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知っトク介護 弱った親と自分を守る お金とおトクなサービス超入門(読書感想文)


みなさん、おはようございます。
だんだん寒くなりましたね。
昨日は地域の会合でしたが、咳をしている方が2名ほどおられ、苦しそうでした。インフルエンザも流行っていますし、乾燥する季節ですのでご自愛ください。

さて本日は、知っトク介護 弱った親と自分を守る お金とおトクなサービス超入門(KADOKAWA)の感想文です。

ズバリ言うと、「仕事と介護の両立支援」の本といえます。本書は、両立するポイントや、自分の生活を守り、お金を守る方法についても書かれています。前回はこの本を紹介しました。

こちらの本も同様に、仕事を辞めずにいかに親の介護と向き合うかについて書かれています。メイプル超合金の安藤なつさんと太田差惠子さんの共著で、中身も二人の掛け合いで話が進んでいきます。この本には、お金とサービスと自分の時間をいかにマネジメントするかが書かれています。子供たちにとって、特に親が年老いてきて心配になったときに、どこから始めればよいかを理解するための実践的なガイドとなっています。

まず書かれているのは、介護保険の基本、そのサービス、そしてこれらのサービスを利用するための認定を受ける重要性についての説明です。これらのサービスは非常に有益ですが、理解不足のために十分に利用されていないことが多いですので、一読に値すると思います。

次に経済的な負担に対する対応については、非常にわかりやすく細かく書かれています。親の財産をどのように把握するかなど、経験がないと思いつかないようなことも書かれています。一貫して介護家族が介護をするうえで必要な情報がまとまっているといえるでしょう。

最終的には在宅での生活の工夫についても少し記載がありますが、最終的にはどうやって施設で介護を受けるかがゴールになっていると思います。

現実的に考えると、まあそうなのかな、本人がしたい生活を少しでも長く送れるような工夫のある支援の記述があってもよいのかなと思いました(小規模多機能居宅介護などの説明はあります)。

ここ10年で介護が福祉業界にビジネス的な考え方が広く使われるようになり、多くの企業が参入してきました。選択肢が増えたことは確かです。たくさんの素晴らしいテックも生まれてきました。一方で10年前に比べて、明らかにお金がかかるようになってきました。それも人にかかるというよりは、施設の利用やテック系サービスの利用などランニングコストがかかるようになったということです。

日本人は最後に健康でない状態で男性は9.13年、女性は12.68年過ごさなくてはなりません。これは平均的な不健康な期間です。5年の人も20年の人も30年の人もいます。脳梗塞を起こしてからも30年以上生活されている方はたくさんおられます。

今、施設に親を入所させて、何年この生活が続けられるか?のシミュレーションは重要です。施設入所は居住に関する費用が上乗せになります。施設入所の年数が長くなるわけです。自分の預貯金が尽きて、自分の年金だけでは対応できない場合もあります。でもその時に自宅に戻ることはできません。実際費用面でできるだけ長く在宅を続ける相談が少しずつみられるようになってきました。

本書では生活保護になることもできるとされていますが、サラリーマンをやっていた人は、年金所得が生活保護にはぎりぎり至らないぐらいの収入があるとみなされるため、生活保護にならないといわれてしまうことが多いです。そこから介護保険料や医療費、確定申告もしなければならないのです。現実的には生活保護以下の生活を送っている人もいます。

さらにこのインフレで、年間にかかる生活費が上がっているのは皆さんも感じておられると思います。さらに、低賃金であった介護職の賃金上昇は、自己負担額に上乗せされますので、費用負担は増額します。最近の改定で介護保険の利用料の2割、3割を負担しなければならない人が目に見えて多くなってきました。今はさまざまな減免措置もあります。しかし、これらの措置が10年後あるかどうかは全く不透明です。

ご本人にとってもご家族にとっても介護が必要な状態になってからも生活していくためには、より工夫が必要な時代になってきていることをひしひしと感じています。

だれとつながるか、これは本当に重要です。スキルがあるだけでなく、自分たちの事情をしっかり理解してくださるような人とのつながりは、送りたい生活を延長し、経済的にも支出を抑え、両立支援にもつながるとおもいます。


今日もよい一日を

(11月28日7時34分一部わかりにくい部分を修正しました)





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