:そうだね。けど言ったことないね。というか、言わないようにしてる。特に東京とかは、そんなこと聞いてこないんだよね。「どんな感じのお米ですか」って性質を聞かれることはあるけど。仮に「(味が)美味しいですか?」って聞かれたら、「美味しいですよ」って言う。「もちろん僕がつくってるんで」ってね。
「美味しいですよ」というよりかは、「僕つくってるんで」というのがほとんど決まり文句なんだよね。
土谷:その言葉にはどんな意味をこめているんですか?
智和さん:対面販売などでお客様と直接話ができる時に、「自分が作っているお米だ」って言うと、その栽培方法や米作りにかける思いに説得力が生まれると思うんだよね。
だから、「僕が作ってるんで、なんでも聞いて下さい」って言うのは、お米を買う側からしたら、こんなに心強い販売員はいないんじゃないかなと思うよ。
お客様に聞かれた我が家のお米に対しての質問には、ほぼ全部正直に答えるかな。「正直に」というのがすごく大事だと思う。
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土谷:確かに、作った人が言うと説得力がありますよね。この人は全てを知っているんだ……というか。智和さんが考える「説得力」って何ですか?なぜ、「僕がつくってるんで」ということが説得力に繋がるんでしょう。
智和さん:説得力、ねえ…… 逆に生産者が話す以外で説得力を持つ言葉はあるのかなあ。これは農産物以外でも同じだと思うんだけど、その作品(工業製品なども含む)について作り手が話す言葉には熱量があるというか、多分作った人にしかわからない思いがこもるんだよね。
その作品について、作る過程での苦労や思い入れなんかも交えて、細部にわたって説明できるでしょ。
でも、ほとんどのモノは生産者じゃない人が売ってるわけで、生産者の説明だけが「説得力」を持つわけじゃないけれど(例えば自分がものすごい好きなものを売る時とか)、生産者が持つ「説得力」は強力だと思うな。
土谷:ではズバリ「説得力」とは?
智和さん:いやあ、うまくまとまらないけど、あえて言うなら「説得力」=「熱量」かな。生産者も、それをものすごく好きな人も、その作品について熱く語れるという点では同じだしね。
「僕がつくってるんで」という言葉は、他の誰も代弁できない、智和さんのもの。
そこには、作り手だからこそ溢れ出す熱量があります。
濱田ファームのファンづくり。
その中心を貫くのは、智和さんの「僕」という一人称でした。
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濱田家のみなさんにお会いして、すっかりファンになってしまった私。
そこで、そんな彼らの「ファンづくり」に迫るこの連載を企画しました!
濱田ファーム公式HP:https://www.hamadafarm.com/
濱田ファームFacebook:https://www.facebook.com/tanbomaster/
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