蔓
大学院時代、蔓植物の絵を描く友人がいた。
淡い水彩で、蔓を伸ばして増殖するように画用紙を増やして描き続けていて、とても素敵だった。
教授がその絵を見て、
「Mさんの植物は、何だか動物的だねぇ」
と言っていたのをよく覚えている。
その当時は彼女ととても仲良くしていたけれど、話の度に、
「私は羊羹のように縁を切るからね」
と言っていた。
大学院を卒業し、しばらく付き合いがあったものの、突然音信不通になった。
蔓のように手を伸ばし続ける絵とは対照的に、かくして、私との縁は羊羹のように切られたのだった。
彼女はまだ、蔓の絵を描き続けているのだろうか。
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