見出し画像

友達でないのに友達価格を要求された話

自営業、フリーランスを悩ませる問題の一つにお友達価格がある。

「友達なんだから安くしてよ」というやつだ。

基本的にはお友達価格は受け付けていない。いや受け付けてはいけない。今回はお友達価格のお話である。

友達価格を求めてくる2タイプ

そもそも友達価格を求めてくる人には2種類のタイプがある。一つは本当に友達だと思っていて、半ば冗談で言ってくるタイプだ。昔からの友達、しかも会社員として働いている人であれば、フリーランスで働く人に、思わず

「じゃあ安くしてよ」

と言ってくることがある。

これに関しては、そもそも実際に発注しようとは思っていない場合が多い。たいていは話の中で半分冗談めいた形で言ってくるタイプだ。その友達との関係性が深いほど、冗談も言えるし、普通の人は要求しないことも言ってくるかもしれない。

実際にはそこまで深く考えていない発言なので、そもそも気にしなくても良いだろう。なんなら翌日にその友人に聞き返してもその発言自体忘れているかもしれない。

そのレベルであるので真に受けず、笑っておけばいい。(フリーランスの立場からすると苦労しているのにそんな簡単に安くしろなんて言うなという気持ちがわくかもしれないが。)

あなたを搾取する意図がある人には要注意

それに対し、安くしてよと言ってきて、本当に発注してくるタイプもいる。これはやばい。なぜなら、安い値段で仕事を引き受けさせて、あなたを搾取しようという魂胆があるからだ。

このタイプの人の最大の問題点は、「あいつはフリーランスだし、俺が発注してあげることであいつも喜んでいるはずだ」などと思っている節があることだ。

つまり、フリーランスの人に良いことをしているのだと思い込んでいる可能性がある。だから余計に厄介なのである。

値段は下げたら上げられない

商品の価格決めというのは難しい側面がある。もちろん、材料費や各工程にかかる費用などがわかる場合はある程度決めやすくはなるが、固定費の計算なども必要だ。また、形のないサービスであれば、どのように価格を決めればいいか悩むことも多い。

もちろん、高くすればその分顧客がこない可能性は出てくる。安くすれば利益が出ない。適切な利益を自ら考え、価格を決めなければならない。フリーランスの人にとって、価格決めは難しい。

だから安易に価格を下げて対応すればいいと考えてしまうのは違う。なぜなら価格を下げたものを上げるのはさらに難しいからだ。

値段は下げたら上げられないのである。

搾取タイプは同じ価格でないと引き受けない

話を元に戻そう。先ほどの搾取してくるタイプの人は、一度価格を下げたらその後も同じ価格で対応してもらえると思い込んでいる。

最初だけのつもりでいても、

「前回この価格だったから、今回も同じでいいでしょ」

となる。

すでに書いたように、本人は良いことをしていると思い込んでいるのがさらに厄介だ。一度お友達価格を適応してしまったが最後。もはやその価格でいくしかないのである。

そもそもそいつは友達か?

搾取タイプは怖い。だからこそよくよく考えてほしい。そもそもそいつは友達なのかということを。

本当に友達であるなら、安くしてという話はしない。実際に友達に何かを売る機会がある場合、本当に昔からの親友であれば、価格交渉などしない。こちら側が言った値段で対応してくれる。(無理な場合は断ってくることがあるかもしれないが)

値段交渉してくる時点でそいつは友達ではない。さっさと赤の他人だと思えばいいし、なんならちょっとしたクレーマーだと思って対応すべきなのだ。

人の見極めがとても大事なのである。

友達でないのに友達価格はありえない

ここまで友達価格の話をしてきたが、最後に過去に体験したお話を。

以前に交流会に参加したことがある。最近は行く機会がなくなったが、起業して数年はそういった場所で名前も売る必要があるし、サービスに対する反応を知るためにも必要だと思っていた。

その中のとある交流会で、ある人に声をかけられた。その交流会は、最初に各社に商品などのPR時間が設けられている。途中に講演などがあり、最後は自由に交流する場となっていた。

その交流の時間にその出来事は起こる。

声をかけてきたのは40代から50代くらいの人だろうか。自分よりは一回り上の世代だと思われる。名刺交換して、

「さっきのプレゼン見たよ」

と声をかけてきた。そしてその後、

「それってなんぼくらいするの?」

と質問が来た。

私が値段を言う。返答が来た。

「高いわ。友達価格でまけてや。」

・・・。ちょっと待て。まぁ値段が高いと感じたのは良しとしよう。その商品の価値がそこまでないと感じるのであれば仕方ない。そして高いから安くしてよと言うのも、受け入れる気はないが、主張としては良しとしよう。

でも、なんで友達価格なんや。今会ったばかりやろ。友達ちゃうやんけ。

以前に出会ったことがあって、話もしたことがあるとかならまだわかる。(本音を言えば、それくらいではまだ友達ではなく知人くらいな気はするが)

ただ、今会ったばかりのおっさんを友達と思うことはない。ましてやそんなこと言ってくるやつと友達にはならない。勝手に友達価格を要求するではない。友達から要求されるならまだわかるが、友達でないやつが友達価格を要求するのは意味がわからないのである。

友達価格を要求する人とは縁を切ろう

結局、その人との話はそこで終わる。いや、その後会うのも嫌だったというのもある。向こうもコンタクトを取ってくることはないし、今何をしているのかすら知らない。

ひょっとするとその人は同じように交流会で声をかけ、友達価格を要求してくる人だったのかもしれない。同じように声をかけ、中には安く商品を購入したり、サービスを手に入れていたのかもしれない。

本人は満足なのかもしれないが、そんな人間になりたいとは思わない。

結局は友達価格を要求してくる人は友達ではないし、良い顧客でもない。

経験上感じるのが、そういうタイプな人ほど、商売には人との縁が大事であるとか言ってくる。もし、それが自分にとっての縁であるなら、そんな縁は今すぐ絶ってしまった方がいい。

縁には良いものもあれば悪いものもある。それを見極める力も大事だと学んだのだ。








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?