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小さな郵便屋さんたち

午前中、仕事の請求書を出しに。
歩道向こうのポスト周辺に体操着の集団が。
ん? どこか見たことある紅白帽……五歳息子の保育園!?
私の視力では顔まで分からない。

なんだろう? 課外授業?
近づいて息子の動向を覗き見たいような。
でも見つかってしまうのは気恥ずかしい。
度胸決まらず寺の境内へと迂回。
咲き始めたコスモスを見ながら時間を潰した。

五分後、ポストへ行き投函。
歩道を渡って戻っていく園児の背中がちらり。
やはり。後ろの子は親友リョウマ君じゃないか……

帰宅後に聞けば、息子たちで正解。
年長の彼らが「郵便屋さん」となり、園児ら皆が書いた「敬老の日はがき」を出しに行ったんだとか。なんて素敵な企画。
園外に出ることは珍しく、息子にとっても興奮の出来事。

「いつもパパのお仕事のお手紙出すところあるでしょ? あそこに出しに行ったんだよ!」
ふんふんと私は聞いている。
今回の仕事は今後も続きそうな気持ちになって――


コスモスや手を挙げ渡るカラー帽

(こすもすやてをあげわたるからーぼう)

季語(仲秋): コスモス、秋桜


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