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月経と犯罪 田中ひかる著を読んで

フェムテックウェビナーを実施したきっかけで、femataの中村さんが薦められていた「月経と犯罪」を読んだ。

本書は、月経時に放火や万引きが多いといった説、女性は生理の時にカッとして何をするかわからない、といった言葉の根拠を確かめて、それが信じられてきた理由を明らかにするという目的で書かれている。

様々な事例が書かれており非常に興味深く一気に読んだ。

戦後の犯罪など事例に多いが、現在は月経前に女性の精神変調が起こりやすいことが明らかになっており、月経時というのは誤りだった。ただ当時は、月経が根拠に無実の女性が殺人犯の汚名を着せられた「甲山事件」など、「犯罪における月経要因説」が根強く信じられていた。

現在は女性の犯罪が起きた時に生理中だったか否かが論点になることはないのだろうが、生物学的女性として体にどういった変化が起こるのか男性として理解しておくことは重要だと改めて感じた。

最後のまとめてでこう書かれている。
『月経は長い間、女性だけが抱える生理現象として放置されてきた。まずは月経にまつわる問題を可視化し、社会全体で改善していくことが望まれる』

企業でも女性の健康課題についてセミナーを実施するなど啓蒙活動を行う動きが多くなってきた。フェムテックが一時期のブームではなく、男性・女性の持続的な働きやすさの向上に繋がればいいと思う。

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