読書感想文:Web3とメタバースは人間を自由にするのか
2022年年末から2023年年始にかけて、ここ数年になかったレベルで時間があり、あまりに時間があるのでデジタル積読をついに減らし始めるという快挙を達成しつつあります。といってもおそらく、お正月明けたら、また積読レベルは上がっていくのでしょうが、場所を取らないので心が痛まないことがよくないですよね。
と、デジタル積読の話ではなく、すごく久しぶりにnoteに書く読書感想文は「Web3とメタバースは人間を自由にするのか」という本です。何気に日本語の本で感想文書くのも初めてかもです。(嘘でした。前回も日本語の本について紹介してました。)
タイトルがWeb3.0じゃないんだ?とかっていう細かいところもありますが、その辺はあまり気にされてないような形で、世の中で言うとWeb3.0のブロックチェーンとか周りの現状や今後のことについて想定しうることを書かれているうまくまとめていらっしゃる本ではありました。
簡単にようやくしてしまうと、元々インターネットが開発された時の政府や機関に管理されない自由な空間というコンセプトが、Web2.0のBig techなどのテクノロジーによってビックデータによるレコメンドロジックなどで管理されてしまう世界になってしまったけど、Web3で分散管理されることで、また自由な世界を実現できるのか?ということを主題とされてました。
仮想通貨とかNFTとかが本当に次の世代のインターネットなの?という疑問がここ数年ずっとしていたのですが、そこは下記のように明確に否定してくれているところが個人的にすごい腹落ちしたポイントでした。
Kindle版で読んでたのですが、'popular highlight'でも13人以上がハイライトしてくれてたので、多くの読者の人が同じ疑問を持ってたんじゃないかと感じてしまった瞬間でもありました。
結局、インターネットの元々の国家権力とか監視から離れた自由な世界は管理されない分、利用の仕方などが難しく、結局ある程度管理されざるを得ないという事実もあることも書かれており、単なる夢物語だけじゃなくて現実的な面も抑えてらっしゃるのは長年ジャーナリストをやられている佐々木さんらしいなと感じました。
後半戦はどうやって、トークンや自動運転などのテクノロジーが社会の中で成立しているのかを書かれているのですが、この辺は佐々木さんなりの論理・仮説に基づいた世界が展開されており、ふむふむと読んでいくことができます。自分の感想としては、ふむふむ以上のものはなかったのですが、あえて個人の意見をもってくるのであれば、どんなテクノロジーもユーザーメリットと価格が釣り合わないと、広がらないと思うので、どこの会社がそういった上手いビジネスモデルを作り出せるのか、書かれている構想や案よりもまだまだいろいろありそうだなぁということぐらいでしょうか。特に、エピローグでも、今回書かれたものがはやるんだと断言しているわけではと書かれているので同じ感覚なんだと思います。自分が、代案として何かこういった社会が実現されると具体的な意見がいまあるわけじゃないので、結果、ふむふむという感想になってしまうわけですが。
200ページ前後で文章もわかりやすくさらりと読めるので、少し流行り言葉でWeb3が!とかNFTがとか気になるけども、もやってる人がいたら自分の頭の整理のために読んでみるのはいかがでしょうか?
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日々ぼけっと生活してしまっていますが、他の人にもなんらか価値のある情報や自分なりの視点を何か持っているはずと信じてnoteをはじめました。 自己紹介はこちら https://note.mu/t_kis/n/n768f4613e0ef