俳句に、嫌われたくない。
「パパのお本きましたー」
帰宅した四歳息子が封書を持ってくる。
「NHK俳句(12月号)」年間契約の最後。
「あるかなあ」
毎月、息子と公募欄を探すのが決まり。
「……ないね」
新号が来ると前月のは息子にあげる。
本棚に(1)~(11)を並べ直す息子。
「パパのはどれだっけ~」
年間を通して選ばれたのは――
[佳作] 菜の花やチェーンを直す指の黒 (6月・「菜の花」・鴇田智哉選)
[佳作] 青瓢実家の犬の尾を振つて (11月・「瓢」・櫂未知子選)
「2個だけ?」
容赦ない言葉。
自分のレベルからすれば上出来なんだけどな。
問題は二つ目。
ごめんなさい。
瓢がなんたるかも知らずに作りました。
実家で犬を飼っていたこともありません。
大喜利気分で作ったでっち上げ。
「犬いたの?」
息子に問われ、かーっと顔が真っ赤になったのを覚えてる。
落ち込んだと思ったか、息子から
「選ばれなくてもいいんだよ」の言葉。
……だよね。
十年後、見返して「これは…」と思い出と感動を語れる句を作っていくよ。
え? 来年もとるの?
妻の視線は生暖かい。
並べたきバックナンバー嵐雪忌
(ならべたきばっくなんばーらんせつき)
季語(初冬): 嵐雪忌(らんせつき)
※旧暦十月十三日。蕉門の俳人服部嵐雪の忌日。
前日の十二日が芭蕉の忌日で「芭蕉忌」。
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※あくまでも個人の句作りにおける感想・反省で、他の方の姿勢を揶揄するものでは決してありません。
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