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同じ風景、でも違う光景。

同じ場所を訪れると、目に見えて分かることがある。
四歳息子の歯医者。
私が立ち会うのは二年ぶり。
控室から泣き喚き、先生に歯を見せるだけでも難儀したあの日。
今や、着席と同時に率先して大きく口を開き「言われてからでいいよ」と看護師さんに諭されている。
削る作業(←虫歯!)も泣かずにできた。

「パパ、こっちから来れたね」
指摘され私自身もハッとなる。
雑居ビルへの階段。
わずか数段も、二年前はスロープを迂回した。
今や手すりを持ちつつも階段をのぼっている。
自分も成長(復帰?)したんだな、と嬉しかった。

帰りの屋上。
「歯医者さん頑張ったねー」とかつて一緒に揺れた遊具には見向きもせず。
ゲームコーナーを見つけるや、マリオカートに一直線。
一人ハンドルを操り、競争相手のパパに物をぶつけて蹴落とし見事一位になって笑う。
これは嬉しくも――少し切ない。


冬めく


拾円で動くパトカー冬めきぬ

(じゅうえんでうごくぱとかーふゆめきぬ)

季語(初冬): 冬めく



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