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鎖骨遠位端骨折を経験して② 手術~手術後編

その①からの続きになります。

手術当日


朝起床すると手術着とT字帯に着替えます。飲水も手術前数時間はNGなので、控えます。脅かすわけではありませんが、全身麻酔の手術前の飲水や食事により吐いてしまい誤嚥性肺炎を起こすリスクもあるとのことですので、しっかりと守りましょう。
手術予定時刻近くになり、看護師さんが迎えに来ます。ベッドごと移動するケースなどもあるようですが、今回は普通に歩いてエレベーターで手術室へ。手術室に入ると、ドクターやオペナースから挨拶があり、オペ台へ。オペ台は病室のベッドぐらいのサイズでしょうか。そこに横になると手術着を脱がされたり、心電図のパッドが貼り付けられたりします。ちなみに、手術中はビーチチェア位といって、座ったような体制で手術を受けることになるそうです。

全身麻酔


全身麻酔用の点滴が繋がれて、麻酔が入ってきます。麻酔を入れている腕が熱くなる、などと言う方もいますが、私は特に熱さは感じず、普通の点滴と同じ感覚でした。

そして、意識が無くなります。目をつぶっていたので、意識がなくなる瞬間は寝落ちしたみたいな感じと変わりませんでした。この後、意識の無い状態で、気道挿管による呼吸補助、バルーンカテーテル(尿道カテーテル)などが繋がれオペの流れになるようです。ちなみに私はバルーンを必要が無さそうなら入れないようにお願いしていたせいかバルーンは無しでやって頂きました。下半身の骨折ですと、術後トイレに行くのは難しいでしょうし、オペ時間が長い場合もバルーンは入るかと思います。最終的には執刀医の判断にはなる点なので、あくまでも希望ベースで相談してみましょう。意識は無いので手術中の記憶は分かりませんが、冒頭1時間程度麻酔含めた準備、1時間手術、終了後1時間程度回復処理といった流れで進むようです。実際の処置の様子はYouTube等で「clavicle fracture surgery」などと検索すると動画が出てきます。(日本語の検索では実際の手術の様子は出てきませんでした)

覚醒


うっすらですが、オペ室内で気道挿管を外されたような気がします。多分、意識がうっすら戻って自発呼吸も確認できてから外すかと思うので、挿管抜かれるのは気持ち悪いんじゃないかと予想してたのですが、割と朦朧とした意識だったので、あまり覚えてません。この後、病室で酸素を吸いながら徐々に覚醒していくのですが、この麻酔が抜けていく過程が少し吐き気があり、気持ち悪かったですね。私の場合はオペ後6時間くらいは吐き気が止まらなかったです。ただ、実際には吐きませんでしたし、麻酔の深さや個々人の効きやすさによっても異なる部分かと思います。あとは手術の次の日くらいまでは喉がイガイガする感じというか声が少しかすれる感じがありました。やはり気道挿管されていた影響かと思いますが、退院する頃には治っていました。

術後


心配していた術後の痛みはほとんどありませんでした。鎮痛剤が強めだったのか原因は分かりませんが、これも個人差がある部分かと思います。朝の手術でしたが、術後から夕食前にかけて点滴静注が一本あり、夕食を食べて吐かなければ外してOKとの事でした。また抗生剤の点滴が手術当日の夜、翌日の朝、昼と都合3回ありました。次の日、傷口の消毒を済ませて点滴も取れるとリハビリも始まり、退院も翌日に決まりました。手術日の前日に入院して、手術2日後に退院でしたので、都合3泊4日の入院日程となりました。

手術後の様子

リハビリ


手術当日〜1週間後のリハビリとしては振り子運動なるものを教えて頂きました。どうやら鎖骨に負担をかけずに肩関節を柔らかくする動きらしく、おっかなびっくりながら動かしてみます。鎖骨に負担の掛からない範囲で動かさないと肩関節が固まってしまうらしく、毎日3セット程度はやるように言われました。リハビリについてはその③の記事で詳しく書こうと思います。

掛かった費用


入院、手術日含めた総額で約55万円程度の総額になります。結局ずっと大部屋だったので、差額ベッド代は掛かっていません。ここから健康保険で3割負担になり、約18万円程度の窓口支払になります。ここから人により高額療養費制度が使えることになり、会社員の場合は標準報酬月額で区分が分かれます。更に、大企業の健保などは付加補助制度があることも多く、月額2.5万円程度の自己負担で済むこともあるようです。ただ、高額療養費制度も付加補助も基本は支払いの3ヶ月後以降に支給ということが多いので、一旦は窓口立て替えが必要です。もし、立て替えが厳しい方は健保に問い合わせることで限度額適用認定証が取得できるので、それを病院に提示することで、高額療養費制度が適用された後の上限金額での支払いで済みます。逆に立て替え払いが問題ない方はカード等で払うことで僅かですが、カードのポイントが貯まります。

具体的には、一例として月給30万円のサラリーマンの場合、3割負担の窓口支払が約18万円、高額療養費制度を使うと、約8万円、大企業などで付加補助がある場合は約2~3万円の支払いで済むというイメージでしょうか。ちなみに、これは入院と手術の費用であり、外来は別です。

どこまで需要があるか分かりませんが、一応主要な診療点数も記しておきます。1点=10円として計算します。

  • 鎖骨骨折観血的手術 11370点

  • 閉鎖循環式全身麻酔 1050点

  • 固定用プレート、スクリュー他 30251点

  • 入院料 12899点

入院生活で準備しておいて良かったもの


短期間でしたが、入院生活を振り返って便利だったもの、あったら良かったものを挙げてみようと思います。

  • ウェットタオル … 顔を拭いたり食事の食べこぼしを吹いたりちょっとした掃除に使ったり、色々と便利でした。併せてティッシュも用意しておくと良いかと思います。

  • 充電器台 … 一日中ベッドで過ごすことになるので、スマホを手に持ち続けるのも辛いです。特に点滴がついているときなどはスマホを充電器台立てて動画を見ていました。belkinの充電ケーブルはケーブルながら、AirPods ProとiPhoneをワイヤレス充電でき、さらにスタンドも付いているので使い勝手が良かったです。

  • 耳栓 … 6人部屋でしたので、耳栓は本当に持っていって良かったです。個室の方でも、病院というのは救急車の音や各種機器の音など騒音源があるので持っていくことをおすすめします。

  • 置き時計 … パッと見たときに時間が分かると便利なので、あると良かったなど思います。秒針の音が他の患者さんのクレームになることもあるそうなので、秒針の鳴らないものを用意するのが良いかと思います。

  • クッション … 狭いベッドに硬い枕1つという病室環境なので、クッションがあるとだいぶ良いです。病院によってクッションを貸してくれる場所と貸してくれない場所があると思いますので、確認してみてください。

  • ふりかけ … 病院食のおかずに対してご飯の量が多く、ふりかけのようなものがあると良いかと思いました。主治医に申し出た上で、食べましょう。

術後〜1週間


退院してから1週間は三角巾で吊った状態で生活との事ですが、洗い物や手洗いくらいなら良いとの事。1日、1日毎に少しずつ腕が使えるようになっている感じはありますが、肩の三角筋のあたりが突っ張った感じはあります。また、傷口の状態はかなりしっかりと保護テープが貼られているので確認は出来ませんが、特に赤くなったり黒くなったり、熱が出たりという事もないので、良くなっているのかと思います。保護テープがしっかり貼られているため、入浴も2日に1日程度は出来ており、シャンプーも気を使いながらですが、できました。三角巾は吊っていますが、普通に外は出歩けますし、騙し騙しながら両手の家事も出来るので、基本的な生活は退院してからは出来るかと思います。但し、重量物や高い所のものを取ったりは出来ないので、うっかりやってしまわないためにも三角巾を付けていると良いかと思います。

手術による内出血の様子

そういえば、脇から胸にかけて大きな内出血が確認できますが、これは手術による出血が下に垂れてくるために起こる現象らしく時間と共に吸収されるので、問題ないとの事でした。

後は、怪我した後では街を見る目が変わりますね。タクシーに乗ると運転の荒さが怖いですし、歩いていてもすれ違う人や歩道を走る自転車がぶつからないか、怖さがあります。電車に乗る時もまだ満員電車は怖いなという気がします。

その②はここまでです。その③ではリハビリの様子について書こうと思います。

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