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別れ

長らく、言いたくて言えなかった「退職します」という言葉を、ようやく言うことができた。

どのような言葉が返ってくるかなと、社長の返事を待っていたら
「貴方がそう言うならきっと、考えて、考えて、考えて出した答えだろうから、わかったよ。」
と応えてくれた。

不意を突かれて、うっかり泣きそうになったのを思わずぐっと堪えた。

社長は私のことを、よく見ていてくれたんだなと感じると同時に、急に淋しくなった。

社長は厳しいけれど、いつも私を褒めてくれた。認めてくれて、いろんなことを任せてくれた。
なかなか経験できないことを、たくさん教わった。

別れは、いつも淋しい。
でも、全部は手に持ちきれないから、大切にしたいものをちゃんと大切にするために、選んで、選んで、どれかを手放す。

どれを選んでも後悔しないように、ただ毎日を、一生懸命生きよう。
今までの、感謝を込めて。

それぞれの道がどうか、これからも明るく照らされた道でありますように。

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