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瀬川月菜
2020年12月16日 23:39
ああ、小吉か。……また、「先祖を敬い精進しなさい」か。ある時期、神社や寺院に参る度におみくじを引いては一喜一憂していた。見るのはいつも「願い事」の欄。引くのも、恋愛みくじではなく通常のもの。その頃の私は、長く続く公募生活になかなか結果が伴わず、鬱屈していた。仕事では度々心を折られ、少しずつ病みが深まっていて、そんな自分を救う手段が小説を書くことだった。帰宅し、寝るまでの間に物語を綴るこ