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1917鑑賞長回しの成功の条件

 
アカデミー賞を受賞した
『1917 命をかけた伝令』を鑑賞してきました。

ややネタバレを含みます。ご注意ください。

映画館が好きで上映中のものは
ほとんどみる私ですが、1917は
正直観なくてもいいかな〜なんて思ったり
してました。

私はよく予告で失敗している作品と予告が成功している作品があると思っています。

『成功』というのは本編がつまらないのに
面白そうに見せるのを成功。
『失敗』は本編が良いのに観たいと思わせない予告です。成功でも失敗でもないものは本編通りといったかんじでしょうか。

先にも話したように映画館で
映画を見ると必ず10分もの予告達が流れます。
その予告を見る頻度も高いわけなので
大概の作品の広告を覚えてしまうほどでしたが
『1917』はその点でいうと『失敗』にあたる予告の仕方だったのではと思います。

ただアカデミー賞受賞がそうもいってられないな、と重い腰をあげたわけです。

さて、本編はというとすごく良かったです。
さすが、といったかんじ。戦争映画に苦手意識はありませんが、背景を存分に知っていないためにどこか感じなくても良い「申し訳なさ」が出て、その背景の戦争を全然知らないのに語るのはどうなの?と思ってしまうわけです。

今回やはり注目すべきは
長回し、ワンカット(風)についてです。
巷では長回しがすごいとか良いとか、
この監督は長回しがすごい、拘りがあるなど

長回し = 役者の力量も試されて、緊張感があって良い、と言われるのでしょう。

ただ私は何回カットしても納得のいくものを、などと思ってしまうタチなのです。

ただ今回の『1917』はその
役者の力量だとか、緊張感が生かされ、
ワンカット大成功だと思いました。

◉1日での出来事
→他、映画では日にちをまたいだり、数年後であったりする中、本作は1日の出来事だったのでワンカットであり、それに意味を持たせられた。

◉緊張感が戦いの死と隣り合わせの
 状況とマッチしている
→役者の緊張感など他、映画では日常を描くものでは不必要なもの。自然に、役に成り切って1人の人としての演技を求められる。

それが
⭐︎戦争の死と隣り合わせ=ミスをしたらもうワンカット=うっかりすると爆弾などに接触してしまう=台詞を間違えてしまう=カメラマンや他スタッフの緊張 

にも伝わってきています。これが私たち観客にも伝わり緊張感のある良い作品となったのです。

こんなことを言うと上辺のような
軽いかんじがしますが、本作をみて感じたのは
「戦争を知らなくてよかった」ということです。ストーリーとしては与えられた命令を届ける。というシンプルなもの。闘うわけでもなく、届ける。というのが大切なところです。その中で描かれる人間の物語が、シンプルさゆえに際立ちます。

それだけ、なのに何故かあんなにも泣いてしまったのです。

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