十月

日々思うことを記そうと思います

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日々思うことを記そうと思います

最近の記事

すれ違い

いつからだろう。 言葉を交わしても届いている気がしなくて、 言葉を聞いても、何を言っているのかさっぱりわからない。 年末に一緒にいたら息が苦しくなってしまって、気がついたら子どもを連れて家を出てきてしまっていた。 わたしが、こんなことをしてしまうなんて…ということに自分でショックを受けつつも、これからを前向きに生きていくためには必要な選択だったと思っている。 毎日3人で一緒にいることが幸せだと思っていたけれど、毎日わたしがにこにこ笑っている姿を息子に見せることが今は必要

    • 別れ

      長らく、言いたくて言えなかった「退職します」という言葉を、ようやく言うことができた。 どのような言葉が返ってくるかなと、社長の返事を待っていたら 「貴方がそう言うならきっと、考えて、考えて、考えて出した答えだろうから、わかったよ。」 と応えてくれた。 不意を突かれて、うっかり泣きそうになったのを思わずぐっと堪えた。 社長は私のことを、よく見ていてくれたんだなと感じると同時に、急に淋しくなった。 社長は厳しいけれど、いつも私を褒めてくれた。認めてくれて、いろんなことを任

      • 大学院時代、蔓植物の絵を描く友人がいた。 淡い水彩で、蔓を伸ばして増殖するように画用紙を増やして描き続けていて、とても素敵だった。 教授がその絵を見て、 「Mさんの植物は、何だか動物的だねぇ」 と言っていたのをよく覚えている。 その当時は彼女ととても仲良くしていたけれど、話の度に、 「私は羊羹のように縁を切るからね」 と言っていた。 大学院を卒業し、しばらく付き合いがあったものの、突然音信不通になった。 蔓のように手を伸ばし続ける絵とは対照的に、かくして、私との縁

        • 本占い

          何だか心がもやもやする。 これから先の不安とか、なかなか上手く行かないことへの苛立ちとか。 そういう時は、占いを心の支えにしがちだ。 よくわからない未来に、少しでも安心したいとどうしても思ってしまう。 本占いというのを、よくしていた時期があった。 本屋さんへ行って、目についた本を手に取って「えいっ!」と開く。 そのページに書いてある内容で占うのだ。 これが結構侮れない。 その時自分に必要な事が書かれていることも多々あって、ふむふむと思うのである。 一時期この本占いには

          幼少期、父方の祖父は牛を飼っていて、 小さい頃私はその手伝いをよくしていた。 私の担当は、子牛にミルクをあげること。 脱脂粉乳をお湯で溶いて、ちょうどいい温度にして子牛に飲ませる。 学校から帰ってきて、夕方牛小屋へ行くと、 子牛たちは私に気づいて大騒ぎで跳ねまわった。 一頭一頭、丁寧にミルクを作って、順番に飲ませる。 あっという間に飲んでしまって、お母さんのお乳を押すように、私の持っているバケツをぐいぐい押してくる。 子牛にもそれぞれ個性があって、 ミルクをもらうま

          hello my son

          私には今年で7歳になる息子がいる。 主人と一緒にお寿司を食べに出かけた帰りに具合が悪くなって、もしかして…と調べたらお腹に小さな命が宿っていることがわかった。 お腹に息子がいる期間、 大変なこともあったけれど特別な日々だった。 毎日お腹に話しかけて、毎日お腹を撫でる。 とんとんすると、たまに返事をする。 みるみる大きくなるお腹。 私の中に小さな命があるという不思議。 まだ性別もわからなかったある夜、夢を見た。 見知らぬ小さな男の子と、デートをする夢。 小学生くらいの

          hello my son

          rainy day

          雨というと思い出す事がある。 私がかつて花屋で働いていた時、 一緒に働いていた男の子は、婚約者の実家の花屋の跡を継ぐために修行中だった。 いつもにこにこしていて、陽気で、青空の似合う好青年だった。 そんな彼が、 「僕、ものすごい雨男なんです」 と言ったので、びっくりしてひっくり返りそうになったのを覚えている。 爽やかな風貌からして、晴れ男と言うならまだしも、雨のイメージと彼は全くもってかけ離れていたからだった。 よくよく話を聞くと、 今まで生きてきた中で、ここぞという

          rainy day

          for the first time

          日々に流されていると、 往々にして見失いそうになる。 「本当は、どうしたかったの?」 …本当は、 綺麗なものを、たくさん見たい。 場所や、物事に縛られずに、自由に生きたい。 大事なものを慈しんで、 大切な人に、大切に思っていると、 何度も伝えたい。 誰かや、何かのせいではなく、 きっと、自分自身が選んで、選んで、選んだ末にここに辿り着いたはずなのだけど、 ふと立ち止まって、周りを見渡すと感じる違和感は一体… たまに見失ったり、 自分を誤魔化して選んだものが、 日々に混

          for the first time