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オリジナルな人になるために

前作「GIVE & TAKE」で話題となったペンシルバニア大学の心理学者“アダム・グラント”さんが書かれた本。

「当たり前」と思っていることに疑問を投げかけ、創造性を発揮することの大切さ、私たちのような普通の人が「オリジナルな何か」を実現させるためのヒントが記されています。

今回は本を読みながらまとめていったメモに少し私的補足も踏まえながら書いていきます。

本書の要約

既存を疑い、自らのビジョンを率先して実行、実現することを“オリジナリティ”と定義している。
本書は、天才ではなく私たちのような「普通の人」がオリジナリティを発揮し、創造するための方法について、科学的研究に基づいて解説している。

オリジナルとは何か?

オリジナル=ある分野のパイオニア的存在というイメージがあると思うけど、実際にはこの世に完全なオリジナルは存在しない。無意識に他者のアイデアの影響を受けている。

では、オリジナルとは何なのか。
それは、既存の物事の前提を疑い、新たな視点から切り込んでいくこと。

それを発揮することをオリジナリティと呼び、そこで生まれた自らのビジョンを実行、実現していく人たちのことを“オリジナルな人”と呼ぶ。

【私的補足】
既存、前提を疑う力はクリティカル・シンキングによって具体化できると思います。
クリティカル・シンキングとは、前提から批判的に疑い、その前提が変わったら何が変わるのかを考え、代替案を提示して試行錯誤を繰り返すこと。
意外と「当たり前を受け入れている」ことって多いような気がします。
※例えば通勤の満員電車とか。本書では「メガネは高価なもの」という前提を覆すお話が記されています。

創造性を発揮するにあたっての意外な事実

① リスクと安定のバランスを取れ
 生活の不安など、大きなリスクを背負うとアイデアの実現可能域が狭くなる。
 偉大な企業家は大きなリスクを取ると思われがちだが、大学中退などのリスクは先の安定が見え始めてから実行していることが多い。

② 先延ばしにする期間を作れ
 物事に取り組む際は先延ばしにして考える時間を十分に取るべき。
 早い段階で色々決めていくと、決め事に縛られて創造性の幅が狭くなる。
 キング牧師もスピーチの前日まで全く何の準備もしていなかった。

③ 敵と組むべき
 顔見知り、友人、敵、フレネミーの中で切り捨てるべきはフレネミー(時と場合によって敵味方が変わる一貫しない人)
 友人はずっと協力的なので、最高の味方にはならない。バイアスがかかる。
 組むべきは敵。敵を味方に引き込むことで、より創造性は高まる。

【私的補足】
リスクと安定のバランスを取るというのは意外でした。
企業には大きなリスクを伴うというのが当たり前の“前提”だと思っていました。
副業ビジネスとして育てていき、独立のタイミングを計算していた企業家が多いらしいです。

敵を味方に引き込む方法

相手を説得するのではなく、相手の主張やアイデアと自分の主張やアイデアに共通項を見つけること。
共通点を持った相手のことは好意的に見る傾向にある。

確証バイアスに気を付けろ

自分がいいと思ったものは、大体他の人から見たら駄作であることが多い。
そこから抜け出すための方法はただ一つ。
大量にアイデアを出すこと。
ひとつの傑作に固執するのではなく、最低でも25個は出す。
そこからありきたりなものは排除していく。

創造性を発揮する方法

ひとつのジャンルに縛られず、複数の業界を経験すること。
斬新なアイデアは中程度の専門性の集まりから生まれる。

周囲を巻き込む説得力

立場が低い人の場合は、まず欠点を曝け出すこと。
そうすることで「弱点を見せてくれる」という信頼感が生まれる。
提案を持ってきているのに欠点から話すのなら、これからきっといい話が聞けるに違いないと思わせることができる。
弱点を晒す=自信がないとできないことなので、自信が伝わる。
プレゼンでは特に有効。

単純接触効果=無関心なものでも何度も目に触れれば好意を抱く現象。

創造的な組織の傾向

献身的=企業理念への共感を重視した組織結成が最も成功する確率が高い。
スキルの高い人材はいずれ出ていくことが多い。
会社への思い入れが強い人材は息が長い。
しかし、その反面企業理念への執着が強く市場の変化に対応できないこともあるため、専門性が高い人材の登用と、反対意見を言える人材の確保が重要となる。
これにより、創造的なコミュニケーションが生まれる。

感情コントロール

熱くなることで行動と変化の燃料とし、冷静になることでその行動と変化を論理的かつ現実的なものに研ぎ澄ましていく。
オリジナリティ溢れる創造的な発想や計画を考えついた時は熱く、とにかくアイデア出しまくる。
その中からブラッシュアップし、意思決定、推進するタイミングでは冷静になり、この行動と自分自身や周囲にもたらす変化について論理的に考える。

前に進む勇気をくれた一冊

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“ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代”を読んでみて、いかに自分が世の中の前提に何の疑問も持たずに生きてきたのかを思い知らされました。

特にテクノロジーが発達したこの世の中なら尚更、今までの前提はいとも簡単に崩れてしまうのではないかと思えるほどです。

最近Webデザイナーとして、Webライターとして、フォトグラファーとしてのそれぞれの仕事に広がりの幅が無くなってきたなと感じる部分があったのですが、まずは本書で語られている創造的破壊を実行して、オリジナルへと近づきたいと思います。

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