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鎖骨遠位端骨折を経験して① 事故〜手術前編

鎖骨遠位端骨折をしました。

鎖骨は自転車やバイク事故、転倒などにより折る方が多い部位らしく、骨折全体としても比較的頻度の高い骨折のようです。

鎖骨骨折というと保存による治療を選択される方も多いですが、手術を選択した場合の細かい体験記のようなものが意外に少なく記してみようと思った次第です。実際の治療の経過や回復までの時間など同じ境遇にあった方の参考に少しでも役立てば幸いです。

なお、筆者は30代の男性になります。

鎖骨骨折の概要


私は自転車(ロードバイク)に趣味で時々乗るのですが、事故当日は荷物を持っていました。リュックなどに背負っていれば良かったのですが、近所ということもあり、トートバッグに入れてそれをハンドルを抱えながら持つような形で持っていました。そんな不安定な状態なので、あまりスピードも出していなかったのですが、そのトートバッグが前輪に挟まりロックし、そのまま前転のような形になります。気がついた時には路上に倒れており、肩の痛さがありました。

完全な自損事故なのですが、一応後々保険などで事故の証明が必要になるかと思い、警察へ連絡します。人生初の110番ですね。10分ほど待っていると、何人かの警察官が到着し、色々と写真を撮ったり、現場の検証をして頂きました。併せて、通報の時に救急車も呼んでいただいていたので、人生初の救急車へ乗車。近隣の病院で、整形外科ER受け入れのある病院に搬送されます。

この時点で、腕がぶらんと垂れ下がり、力が入らないような状況と痛みがあったので、脱臼かなと思っていました。救急隊員の見立ても脱臼でした。救急車に乗りましたが、普通に座れる状態だったため、特にストレッチャーに乗るなどはせず、シートベルトをして運んで頂きました。

ERへ


ERに到着したのは23時ごろだったでしょうか。緊急性が低いと判断されたためか、整形外科の先生の手が空くまで30分ほど待たされた後、レントゲン・CT撮影へと回されます。まあ重症度でトリアージしているでしょうし、待たされるのは仕方ないですね。

レントゲンの撮影が終わると、また30分ほど待ち、整形外科の先生がやってきました。余談ですが、DMATチームも居るような要の病院ながら、コロナで忙しかった時期は過ぎ、大分落ち着いた状況にあるように見えました。

鎖骨遠位端骨折

ERで撮影して頂いた鎖骨遠位端骨折の画像

レントゲン画像を見せられ、説明を受ける前に折れてる事は分かりました。脱臼なら外れた肩を入れ直して2週間程度三角巾で吊っていれば良いかな、くらいで考えていた私にはショックでした。なお、骨折の瞬間は特に骨の折れる音などは無く、これも脱臼かと思っていた理由のひとつです。

鎖骨というと折れやすいというイメージのある方も多いかと思いますが、実際そのようで、ラグビーや格闘技などのスポーツ、自転車やバイク、車による交通事故、転倒など実に多くの原因により鎖骨骨折は発生するようです。特に自転車やバイクは肩から落車するケースが多く、ネットで調べていると実に多くの方が事故に遭われていることを知りました。

鎖骨骨折の場合の分類は大きく、骨折の部位と転位(骨のズレ)の程度、骨片の大きさや関節内骨折の有無などによって分かれるそうです。医療者では無いので、詳細に踏み込むことはしませんが、折れ方や折れた場所などによって取るべき治療法も異なるようです。

今回の私のケースでは鎖骨遠位端骨折で、比較的血流も少なく自然放置では付きにくい部位の様で、手術した方が良いとの事。とりあえず転位を進めないためにも三角巾で腕を吊って頂き、その日は痛み止めだけ貰って帰宅します。結局家に着いたのは2時頃だったでしょうか。

事故当日の痛みはあるものの、全然寝れるレベルでした。腕の下に枕を挟み寝返りを打たないように床へと着きます。

骨折翌日


翌日、外来にて精密検査を受けます。昨日も撮影しましたが、改めてレントゲンとCTを撮り、医師から治療方針の詳しい説明があります。この時点で既に色々と調べており、遠位端骨折の場合、保存療法では擬関節を生じやすい、保存の場合は4週間は胸を張る固定具(クラビクルバンド)を装着などと調べていたので、手術に同意をしました。手術に同意をしたことで、手術に向けた検査が始まり、HIVや肝炎の抗体検査、血液検査に尿検査などがありました。併せて、短期間ですが入院も決まりましたので、その手続も進めて頂きました。

さて、この日も痛め止めだけ貰って、帰宅します。一応外来の予約は10時頃だったのですが、検査や入院の申込、精算など色々済ませていたら結局15時近くになっていたと思います。社会人の方は休暇を取るのが良いかと思います。

姿勢により痛みが出ることがあるものの、痛み止めさえ飲んでいれば、片手で日常生活は送れます。ただ、両手が必要な作業、例えば料理や荷物の運搬、運転などは当然出来ません。この日の食事は会食予定がありましたので、普通に行きましたが問題はありませんでした。アルコールを飲むと酔って骨折部を動かしてしまいそうなので、流石に飲みませんでしたが。

骨折2日後


地味に辛かったのが、ここから手術までです。手術をしてしまえば、後は回復に向かいますが、手術までは治療はなく、痛み止めで誤魔化す事しか出来ません。特に朝などは痛み止めが切れているので激痛が走る事も多く、歯を食いしばっていました。骨折の痛みは一瞬で引かないことも多く、数秒続くものもあり、この痛みは辛かったです。手術後の痛み含めて私の場合痛みのピークだったのが、この時期の痛みだったかと思います。折れ方によるかと思いますが、私の場合胸を張るように姿勢を良くすると痛みが和らいだので痛みが出ない姿勢を見つけるのが良いですね。

また、入院前のこの期間にQOLを上げるグッズ購入など準備を進めました。1番良かったのは腕のサポーターで、三角巾に比べ、安定感や長さが簡単に調整可能などメリットも大きくお勧めです。というか三角巾は一人だと上手く結ぶ事が出来ないので、長さ調節がほぼ不可能です。
なお、腕を吊る角度や位置などに最初神経質になっていたのですが、特に手術を選択される方はあまり神経質にならずに痛くない状態でキープしていれば良いとのことです。腕を吊る目的としては腕の重みで肩が下がり、骨の転位(ズレ)を大きくしないためにするとの事ですので、要は荷重が肩にかからないようにしていれば良いとのことです。

着替えなどにも時間がかかります。着る時は折れた方の腕から、脱ぐ時は折れてない方の腕から、などと調べると出てくると思います。また、前開きの服が良いとも書いてありますが、個人的には前開きかどうかよりも服の伸び縮みしやすさの方が重要かと思いました。オーバーサイズで伸び縮みする服であれば、時間はかかるものの着れるかと。一応1着だけ前開きの医療肌着(以下の製品)も買いましたが、回復してしまえばゴミになるので、緩めの服がある方であれば不要かと思います。もっとも、綿のワイシャツしか持ってないなどという方は買っても良いかと思いますが。

シャワーは特に外傷もなかったので、動く方の手を使って毎日浴びていました。逆に言うと、手術後は入浴の制限があると伺っていたので、浴びられるうちに浴びておこう、という思いがありました。

なお、腕が片方動かせない以外は通常通りですので、この日から在宅勤務を開始しました。夜の事故だったこともあり、実質的に会社を休んだのは事故の翌日だけ(この後の手術・入院除く)ということになります。

デスクワークがメインの仕事と言うこともあり、キーボードを打つスピードが遅い等はありますが、割と普段通り仕事は出来ました。両手でタッチタイピングができない分、議事録をリアルタイムで取ることは出来ませんが、メールは普通に書けるくらいと言えば伝わるでしょうか。

骨折3日後


段々と動きにも慣れてきました。この日も在宅勤務があったので、日中は仕事をして過ごしました。食事は怪我をして以降、ほとんどUberEatsのみになってしまいました。腕を吊っている状態で歩くと痛む時があるので、外食はしにくいですし、自炊は洗い物含めて出来ません。特に左手で持って右手を動かす、みたいな同時に動作が要求されるものが厳しかったです。

入院前日


日曜の入院予定だったので、前日の土曜は入院の準備をします。何を思ったか入院後に必要になりそうなペットボトルのお茶などを買ってしまい、宅配ボックスに入れられて絶望しました。500×24本のペットボトルの箱を片手で運ぶのは中々にキツイので、無計画に重量物を通販で注文しない事をおすすめします。入院準備とは言いますが、入院翌日には手術でその日は手術着を着るため、前述の医療肌着を除き、特別に洋服を買うこともしませんでした。

入院当日


コロナの抗原検査をして病室へ。個室の希望を出していたのですが、空きがなく6人部屋でした。まあ重症度などによって部屋のコントロールはあるでしょうし、仕方ないですね。そもそも特に公立病院では入院患者の数に対して個室の数は少ないものです。後で調べると聖路加病院などは全室個室のようで、そっちにしておけば良かったな、と思わないわけでもないですが、ERで行った病院のほうが早く手術ができそうだったので仕方ないですね。
意外と前日は何も無いと思っていたのですが、言われてギョッとしたのが浣腸予定。全身麻酔をする場合、括約筋も緩むために前日に出しておくのだとか。その日は出ていたので、浣腸は無しになりましたが、覚悟しておいた方が良いかもしれません。

参考になった情報

そういえば、事故直後にどのように治療が進むのか理解するにあたり参考になったのが、以下の動画です。今気づいたのですが、この方の動画のタイトルと本記事のタイトルが同じですね。

少し長くなってきたので、その②に続きます


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