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【後編】就職に林業ってどう?女子大生が向き合った、「林業を生業にする」こと

瀬戸内の工業地帯に面した山口県周南市で、周南市と隣の下松市の森林を管轄されている周南森林組合。海も山もある自然に囲まれた場所で、私たちの環境を守るお仕事をされています。その周南森林組合で3日間、山口大学経営学部の2人が初めての林業体験をしました。

 前編は、周南周南森林組合の方々がいかにアットホームか、そしてどんな環境の中で作業しているかに焦点をあてました。後編では、周南森林組合の魅力や、学生の体験前と後の気持ちの変化に焦点をあてていきます。

<体験に参加した山口大学の学生(当時)>
権田唯菜(ごんだ・ゆいな)
山口大学経済学部。山口県出身。子どものころから自然が好きで、虫取りや原っぱで遊ぶような幼少期を過ごす。これまで林業に関する知識はなかったが、今回の体験でマツ・ヒノキ・スギの違いがわかるくらい、山の知識が付いた。

伊藤志帆(いとう・しほ)
山口大学経済学部。山口県出身。インドアで外に出ないタイプの子どもだったが、なぜか当時から夢はショベルカーに乗ることだった。研修中は、初めてのことだらけでアドレナリンが出ていて平気だったが、帰ったら死んだように寝ていた。

<書き手:渡邉優翔(わたなべ・ゆうと)>

東京農業大学地域環境科学部2年。福島県出身。花が好きで自然な場所に行くことが趣味。家業が花木の仕事をしているため、林業に密接な関係。林業への好奇心を高めている。

四季を感じ、自然の中で過ごす仕事

―林組合の魅力について、実際に体験してどのように感じましたか?


権田:まず、自然を肌で感じることができるところです。仕事場は360°木に囲まれた場所で、自然を相手にします。常に木のいい匂いに囲まれていました。ときどき動物に出会ったり、四季を感じられたりする仕事だと聞き、魅力的だなと思いました。

二つ目は、個性が活かせるところです。分担作業で、淡々とこなすものだと思っていましたが、実際はとてもクリエイティブな仕事でした。例えば、林道(作業道)を作る際に計画・設計の段階から携わるため、効率の良い木の出し方や必要最小限の距離を考えなければならず、想像力が必要だと思いました。

建設途中の林道を視察している様子。

伊藤:個性が活かせるところは社風にも表れていました。努力をしたいと思えば、資格や技術を身につけるための研修に参加させてもらえるので、力を伸ばすことに最適な環境だと思います。現場作業に穴ができてしまうにもかかわらず、快く送り出してくれる社風はとてもあたたかいなと思いました。
 また、自分の仕事に誇りを持っているところも魅力的だなと感じました。インタビューさせていただいた方々全員、とてもいきいき仕事について話をしてくださり、仕事が好きなんだな、というのが本当に伝わってきました。


ショベルカーを用いて伐採している様子。チェーンソーを使用するよりも効率的に作業ができるそうです。

―仕事への誇り、本当にかっこいいなと思います。働いている方は具体的にどんなところに魅力を感じているとおっしゃっていましたか?


権田:自然の好きな人が自然と触れ合えるところや、仕事が17時に終わって自分の時間を持てるところだそうです。
今回お話を伺った平井さんは、周南周南森林組合で働いて7年目の方ですが、子どもとの時間を大切にできるところがいいとおっしゃっていました。実は平井さん、前職はホテルマンでしたが、結婚を機に群馬県から山口県に引っ越し、登山や自然が好きでこの仕事を選んだそうです。

「林業を生業に」女子大生2人が考えたこととは

―どんな人がこの仕事に向いていると思いますか?

伊藤:やっぱり自然が好きな人がいいと思います。常に自然の中で仕事をするからです。現場作業の人は事務作業がほとんどないそうです。自然が好きだったり、アクティブな人にはすごく向いているなと思いますね。
 あと、向上心がある人も向いているかなと思いました。色々と資格が必要なので、基礎が出来上がるまでに3年かかるとおっしゃっていました。忍耐力もいると思います。他の仕事も当てはまるかもしれないけど、ちょっと特殊な忍耐力かなって思います。

―「特殊な忍耐力」とはなんですか!?

伊藤:精神的にも体力的にも、少しスポーツに近いと思いました。外で体を動かして、実力が伸びるまで辛抱しないといけないので、みなさんアスリートだなと。

―なるほど!そもそも、権田さんと伊藤さんは自然が好きでしたか?

権田:割と幼少期から自然が好きで、虫取りとか原っぱで遊んでいました。
伊藤:私は逆にすごくインドアで、外に出ないことが多かったです。

―実際に林業を体験してみて、山に対する見方は変わりましたか?

権田:変わりました!今まで私たちの住んでいるところも山だらけだったけど、山だなあ、と「風景の一環」くらいの感覚で、あまり意識することはありませんでした。ですが、林業を体験してからは「あれ松かな?」「あの辺ヒノキかな?」「あの木赤いから松じゃない?」と会話をするようになりました(笑)。
周南森林組合の皆さんが丁寧にスギの特徴やどこに何が植えられているのかを教えてくださり、知識が増えたからだと思います。

初めての重機操作は緊張しましたが、優しく教えていただきました。

―女性が林業を生業とすることについて、どう思いますか?

権田:現在、周南周南森林組合に女性の作業員はいませんが、林業において女性ならではの強みが活かせる点は多くあると思います。
 例えば、コミュニケーション能力が高いところは、チームワークの構築やお客様とのコミュニケーションを円滑に進められると思います。周囲の状況を見て判断を下す能力が高いところは、危険の多い林業で危機管理ができる点でとても役立つ能力だと思います。
また、辛抱強いところを生かして、目標に向かって逃げずに努力できるのではないでしょうか。

―では、女性が現場で活躍することを阻む要因として、どのようなことが考えられるでしょうか?

伊藤:体力的に働けるのかという不安があると思います。また、女性は福利厚生を重視する傾向にあると思いますが、育休や産休を取得できるかどうかが採用情報を見てもわからないので、一歩踏み出しづらい要因になっていると思います。

―なるほど。今後女性の体力をサポートする体制を整え、サポートしていることをアピールすることで、林業に女性がもっと参画できたらいいですね!

林業はどこか遠い存在に感じてしまいがちですが、私たちが気づかないだけで、多くの魅力が詰まった職業だと、権田さんと伊藤さんのお話を伺いながら感じました。
林業・周南周南森林組合で働くことの魅力に加え、周南地域という土地は、山に囲まれ海にも近く、ここでなら理想のワークライフバランスが実現できるかもしれません。
そんな素敵な地域にみなさんも是非足を運び、林業という選択肢を検討されてみてはいかがでしょうか。

周南周南森林組合の採用情報、お問い合わせはこちらから。
 https://syunan-mori.localinfo.jp/

※この記事か2020年11月に作成されたものです


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