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学童用ドリルを選ぶ菜種梅雨

息子のスイミングを見届け、外に出る。
雨が降り続いていたので本屋にて待ち合わせ。
学習参考書コーナーを物色した。

お目当ては新小一用ドリル。
小学校入学前に、来週から始まる学童保育に持たせるもの。
息子の新生活も忙しない。

足し算引き算、カタカナ練習……どれにしよう。
勉強を、というよりどうせなら楽しく過ごしてもらいたい。
塗り絵じゃ駄目なのかな? 「間違い探し」はOK?
「プログラミング」なんて教材がある。これがいいか。

決められず、ぐるり見て回る。
数十年ぶりに大学受験コーナーに足を踏み入れるとタイムトリップした。
高校三年、受験全てに落ちた苦い過去。
合格した恋人が薦めていた桐原の英語参考書。
それをパラパラ眺めていた記憶……

「合格したよ」

えっ?
突然の声に振り返ると上気した息子の顔。
雨中走ってきたらしい。
理解が追い付かずボーっとしていると、息子はもう一度大きな声で
「合格したよ、進級試験」
と言った。


(がくどうようどりるをえらぶなたねづゆ)

季語(晩春): 菜種梅雨


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