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今日を「かつ丼記念日」とします。

五歳息子との悲願、かつ丼を食べること。

赤ん坊時のアレルギー検査で「卵」に強めの陽性が出た彼。
克服すべく提案されたのが経口免疫療法。
耳かき一杯ほどの黄身から少しずつ食べる量を増やしていく。
妻と息子の闘いは離乳食が始まるや毎日続いた。

三歳、初めてゆで卵を丸々一個食べられた時の妻の喜び。
四歳、保育園で皆と同じパンになった時の息子の喜び。
――パパはな、いつかお前とかつ丼が食べたいんだ。
先日の検査で見事「陰性」となった。もう恐れることはない。

今宵、地元のとんかつ屋。
とろ~り半熟卵のかかったご飯を頬張る息子。
親指グッジョブ。卵とじ最強だろ?
息子は一人前をペロリと平らげる。
私自身も五年ぶりのかつ丼を堪能。
ママの残した分も二人で分けた。

帰り道の夜空には満月が。

息子と「最後は卵かけごはんだな」と語らい歩く。
同時に、積み重ねていく大切さをあらためて。
自分にとっての「耳かき一杯の黄身」ってなんだろな……


盆の月耳かきほどの一歩から

(ぼんのつきみみかきほどのいっぽから)

季語(初秋): 盆の月

※仲秋の名月の一か月前。旧暦七月十五日の盂蘭盆の夜の月。


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