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一周忌の帰省~母とふたりの法要

父の一周忌法要のため家族で帰省。
初日は江の島観光に。
五歳息子にシーキャンドル(展望台)を勧めると「パパが行きたいなら」

雨の予報は外れピーカン。
気温も上昇し大橋を渡るだけで汗ダラダラ。
「歩ける?」と心配の妻。
なあにエスカー(エスカレーター)があるし。
若い頃は見向きもしなかったが今やありがたし。

途中の弁財天は我ら夫婦にはいわくありげの場所。
「弁天様が嫉妬する」噂通り、参拝した年に交際七年目で一度破局を迎えた。
妻は見向きもせずに早足で素通りしていった。

展望台はエアコンも効いてて快適。
さらに最高だったのが階上のオープンデッキ。
吹きつける海風がとても涼しかった。
解体中の海の家を眺めつつしばしボー。
「もう満足したでしょ」 息子の言葉で強制終了。
下りはエスカがないことを知り、階段を酸素カートを担ぎ降りたのは誤算。


江の島のてつぺんの色なき風よ

(えのしまのてっぺんのいろなきかぜよ)

季語(三秋): 秋風、秋の風、金風(きんぷう)、色なき風

二日目は法要。
前日に妹家族から急な発熱があり外出を控えるとの連絡。さらに直前、息子が謎の腹痛を起こしママと家で待ってることに。

大きな本堂の中、母と住職と三人きり。
お経を聞きながら父に一年の報告を……五分でし終えてしまった。
蒸し暑さに渡されたうちわを扇いでいると、視線を。
見れば壁にぐるりと五百羅漢像。
一つ一つ顔を見てキャラ設定して過ごす。ご無礼致しました。

「これでようやくほっとしたわ」
青空と同じくらい、母の晴れやかな顔が印象的だった。
帰宅すると元気な息子の姿が……なんだったんだ?


経を聞く五百羅漢と秋団扇

(きょうをきくごひゃくらかんとあきうちわ)

季語(初秋): 秋扇(あきあふぎ、しうせん)、秋団扇、扇置く、団扇置く、捨扇、捨団扇

帰りは贅沢に東海道線グリーン車。
乗車直前に思いついて大船軒のサンドイッチを。
鰺の押寿しとこれは父がよく買ってきた懐かしの駅弁。
ハムとチーズをそれぞれパンに挟んだだけのもの。
「これで540円?」と妻は言うが思い出込みだから。
パクリ一口。あー素朴。

「雲がきれいだよ」
車窓を眺めていた息子が不意に。
続けて「いい思い出になったね」とぽつり。
……お、おう。ありがとな。


折詰のサンドウヰッチや秋の雲

(おりづめのさんどいっちやあきのくも)

季語(三秋): 秋の雲、秋雲(しううん)


※以上、今日は二日分(800文字+三句)になりました。長文失礼しました。

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