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rainy day

雨というと思い出す事がある。

私がかつて花屋で働いていた時、
一緒に働いていた男の子は、婚約者の実家の花屋の跡を継ぐために修行中だった。

いつもにこにこしていて、陽気で、青空の似合う好青年だった。

そんな彼が、
「僕、ものすごい雨男なんです」
と言ったので、びっくりしてひっくり返りそうになったのを覚えている。
爽やかな風貌からして、晴れ男と言うならまだしも、雨のイメージと彼は全くもってかけ離れていたからだった。

よくよく話を聞くと、
今まで生きてきた中で、ここぞという時には必ず雨が降る人生だったという。

そんな彼の結婚式の前日、
何となくテレビで天気予報を見かけた時、
その画面から目が離せなくなった。
翌日の降水確率が100%だったのだ。

天気予報でも100%という字面はなかなかお目にかかれないなぁと感心したのを覚えている。

予報通り、翌日は大雨だった。


別の花屋で働いていた際にも、
同じような事があった。

社長の誕生日には、必ず雨が降る。
何年かそこで働いていたけれど、
やはりその日は毎年雨だった。

一体何の因果なのだろう。

彼らはきっと、植物に選ばれて、植物に愛されて祝福の雨を降らせてくれているのではないかと、私個人としては思っている。

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