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(part 1)調査〈戦争〉をどう捉えていますか 20代に聞く実感、教育、アクション(仕事文脈vol.24・特集1「反戦」と仕事)

終戦から80年近くが経ち当時を知る人が少なくなる中、戦争の記憶の継承が課題と言われる。戦争が遠いもののように扱われる一方で、SNSを開けばウクライナ侵攻やパレスチナでの占領、虐殺の情報がリアルタイムで流れてくる。そして日本が戦時中に行った植民地支配や加害行為の構造は、まだなくなってはいない。

現在20代の世代は「戦争」にどんなイメージを抱いているのか。学校教育で学んだことや、行っている具体的な行動などを聞いた。(編集部)

(アンケート)
1)「戦争」と聞いた時、何を思い浮かべますか。
2)高校までに学んだ「戦争」について、印象に残っていること、記憶していることを教えてください。
3)「戦争」や「虐殺」などに対して、具体的に行動したことがあれば教えてください。

01 沖縄戦体験者から直接話を聞いた最後の世代として記憶を繋ぐ

名前:西由良
職業:あなたの沖縄主宰(note:
https://note.com/your_okinawa X:@your_okinawa)
年齢・性別:29歳、女性
現在住んでいる地域:東京都

1)沖縄出身なので、沖縄戦のことを思い浮かべます。特に、軍隊は住民を守らないということについて。沖縄戦では、多くの住民が犠牲になりましたが、その中には自分たちを守ってくれると思っていた日本軍から受けた暴力もあると聞いてきました。軍隊と性暴力の関係も思い浮かべます。沖縄戦体験者の方から直接話を聞くことができた最後の世代として、自分が聞いてきた話を下の世代に繋いで行かなければ、と思います。

2)学校では、毎年6月になると沖縄戦の体験者の方からお話を聞く機会がありました。また、祖母から自身が体験した渡嘉敷島での「集団自決(強制集団死)」についても日常の生活の中で繰り返し聞いてきました。集団自決や沖縄戦に関する記述が、教科書から消されたことも忘れられません。起こったことを記憶し正しく伝えていく努力をしなければ、なかったことにされてしまうことに怖さを感じました。
 また、高校の英語の授業で、ホロコーストに関する映画やドキュメンタリーを見たことも印象に残っています。当時を生き延びたユダヤ人の男性が「自分はなぜ生き残ってしまったのか」という後悔を口にするシーンを見て、祖母も「私はなぜ生き残ったのかね」とつぶやいたことを思い出しました。戦争を経験した人の心の傷は深く、70年以上経っても生き残ったことへの後悔を抱えていることに衝撃を受けました。

3)目を背けたくなるけれど、知ることを諦めてはいけないと思うので、ニュース等で情報を積極的に集めています。また、虐殺に加担する企業の商品やサービスを買っていません。他には、毎月読書会を開催し、沖縄戦に関する本や映画を取り上げ、同世代の仲間と意見や感想を交わし、対話する場所を作ることもしています。

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